外資系投資銀行への道標

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外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への転職・就職に関する記事を書いています。

外資系投資銀行の年収・給料事情を告白したい【新卒2年目で年収1,000万円】

この記事は2016年12月2日に公開され、2017年4月15日に内容が更新されています。

1,000億円を超える大型M&Aや、有名企業による巨額の資金調達の裏には投資銀行のバンカーと呼ばれる専門家集団が暗躍(?)していることをご存知でしょうか?バンカーは売却企業と買収企業の間に入り、案件が無事クロージングするまで各種ソリューションを提供しています。

投資銀行は案件金額の数パーセントをフィーとして受け取っています。例えば1,000億円のM&Aのディールだったとしたら、約2%の2億円のフィーを受け取るイメージです(手数料率は案件次第です)。その金額をたったの10人足らず、期間にして3ヶ月〜半年ほどで稼ぎ出すのです。また、バンカーは常に2〜3本のディールを抱えているので、少数精鋭で大きく稼ぐのが投資銀行のビジネスといえます。当然、それほど稼ぐバンカーですから給料もバツグンです。

「高給高給っていうけれど、じゃあ実際どれだけ稼ぐのさ?」

外資系投資銀行に勤めていた経験から、この疑問についてできるだけ詳しく解説したいと思っています。

注:以下は投資銀行の中でもいわゆる投資銀行部門について記述しており、マーケット側の話やミドル、バックオフィスの話は出てこないのでご留意ください。

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新卒2年目でなんと年収は1,000万円!

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投資銀行らしく、Conclusion Comes Firstでいきます。

・アナリスト1年目(新卒):800万円前後

・アナリスト2〜3年目(入社2〜3年):1,000万円~1,500万円

・アソシエイト(入社4〜6年):1,500万円~2,000万円

・ヴァイスプレジデント(入社7〜9年):2,000万円~3,000万円

・ディレクター(入社10年〜):3,000万円〜4,000万円

・マネジングディレクター:4,000万円〜

新卒の時点ではファームによって50万円前後の振れ幅がありますが、概ねどこも同じくらいで年収は800万円前後です。これは、ネット企業のスーパーエンジニア採用のようなごく特殊な採用を除くと最高水準の年収といえます。平均的な新卒の年収の2.5倍以上を稼ぐのが投資銀行です。

また、ヴァイスプレジデント以降は特に振れ幅が大きくなっています。これはインセンティブ部分が大きくなるためです。つまり案件をとればとるほどボーナスが大きくなる仕組みということです。よって業績次第で年収は乱高下しやすくなります。

年収はベースサラリーとボーナスの合計

投資銀行は年俸制を採っています。年俸はベースサラリーとボーナスから構成され、それぞれ年収の中の固定部分と変動部分を指します。上記の例でいうと、新卒は650〜700万円がベースサラリー、100〜150万円がボーナスとなります。

アナリストの間はベースサラリーの伸びの方が早いのですが、次第にボーナスの上がり幅の方が大きくなってきて、アソシエイトの後半にはベースとボーナスが均衡するくらいになります。さらにヴァイスプレジデントからはボーナスがメインとなっていきます。

これは、アナリストやアソシエイトは収益責任を負っておらず、いかにボスの求める通りのアウトプットを出せるかが重要視されているためです。そして、ヴァイスプレジデント以上は案件の獲得に責任を負うべくインセンティブ重視になっています。

投資銀行のベースサラリー

ベースサラリーとは基本給のことです。私が新卒で入社した時のベースサラリーが700万円であり、それを12で割った約58.3万円が月給でした。年俸制なのでこの58.3万円には残業代や家賃補助、通勤手当てなどすべて含まれており、どれだけ残業したところで月々振り込まれる金額は変わりません。

手取りとしてはそこから税金、年金等が天引きされ、40〜50万円前後が口座に振り込まれることになります。

基本給は同じタイトルで足踏みしない限り基本的に毎年上がります。私の場合も100〜200万円程度上がっていました。

ベースサラリーの内訳

日本企業の場合、基本給22万円に家賃補助3万円と通勤手当1万円が加わり、さらに残業代で4万円が足されて、最終的に月給は30万円となるような積み上げ式の考え方です。

一方で投資銀行含む年俸制の給与体系では、月給が先に決まっていて、そのうち○○%が家賃補助、▲▲%が通勤手当という風に内訳が決まります。

新卒の例ですと、正確なパーセンテージは失念しましたが、58.3万円のうち12万円程が家賃補助に当たるハウジング手当、2万円強が通勤手当となっていたと記憶しています。

このように内訳に関しては無理やり月給に対してパーセンテージを設定するので、ベース給が上がるとハウジング手当や通勤手当もどんどん大きくなっていきます。とはいえ何度も申し上げている通り、支払われる月給が先に決まっているので内訳自体に意味はありません笑

投資銀行のボーナス

前述の通り外資系投資銀行の年俸のうち、ボラティリティがとても高いのがボーナス部分になります。ボーナスは年1度、毎年7月に支給されます。

ジュニアはチームへの貢献度を主軸にボーナスの査定が下されます。要はチームにとって使えるか使えないか、です。

これがオフィサーとなってくると収益貢献を主軸に査定が下されるため、ボーナス部分の比重が大きくなります。業績連動ともいえるので、市況の変化がモロに影響してきます。市況が悪い時期だと案件がとりづらいため賞与も低くなりがちですし、市況が良いと巨額案件がでてきたり案件数が増えるので賞与も高くなりやすいです。

また、投資銀行部門のバンカーに支払われるボーナスは部の収益の実績に比例します。仮に昨年の2倍の収益を部が稼いだら、なんと支給されるボーナスの総額も2倍になります。さらにいうと、投資銀行部内でもセクター(担当する業界のこと)によって儲かっているチームとそうでないチームが分かれます。基本的には儲かってるセクターのバンカーの方が、そうでないバンカーよりもボーナスが高い傾向にあります。

年俸の発表の瞬間

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6月某日。待ちに待った年俸の発表日。ボスが席で仕事をしている私を見て、指で「こっちに来い」と呼びました。作業を切り上げてボスの部屋に入ると、既に人事の部長が来ていて椅子に座っています。ボスが空いている席を私に勧めました。私が椅子に座ったことを確認してから、ボスが机の上に一通の封筒を置き、スッとこちらに寄せてきました。さらに人事が「ここで封を開けて中を確認してください」と言いながらハサミを手渡してきます。それを受け取りつつ、「毎年のこととはいえ、この瞬間が一番緊張するなぁ」なんて思いながら封を切ると…!?

これが年俸発表日の緊張のシーンになります。何度経験しようとも、大学受験の合否発表日に掲示板の前にいるような、そんな緊張感があります。

外資系投資銀行には「UP or OUT」という有名なフレーズがあり、ボスの期待通り実績を出して年俸が上がるか、さもなくばクビ(もしくは自分から辞職を申し出る)という意味で使われます。その重圧を受けつつ1年間勤務しているため、余計に力が入ってしまうのです。

■給料の渡され方がいかにも外資系!ビズリーチ!

同僚が同僚を評価する!?

外資系投資銀行の人事評価は360度評価と呼ばれており、同僚からの評価をベースに処遇を検討するシステムを採用しています。360度評価自体は半年ごとに一度行われますが、給与に直接的に響くのは毎年3月に行われる360度評価になります。

以下でそのシステムを詳しく説明します。

1. 評価者を決める

360度評価を行うにあたりまず最初に行うことは、自分を評価してくれる人を指名することです。具体的には下記の中からバランスよく人選をします。

  • 上司
  • 同じタイトル
  • 部下
  • 一緒に密に仕事をした他部署のメンバー(M&A部隊や資本市場部などの社員)

などからおよそ10〜15人ほどを自分で選び、部長にメンバーリストを申請します。部長はメンバーに偏りがないか、適正な選定になっているかなどを確認し、問題がなければ承認します。

2. 選んだメンバーに評価依頼

部長の承認が下りたら自動でメンバーに評価依頼のメールが飛びます。一応、「評価依頼をしたのでよろしく」的なメールを入れておきます。

なお、評価シートにはいくつも自由記述欄があって真面目に取り組むと結構面倒な作業になります。良いコメントを書いて欲しいので、さりげなく「君の時短のため、ドラフトを作っといたよ。参考まで」的な枕詞をつけて、自分への評価コメントを自分で考えて添えておくことも忘れません。バンカーは常に相手の気持ちや課題を把握し、タイムリーに最適なソリューションを提案することが肝要なのです(キリッ

3. メンバーが評価

依頼を受けたバンカーは期日までに評価シートに記入して人事と部長に提出します。被評価者にはその内容が伝わることはありません。

評価項目は下記のように多岐にわたります。

  • 取り組み姿勢は積極的か
  • 業務は正確か
  • 案件を通じてチームにどのような貢献をしたか
  • タイトルに相応しいスキルセットを身につけているか
  • 被評価者が同じタイトルの同僚と比べてアウトパフォームしているのはどのような点か
  • 被評価者が同じタイトルの同僚と比べてアンダーパフォームしているのはどのような点か

このような項目を中心に記述を求められます。質問項目自体はファームによってカスタマイズされているのですが、概ね上記のようなものになります。

4. 部長が結果を取りまとめ、最終的な処遇を決定する

評価が済み次第、シートは部長の元に集められ、それをベースに最終的に部長が評価をまとめます。

5. 最終的な評価が被評価者に伝えられる

最終評価が固まったら6月に被評価者と面談をします。そこで評価が伝えられ、合わせて今期のベースサラリーと賞与が発表されます。通常は15分程度の面談で終わることが多いのですが、評価に納得がいかない場合はその場で部長に意見を言うため長引きます。ゴネた結果年俸が上がるかどうかはケースバイケースですが、10人以上の評価をベースに算定された人事評価が覆るケースはそれ程多くありません。

評価結果には納得感はあるが、疲れる制度

これまで見てきた通り、360度評価自体は多数のサンプル / ファクトを集めて結論を導くため、なかなか納得感があります。ボス一人が部下全員の評定を決める従来のシステムでは、ボスは普段そんなにつぶさに部下を観察しているわけはないので、どうしても一面的な評価になりがちです。またボス個人の私情が入り込む余地が生まれてしまいます。しかし、360度評価は別名「多面評価」とも呼ばれるように、複数人が様々な目線から被評価者に評価を下すという点で良くできたシステムです。

一方で、部長の確認が入るとはいえ、仲の良い社員同士で良い評価をし合う、いわゆるお手盛りが可能な点が問題といえます。実際に、陰で事前に示し合わせて、あるいは暗黙の了解でお手盛りがされている例もあって人事には課題意識があったようです。

そういうお手盛りを防ぐという意味で「勝手評価」というシステムもありました。勝手評価とは、評価者として選ばれてはいないけれども物申したいという場合に利用される制度で、選ばれていないにも関わらず評価が出せます。しかも、被評価者には勝手評価によって評価されたことが伝わりません。勝手評価をすることを業界では「刺す」と呼びました。表立って刺したことを言いふらすことはありませんが、裏では憎っくきボスや無能な部下をぶっ刺すという風に、なかなか良くワークしていた模様です。

また、緊密に業務をする相手から評価をされるというのは、関係が良好なうちは良い緊張関係を保てる反面、相性が悪いとそれを通り越してストレスしか生まないようになります。その場合、毎日「3月の評価でぶっ刺してやる!」と心の中で呪詛を唱えながら、笑顔で「Yes!My boss!」と言える面の厚さを身につけなければなりません。これは…実に疲れるものなのです。

最後に

どこよりも詳しい外資系投資銀行のお金事情について赤裸々に解説してきました。いかがでしたでしょうか?

投資銀行は激務とはいえ、それを補って余る程の金銭的インセンティブが用意されています。お金だけが仕事ではありませんが、若いうちにたくさん経験してたくさん稼ぎたい!という人にはとっても合う仕事だと思います。30代でセミリタイアという選択肢も十分ありうる業界ですので、今の給料が安いと考えているならばワンチャンス狙って転職してみてはいかがでしょうか!

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