外資系投資銀行への道標

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外資系投資銀行の年収・給料事情を告白したい【新卒2年目で年収1,000万円】

2018年2月14日更新 2016年12月2日公開

1,000億円を超える大型M&Aや、有名企業による巨額の資金調達の裏には投資銀行のバンカーと呼ばれる専門家集団が暗躍(?)していることをご存知でしょうか?

バンカーは売却企業と買収企業の間に入り、案件が無事クロージングするまで各種ソリューションを提供しています。

 

投資銀行は案件金額の数パーセントをフィーとして受け取っています。

例えば1,000億円のM&Aのディールだったとしたら、約2%の2億円のフィーを受け取るイメージです(手数料率は案件次第です)。

その金額をたったの10人足らず、期間にして3ヶ月〜半年ほどで稼ぎ出すのです。

 

また、バンカーは常に2〜3本のディールを抱えているので、少数精鋭で大きく稼ぐのが投資銀行のビジネスといえます。

当然、それほど稼ぐバンカーですから給料もバツグンです。

 

「高給高給っていうけれど、じゃあ実際どれだけ稼ぐのさ?」

 

外資系投資銀行に勤めていた経験から、この疑問についてできるだけ詳しく解説したいと思っています。

注:以下は投資銀行の中でもいわゆる投資銀行部門について記述しており、マーケット側の話やミドル、バックオフィスの話は出てこないのでご留意ください。

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新卒2年目でなんと年収は1,000万円!

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投資銀行らしく、Conclusion Comes Firstでいきます。

  1. アナリスト1年目(新卒):800万円前後
  2. アナリスト2〜3年目(入社2〜3年):1,000万円~1,500万円
  3. アソシエイト(入社4〜6年):1,500万円~2,000万円
  4. ヴァイスプレジデント(入社7〜9年):2,000万円~3,000万円
  5. ディレクター(入社10年〜):3,000万円〜4,000万円
  6. マネジングディレクター:4,000万円〜

 

新卒の時点ではファームによって50万円前後の振れ幅がありますが、概ねどこも同じくらいで年収は800万円前後です。

これは、ネット企業のスーパーエンジニア採用のようなごく特殊な採用を除くと最高水準の年収といえます。

平均的な新卒の年収の2.5倍以上を稼ぐのが投資銀行です。

 

また、ヴァイスプレジデント以降は特に振れ幅が大きくなっています。

これはインセンティブ部分が大きくなるためです。

つまり案件をとればとるほどボーナスが大きくなる仕組みということです。

よって業績次第で年収は乱高下しやすくなります。

年収はベースサラリーとボーナスの合計

投資銀行は年俸制を採っています。

年俸はベースサラリーとボーナスから構成され、それぞれ年収の中の固定部分と変動部分を指します。

上記の例でいうと、新卒は650〜700万円がベースサラリー、100〜150万円がボーナスとなります。

 

アナリストの間はベースサラリーの伸びの方が早いのですが、次第にボーナスの上がり幅の方が大きくなってきて、アソシエイトの後半にはベースとボーナスが均衡するくらいになります。

さらにヴァイスプレジデントからはボーナスがメインとなっていきます。

これは、アナリストやアソシエイトは収益責任を負っておらず、いかにボスの求める通りのアウトプットを出せるかが重要視されているためです。

そして、ヴァイスプレジデント以上は案件の獲得に責任を負うべくインセンティブ重視になっています。

投資銀行のベースサラリー

ベースサラリーとは基本給のことです。

私が新卒で入社した時のベースサラリーが700万円であり、それを12で割った約58.3万円が月給でした。

年俸制なのでこの58.3万円には残業代や家賃補助、通勤手当てなどすべて含まれており、どれだけ残業したところで月々振り込まれる金額は変わりません。

手取りとしてはそこから税金、年金等が天引きされ、40〜50万円前後が口座に振り込まれることになります。

基本給は同じタイトルで足踏みしない限り基本的に毎年上がります。

私の場合も100〜300万円程度上がっていました。

ベースサラリーの内訳

日本企業の場合、基本給22万円に家賃補助3万円と通勤手当1万円が加わり、さらに残業代で4万円が足されて、最終的に月給は30万円となるような積み上げ式の考え方です。

 

一方で投資銀行含む年俸制の給与体系では、月給が先に決まっていて、そのうち○○%が家賃補助、▲▲%が通勤手当という風に内訳が決まります。

新卒の例ですと、正確なパーセンテージは失念しましたが、58.3万円のうち12万円程が家賃補助に当たるハウジング手当、2万円強が通勤手当となっていたと記憶しています。

 

このように内訳に関しては無理やり月給に対してパーセンテージを設定するので、ベース給が上がるとハウジング手当や通勤手当もどんどん大きくなっていきます。

とはいえ何度も申し上げている通り、支払われる月給が先に決まっているので内訳自体に意味はありません笑

投資銀行のボーナス

前述の通り外資系投資銀行の年俸のうち、ボラティリティがとても高いのがボーナス部分になります。

ボーナスは年1度、毎年7月に支給されます。

ジュニアはチームへの貢献度を主軸にボーナスの査定が下されます。

要はチームにとって使えるか使えないか、です。

 

これがオフィサーとなってくると収益貢献を主軸に査定が下されるため、ボーナス部分の比重が大きくなります。

業績連動ともいえるので、市況の変化がモロに影響してきます。

市況が悪い時期だと案件がとりづらいため賞与も低くなりがちですし、市況が良いと巨額案件がでてきたり案件数が増えるので賞与も高くなりやすいです。

 

また、投資銀行部門のバンカーに支払われるボーナスは部の収益の実績に比例します。

仮に昨年の2倍の収益を部が稼いだら、なんと支給されるボーナスの総額も2倍になります。

 

さらにいうと、投資銀行部内でもセクター(担当する業界のこと)によって儲かっているチームとそうでないチームが分かれます。

基本的には儲かってるセクターのバンカーの方が、そうでないバンカーよりもボーナスが高い傾向にあります。

外資と日系の給与の違い

一般的にゴールドマン・サックスなど外資系投資銀行の方が、日系投資銀行より高給であるケースが多いです。

有名なところだとゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、JPモルガン、メリルリンチなどが挙げられます。

これらはファーストティア(一軍)と呼ばれることが多い外資系で、給料も一流です。

入社3年目で1,500〜2,000万円ほどです。

 

ただ、すべての外資系が日系より高給かというと、もちろんそうとも限りません。

野村証券の投資銀行部門はリーマンブラザーズを買収していることから、日系にもかかわらず外資系水準の給与体系になっています。

これはシティバンクやUBSなどのセカンドティア(二軍)と十分に張り合う水準です。

 

また、SMBC日興証券の投資銀行部もかつてシティバンクの東京支店だった(経緯は複雑なので割愛)という面があるので、比較的外資系の給与体系です。

入社3年目で1,500万円前後といったところでしょうか。

 

その他クレディスイスやパリバなどサードティア(三軍)があります。

しかし、サードティアはレイオフリスクがある分日系より給与が高いものの、案件数や存在感を鑑みてどちらを選ぶかは意見が分かれるところです。

大和証券やみずほ証券などの日系は、給与体系が証券や銀行の総合職と横並びのところが多く、入社3年目で400〜700万円といったところです。

職種別の給与の違い

職種別に見ても給与は異なります。

花形の投資銀行部、資本市場本部は上記の通り高い水準です。

収益責任のより強い投資銀行部の方が、後々給与も上振れていく傾向にはあります。

 

株式調査部は投資銀行部や資本市場部ほどではありませんが、やはり高給の部類でしょう。

外資系の入社3年目で1,000〜1,500万円ほどです。

 

資本市場業務部は、直接売上を上げる性質の部署ではないため上昇余地は低いです。

ただ、投資銀行部とは違いクビになりにくい職種でもあるので、安定した仕事と言えます。

逆に昇格がしにくいともいえそうです。

タイトル別の給与の違い

投資銀行では新卒〜3年目までを「アナリスト」、4年目〜6年目までを「アソシエイト」、7年目以降は「ヴァイスプレジデント」、「ディレクター」、「マネジングディレクター」と呼びます。

業界ではそれぞれ略してアナ、アソ、VP、D、MDなどと呼びます。

 

それぞれの節目には昇格試験があり、それにパスをすれば昇給します。

様々な昇格試験がありますが、私がいたファームでは、

  1. TOEIC
  2. 試験官と英語でディスカッション
  3. 財務・会計の筆記試験

があり、それぞれの結果を基に総合的に判断されていました。

全員昇給できるわけではなく、1/3程度は落ちてしまいます。

年俸の発表の瞬間

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6月某日。

待ちに待った年俸の発表日。

 

ボスが席で仕事をしている私を見て、指で「こっちに来い」と呼びました。

作業を切り上げてボスの部屋に入ると、既に人事の部長が来ていて椅子に座っています。

ボスが空いている席を私に勧めました。

私が椅子に座ったことを確認してから、ボスが机の上に一通の封筒を置き、スッとこちらに寄せてきました。

さらに人事が「ここで封を開けて中を確認してください」と言いながらハサミを手渡してきます。

それを受け取りつつ、「毎年のこととはいえ、この瞬間が一番緊張するなぁ」なんて思いながら封を切ると…!?

 

これが年俸発表日の緊張のシーンになります。

何度経験しようとも、大学受験の合否発表日に掲示板の前にいるような、そんな緊張感があります。

外資系投資銀行には「UP or OUT」という有名なフレーズがあり、ボスの期待通り実績を出して年俸が上がるか、さもなくばクビ(もしくは自分から辞職を申し出る)という意味で使われます。

その重圧を受けつつ1年間勤務しているため、余計に力が入ってしまうのです。

■給料の渡され方がいかにも外資系!ビズリーチ!

最後に

どこよりも詳しい外資系投資銀行のお金事情について赤裸々に解説してきました。

投資銀行は激務とはいえ、それを補って余る程の金銭的インセンティブが用意されています。

お金だけが仕事ではありませんが、若いうちにたくさん経験してたくさん稼ぎたい!という人にはとっても合う仕事だと思います。

30代でセミリタイアという選択肢も十分ありうる業界ですので、今の給料が安いと考えているならばワンチャンス狙って転職してみてはいかがでしょうか?

■ワンチャン目指すなら投資銀行御用達のビズリーチ!