外資系投資銀行への道標

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外資系投資銀行のボーナスと給料の使い道とは?【超高給】

2018年2月14日更新 2017年1月21日公開

高給で有名な外資系投資銀行ですが、実際の所、お金の使い道はどうなっているのでしょうか?

ただでさえ月給が高いのに、新卒ですら百万円単位のボーナスが懐に入ってきます。

貧乏だった学生時代から一転、突然諭吉さんが大隊を組んで我が家にやってくるのです。

彼らが一体そのお金をどのように使うのか、その使い道は気になるところですよね。

なかなか人によってキャラが分かれるので一概には言えませんが、実体験と周囲からよく聞いた話を元にまとめてみました。

なお、そもそも投資銀行の年収についての説明は下記の記事が詳しいです。

外資系投資銀行の年収・給料事情を告白したい
外資系投資銀行の年収が高い3つの理由

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バンカーに倹約するという発想はない

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一般的に、バンカーに「倹約」の2文字は似合いません。

そもそも倹約家は、投資効率について助言する側のバンカーを目指さないからです。

 

また、仮に給与を資産形成にまわしている場合でも何かしらのアセットを保有する(投資活動をする)ことになります。

マーケットのプロフェッショナルであるバンカーが、超低金利に甘んじて貯蓄を選択し、死に金のまま放置しているわけがないのです。

 

投資にしろ、浪費にしろ、資金を回すことを第一に考える癖がありますので、死に金を見ると据わりが悪いというか、"なんだか妙に気持ち悪い"のです。

バンカーのお金の使い方

では実際にどういったお金の使い方をするのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

1. 家を買う

お金ができるとバンカーはタワーマンションの一室を買いがちです。

既婚者に多い傾向があります。

新卒3年目で7,000万円だか8,000万円だかのタワマンを買っちゃうわけです。

本人から聞くに、そのほとんどを頭金としてキャッシュで払ってしまうので、ローン負担はそんなにないようです。

マイナス金利も影響し、近年の住宅ローンは条件がよく、積極的なローンの利用をする向きもあるようです。

 

購入したマンションは、自分で住むケースもあれば投資用で購入するケースもあります。

自分で住むために購入するケースでも、気に入っている間はそこに住んで、飽きたりもっと良い物件が見つかったらマンションを売却して買い換える、そういうつもりで購入するケースが多いです。

投資用マンションのセールスマンにご注意!

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また、投資用物件に関しては、デスクで仕事をしていると斡旋電話がよくかかってきていました。

四半期に一度は電話での勧誘があったでしょうか。

セールスの電話だとわかれば即切り上等なのがバンカーなのですが、彼らは非常に巧みな話術で受話器を置かせまいとしてきます。

 

一例ですが、彼らは第一声で会社の名前の正式名称を名乗りません。

だいたいアルファベット3文字くらいの略名で名乗ってきます。

こちらとしてはそんな名前のクライアントは掃いて捨てるほどいるので、ついつい本題を聞いてしまいます。

例え怪しいと思ったとしても、上司のクライアントかもしれないという可能性がある限り即切りできないということを知っているのです。

 

また、彼らは一人でも名前と電話番号が一致している社員を知っていたら、その電話番号の下一桁を順番に変えて電話してきます。

隣のデスクで電話が終わったら、その隣の電話機が鳴るということです。

 

ではどうやって彼らはその社員リストを手に入れるのでしょうか?

それは、たいてい入社時研修では受電の際には「お待たせいたしました。〇〇(会社名)の△△(名前)です。」と名乗るよう教育されるものですから、特に若手は開口一番ついつい名乗ってしまうという習慣を悪用するのです。

その時の名前と電話番号を記録しており、数ヶ月に一度その番号と周辺の番号に電話してくるというわけです。

 

電話口から聞こえる声は怪しい人間というよりもむしろ、どこかエスタブリッシュな雰囲気がありました。

インポライトな態度をとるクライアントは投資銀行にいないので、そんなそぶりを見せようものなら、バンカーから即切りされてしまうわけです。

 

また業界知識が浅かったり、言動含む所作が洗練されていない場合、バンカーの信用を得ることも叶わずコンバージョンまで至りません。

そうして飛び込み電話といえど、富裕層向けのセールスを心がけているであろうことは明白です。

事実、必ずしも粗悪な物件を販売しているわけではなく、財閥系列と取引もあるような会社なのでうまく付き合えば良い物件を斡旋してくれることもあるようです。

とはいえ、当時は誰がこんなクソ忙しい時にかけてくるセールス文句に乗るんだろうか心底不思議に思っていましたが、実際に会って投資用物件を購入している同期がいて驚いたことも笑

 

余談ですが、物件を購入する際、企業価値算定で培った能力を遺憾無く発揮して、独自で物件価値を算出して金額の合理性を確かめるという業界あるあるがあります。

毎年の経済的ベネフィットから①管理・維持費、②ローンによる資金調達コスト、③税金関係、④上物の減価償却費を差っ引いて、適切な割引率で現在価値に割り引いて合算、フェアバリューを求めます。

また、類似物件のトランザクションを基に、築年数や立地、面積等を勘案し、フェアバリューを求めます。

それらを比較して総合的に取得価格の適正価格を算出するわけです。

2. 高級タワーマンションに引っ越す

新卒ですらだいたい家賃15万円、3年目までの一兵卒(アナリスト)で30万円に届きます。

タイトルが上がると拘束時間や資金に余裕が生まれるため、職場より距離が離れる傾向にあり、より住環境の良い高級住宅街に住むようになります。

男女問わず30歳まではシングルのケースも多く、お金に余裕があるので住みたいところを見つけては身軽に引っ越す傾向があります。

3. 車を買う

都内は駐車場代だけでも高いです。

しかもバンカーはオフィス近くの一等地に住んでいるため、駐車場代だけでも毎月10万円近く必要です。

 

もともと移動手段にさほど苦労しないような、運転しなくて良い環境で住んでいるので、車の運転が上手くないケースが多いです。

それでもあえて買うのは、車が好きというよりもモテたい衝動が強いためです。

それゆえ購入する車種はファミリーカーではなく、スポーツタイプの2シートやギリギリ4シートを買いがちです。

そうするとオートマではカッコがつかないためマニュアル車を選ぶのですが、上手くなるまで人を乗せられません。

一方で、練習する時間を定期的に取れる仕事ではないので、いつまでたっても上手にならないというジレンマと戦うことになります。

 

車を所有人たちの中でも特に重厚長大な産業製品を扱う企業群、いわゆるインダストリアルセクターを担当するセクターバンカーは、カバレッジ(=担当)している企業の車を買うことも多いです。レクサスなどはその典型です。

4. 合コンで奢りまくる

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外資系投資銀行で独身となると、休日の過ごし方として合コンに出陣する機会が多いです。

銀座、麻布、六本木、恵比寿界隈を縄張りとして、高級レストランやバーで女性をエスコートする責務を背負います。

当然、見送りの際のタクシー代まで含めて支払いはバンカーの奢りです。一晩で諭吉が何人も飛び立って行きました。

 

なお、バンカーには地方出身者も多いため、若手の内は東京の大学出身のイケてる同期が情報収集を担当します。

その点、やはり慶応はとりわけ頭抜けてイケています。

銀座に新しくミュージックバーがオープンしたとあれば下見に行き、赤坂のとあるレストランが有名だと聞きつければ偵察に出かけます。

合コンは容姿や話の内容だけでなく、女性幹事とのコミュニケーションから始まって店舗選び、料理のチョイス、2次会の手配、見送りなどなど、ファシリテーションやアテンドにおいて女性陣からの評価が大きく左右されるプロジェクトです。

これはまったく普段の業務で求められる能力と同様です。プライベートと侮るなかれ、普段の仕事のクオリティが問われるところです。

 

なお、若手としては1年でも先輩を巻き込んで開催するのがコツです。

先輩はどんどん若い女性との接点が細っていくため、先輩が多めに支払ってくれるからです。

一人3万円くらいで収まることが多いですが、5~10万円くらいは気前よく負担してくれます。

5. 旅行で散財する

バンカーは海外旅行が好きな人が多いように見受けられます。

できるだけ多様な価値観を持ち合わせた人材を採用しているということも関係していると思われます。

英語に苦労しない人材という意味でも当てはまるでしょう。

 

投資銀行業務はクライアントから求められる期待が大きい業務のため、ストレスフルな面はあります。

そうなると休暇でリフレッシュをしたいところで、その際はお金の心配よりも余暇の満足度の高いことの方が優先されます。

「とにかくまぁお金は一旦置いといて、パーっと行きたいよね」ということです。

 

なんとか仕事を片づけて、年に一度くらいは5営業日の連休をとって海外旅行に行く。

そこでは効用の高い、満足感だけをKPIとして、ただひたすらやりたいことだけを片っ端から貪っていく。

そんな旅行をすることもあります。

ギャンブルをする人はほとんどいない

バンカーは仕事柄、時間的金銭的な投資対効果を徹底的に叩き込まれます。

そのため、ギャンブルはIRR(投資収益率)が非常に低く、ベットする価値がないことを十分すぎる程理解しています。

余興としてカジノで嗜むことはありますが、競馬やパチンコといったギャンブルに傾倒する人はまずいません。

使う暇なく貯まっていくことも

ただ、なにせ使う時間がないという問題があります。

こればっかりはどうしようもありません。

 

また、使う理由もないというケースもあります。

マンションなんて買っても流動性ないし、住みたいところを転々とする方が良いじゃないか、だから賃貸で特に困らないとか。

実家が都内の一等地で職場からも近い子息子女とか。

なんとも羨ましい悩みですが、そういうバンカーもいるにはいます。

お金があっても株式投資ができない

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これは非常に大きな点ですが、インサイダー情報を多数扱う投資銀行では、株取引やFXなどは基本的に内規で禁止されています。

証券口座すら持つことが許されません。

すなわち、バンカーの資産運用の選択肢がとても限られるということです。

ないこともないのですが、NISAは少額すぎますし、確定拠出年金制度も選べる信託が限られる上に受け取れるのは定年後です。

あとは従業員持株会くらいでしょうか。

いずれにせよ投資の自由度や融通の利かないものばかりです。

使いきれないお金はいっそ投資に回せたら、と何度夢見たことかわかりません。

最後に

以上、外資系投資銀行のボーナス・給料の使い道をご紹介しました。

もちろんここで紹介しなかった使い道というものはいくつもあります。

ただ、あまり一般的でなかったり、再現性の低いものも含まれますので除外しました。

 

そうしてみると、高給とはいうもののお金の使い方としてはそれほど選択肢があるわけではありません。

特に株式投資ができないのはある意味致命的です。

上場企業の株式投資ができないのならば、スタートアップにエンジェル投資家として出資をするという手段がありますが、そういった手法はまだ浸透していません。

 

ただ、大学を出てそれほど経っていない若輩者が、通常は40代や50代になってお金に余裕が出てからやるようなお金の使い方を経験できるという意味では、個人的には大変良い環境だと思います。