外資系投資銀行への道標

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経営企画部への転職|年収・資格・採用事情と未経験でも受かるコツ

2018年2月14日更新 2017年4月22日公開

エリートばかりが集められ、企業価値を高めるべく組織横断プロジェクトをいくつも実行する専門家集団、経営企画。

そんな将来の幹部候補と目される彼らも、多くは未経験で外部から転職して来た優秀な人材たちです。

 

どうすれば経営企画で働けるの?

経営企画に転職するために知っておかなければならないことってなんだっけ?

未経験なんだけど経企に採用されるの?

 そんな疑問に答えるべく、この記事を執筆しました。

特に質問の多かった「英語って要るの?」「資格ないけど大丈夫?」「求人って出てる?」といったところに答えていきたいと思います!

 

なお、経営企画部についてはこちらもどうぞ。

なぜあなたは経営企画ポジションで活躍できないのか
経営企画部は花形のエリート部隊って聞くけれど、どんな仕事なの?
経営企画が本当に必要な部署なのかじっくり考えてみた

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未経験でも経営企画部に転職できるのか?

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ここでいう未経験とは、経営企画の経験がないと言う意味です。

例えば、全社の経営計画は作ったことがないけれど事業やサービス単位で計画は作ったことならあるよ、これまでM&Aアドバイザリー一筋でした、という人もここでは未経験として扱っています。

 

結論から申しますと、未経験でも全く問題ありません

 

私も経営企画は未経験でしたが、上場企業の経営企画ポジションに転職しております。

ただし誤解の無きように申し上げますが、経営企画業務は未経験だったとしても、経営企画ポジションで必要な全社横断プロジェクトの経験なり、M&Aのエクセキューション経験なり、事業の運営経験なり、そういったものは当然必要になってきます。

その経験や知見を見て、今の当社にとって必要な人材か否かを判断するわけです。

 

事実、経営企画のメンバーは何かしら得意分野を持っていて、その強みを担当領域に活かしています。

例えば私の場合ですと、外資系投資銀行でのM&Aアドバイザリー経験や財務アドバイザリー経験を基に、M&Aやコーポレートファイナンスの戦略的施策の実行を担当しています。

経営企画の業務は非常に多岐に渡りますので、その中の一部分でもプロフェッショナルだったなら、チームに貢献することが出来ます。

経営企画に英語って必要なの?

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経営企画部では会社の海外展開やクロスボーダーM&Aを手がけることがあるため、英文のIR資料やピッチブックを読むことになりますので、英語に堪能なことは良いことです。

また、上場企業であれば決算後に海外の大口投資家が面談を求めて来社するのが慣例になっています。

経営陣と一緒にその面談に同席し、いかに会社が優良株かを説得するのです。

同様に、マネジメントと共に海外ロードショー(海外の機関投資家に会って、株主になってくれるよう口説いて回る)に同行することもあり、やはり英語の重要性は際立っています。

 

こうしたことから、業務上さまざまな英文ドキュメントを読みますし、実際に外国籍の社員が最も在籍している部署といっても過言ではありません。

なかなかTOEICで英語レベルを測るのは限界があるのですが、最低限800点は欲しいところです。

また、上記の海外MBAを保有していると英語が堪能なことが自明ですので、頑張って英語レベルを証明しようとしなくても良いという意味で大変有用です。

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経営企画の求人事情

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転職の方法の前に、そもそも経営企画ポジションの求人状況は現状どうか、説明したいと思います。

経営企画部ですが、企業規模の大小に関わらず、およそどの企業にもそのポジションはあります。

名称は「経営企画部」であったり「社長室」であったり「総合企画」なんて呼び方をするところもありますが、企業経営の中枢部署として必ず必要なポジションになってきます。

したがって、求人を出す企業は大変多いです。

 

一方で、営業部隊のように何十人も抱えるような部ではなく、少数精鋭の部隊になってきますので、定期的な一括採用とはなりません。

重要な人物が辞めたからそのリプレイス、戦略的M&Aの強化に伴うエクセキューション経験者の募集、子会社が増えたことによる経営管理機能強化のための募集、、、

そうした目的に合致した人物を見つけて一本釣りをする形式になってきます。

新卒でも経営企画部に配属されるの?

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上記の観点からいくと、新卒で経営企画ポジションに配属されることは大変に難易度が高いということがお分かりいただけるかと思います。

経営企画で活躍するために越えなくてはならないハードルは高く、そのためのメンタリングを先輩社員が行う余裕はないのです。

 

じゃぁ新卒で例えば事業部に配属されてから、時機が来たら経営企画部に異動できるかと言うと、それも難しい面があります。

事業部での運営経験と経営企画部で求められる能力は一部被ってはいるものの、事業部で身につけられるとは限りません。

厳しい言い方をすれば、例えば事業部の営業部隊に配属されたとしたら、残念ながら経営企画部で求められる能力は何ひとつ身につかないことでしょう。

(部の優劣を論じているわけではなく、両社で求められるスキルが異なるという話です。念のため)

 

だからこそ経営企画部には生え抜き社員は少なく、外部人材からの登用に積極的になってしまいがちなのです。(それが良いか悪いかは別のお話)

経営企画部の年収相場

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では経営企画部の求人について、年収の相場はどの程度なのでしょうか。

残念ながら「一定の水準を設けづらい」と言わざるを得ません。

なぜなら求人ごとに候補者に求めるハードルが異なるためです。

財務に明るい人間が欲しいのか、コンサル出身者がマッチするのか、あるいは投資銀行出身者に刺さる案件なのか。

いずれにせよ、どれもピンポイントの募集要項になります。

 

しかしあえて乱暴にでも数字を挙げるとすれば、下記のイメージでしょうか。

  • 経営企画部長クラス:800万円〜1,500万円 + α
  • マネージャークラス:600万円〜1,000万円
  • 経営企画一般社員:500万円〜800万円

エリート・花形部署だけあって、その他の部署の同クラスと比べても比較的高給と言われています。

また、順調に進めば執行役や取締役へのキャリアパスが見えているので、今後のアップサイドに期待ができるのも経営企画部の良いところでしょうか。

経営企画部へ転職する方法

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経営企画部へ転職を希望する人は多いです。

求人もたくさんあります。

ですが、実際に経営企画部のポジションをつかめる人はそのうちのごく一握りになります。

なぜならば、財務・法務・ビジネス・株式市場に明るく、経営者目線で実務を行える人材がほとんど見当たらないからです。

そんな中、経営企画部、ひいては将来のマネジメント候補として期待できる人物像として、投資銀行出身者や外資系コンサル出身者に白羽の矢が立っているというわけです。

外資系コンサルから経営企画部への転職

前述の通り、外資系コンサルから経営企画部に転職するケースは多いです。

年度末には中期経営計画の策定や来年度予算の作成が、一大プロジェクトとして走ります。

また、通年で経営上重要な会議体の運営をしなければなりません。

経営上重要な会議体とは、例えば月1で開催される常勤取締役会議であったり、週1の部長会議などが当てはまります。

そこでどういう内容を話し合うかというと、これも例えば業績予想の下方修正をどのタイミングで公表するか、下方修正に合わせてポジティブな材料として何を用意するか、実現可能な全社的コスト削減プログラムをどう作っていくか、などなどです。

これらの会議体のアジェンダは経営企画部が用意し、それぞれのプロジェクトをマネージしなければなりません。

ドラフト(素案)作りから関係部署への通達、事業部との折衝、エクセキューション、クロージングとなかなかベテランでも骨の折れる業務になります。

だからこそプロジェクトマネジメントに長けたプロのコンサル出身者はとても重用されるのです。

彼らの状況把握、課題分析、ソリューションの提案、実行力にはいつも舌を巻きます。

八百屋にサンマは頼まねえ」ということですね。

投資銀行から経営企画部への転職

外資系コンサルと同様、経営企画部に在籍する元投資銀行のバンカーは多いです。

なぜならばM&Aを管掌する部隊が経営企画部にあるため、エクセキューションの実績を買われて転職することが多いからです。

M&Aは多数の人とお金がつぎ込まれて実現する一大プロジェクトです。

コンビニで物を買うのとは次元が違い、事業センス、財務・法務の専門知識、プロジェクトマネジメント能力、折衝・調整能力が高次元で求められます。

したがってきちんとトレーニングを受けて経験を持った人でなければクロージングさせられないのです。

 

そうしたことを考えると社内で育成するということは現実的ではなく、外部から投資銀行のバンカーを採用した方が確実に即戦力を確保できます。

ただ、高給取りのバンカーを中途採用するのですから、生半可な待遇では首を縦に振ってくれません。

ほどほどの高年収と出世欲、使われる立場から使う立場への交代、自分でエクセキューションをドライブするやりがいなんかを差し出して、網に掛かるのをじっと待つのです。

会計士から経営企画部への転職

前述したとおり、経営企画部ではM&Aや予算作成のミッションが一大プロジェクトとして走ります。

その点、いずれにも造詣が深い会計士は間違いなく重用されます。

 

一方で、士業として最高難度クラスの会計士試験を通過してきているため、転職に際して「必要な資格はありますか?」といった質問が多く聞かれます。

会計士は、このような資格偏重なマインドになりがちな点には注意が必要です。

 

士業ではない営利企業では唯一の正解というものは誰にもわかりません。

フィールドワークによるロジックとエビデンスを積み重ね、これまでの経験を総動員することで、ベストではなくベターな選択肢を模索する世界です。

ついつい資格に頼りがちだと自身で思われる場合は、面接では、答えの用意されていない問いに対してどのようなプロセスで仮説を立て実行したのか、その結果どうだったかという点に留意して伝えるように努めましょう。

なお、会計士の転職については下記に詳しくまとめています。

www.highclass-jobchange.com

■投資銀行、コンサル出身者なら迷わず経企を選ぼう、ビズリーチ!

経営企画部に必要な資格とスキル

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経企では専門的な業務を扱うということを申し上げて来ましたが、では経営企画部に必要な資格やスキルはあるのでしょうか?

 

結論から申しますと、必須の資格やスキルはありません

 

能力さえあればどなたにもチャンスはあります。

ただ、持っていれば有利だったり便利な資格やスキルというものはありますので、ここでいくつか紹介しておきます。

エリートの証明、海外MBA

経営企画部では、経営全般やプロジェクトマネジメントの能力が必要になってきます。

例えば大型M&A案件を実施する際、多面的な観点からクロージングに向けて動かなくてはなりません。

具体的には、そのプロジェクトをマネジメントするにはどうすれば一番ミスが少なくスケジュールを最短にできるか、企業価値はいくらが妥当か、買収費用の資金調達スキームは?、ROIは?、株価への影響は?などなど、様々なハードルを乗り越えていく必要があり、何も知らない人間よりは体系的かつMECEに習得した人間を担当に据えたいとなるわけです。

 

また、例えば予算作成をする際には、事業部に来期の業績見込みをヒアリングするわけですが、当然ビジネスモデルやマーケティングなどの理解が欠かせません。

事業部から上がってきた計画を右から左に流すだけではなく、きちんと咀嚼した上で事業計画を作る必要があります。

マネジメントへの説明責任があるのも一義的には経営企画部にあるという、とても重要なポジションなのです。

MBAを持っていることで、それらのスキルが備わっていることを証明するシグナリング効果の役割が果たせます。

会計、コーポレートファイナンス、法務の知識

経営企画部と会計・ファイナンス・法務は深い関係があります。

例えば買収案件を検討しているとき、買収による業績へのインパクトや買収資金のファイナンス方法、連結時に監査法人に指摘されそうな財務上の論点、買収企業が特許侵害をしていないかなどのイシューをサッと頭の中で整理できて、早速潰しに動けるという意思決定のスピード感が求められます。

意思決定が早いということは失敗するリスクを減らせる、機会損失を避けられるということです。

だらだらと確認に手間取っているうちにおいしい話は逃げていくものだからです。

もちろん財務部・法務部に訊くべきところは聞くのですが、全社プロジェクトでは初期的なジャッジおよび最終判断は経営企画部に委ねられますので、広く専門知識は持っている必要があります。

こうしたことから、会計分野では簿記だと最低限2級レベルは求められるとお考えください。

■書いてみてアレだけど、経企ってハイスペックすぎない?ビズリーチ!

経営企画部から転職するのはとっても有利

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では逆に、経営企画部からの転職ってどうなのでしょうか?

エリートコースの人材ですから、転職市場での評価も非常に高いです。

将来の経営者候補やCOO(最高執行責任者)、経営企画部部長の求人が豊富に提示されます。

 

経営企画部での業績をアピールするには具体例を挙げるのが良いでしょう。

例えば下記のようなものがあると、採用担当者としても俄然興味が湧くと思います。

  • 毎年度末の予算作成をボトムアップからトップダウンに切り換え、ストレッチした業績目標を担当部署と詰めて実現可能なプランを策定した結果、前年比15%増収を2年連続で達成した
  • 既存事業における国内成長モデルを海外に輸出することを企図して、チームの主軸として企業価値700億円規模のクロスボーダーM&Aを実行した
  • 株式市場へのヒアリングを重ね、成長分野への再投資から株主還元政策に舵を切るプロジェクトを立ち上げて実行した結果、ROEの向上(6%からROE12%)と平均株価の30%増を達成した

などが挙げられると思います。

■経企経験者は転職市場でとっても貴重なんだよ、ビズリーチ!

最後に

未経験でも経営企画部に転職する方法、いかがだったでしょうか。

事業部からマネジメントへ上り詰めるためには大変熾烈な競争が待っていますが、経営企画部からマネジメントへの道はそう遠くありません。

このことは、実はまだあまり気付かれていない事実です。

これまでのあなたの経歴・経験・知見を総動員して、かつ配属後のポテンシャルを面接官に見せつけて、見事、経営企画部の椅子を勝ち取られんことを祈念しています。

マネジメントルームへようこそ!

【番外】経営企画に転職するには

では実際に経営企画部に転職しようと思ったらどう動けばよいのか。

まずは転職サイトに登録することが第一です。

登録して求人を探しましょう。

あるいは転職エージェントを探して相談することから始めましょう。

転職サイトにもシチュエーションによって向き不向き、強み弱みがありますので、いくつか複数登録することがコツです。

転職に失敗したくないなら必ず3つは登録するようにしましょう。(無料なので登録してもメリットしかありません)

 

ビズリーチ【★★★★★】

ハイクラス転職といえばビズリーチです。

私も投資銀行から事業会社の経営企画部に転職する際はこちらを利用し、満足度が高かったです。

無料会員でも十分使えますので特に転職活動に支障はないのですが、有料会員になればスカウトメールをより多く受け取ることができますので転職の選択肢が広がります。

雑魚な求人はありません。

 

このように、特別な事情がなければビズリーチを避ける理由はないでしょう。

ひとつ目の登録サイトとして外せません。

ビズリーチの詳細はこちら

なお、ビズリーチについては下記の記事が詳しいです。

ビズリーチの評判|ハイクラス転職者から高い評価を受ける理由

 

JACリクルートメント【★★★★☆】

JACリクルートメントは転職マッチング市場で最近急激に評判を高めている企業です。

現在はリクルートエージェント、DODAに次いで業界3位になります。

手堅い大手からベンチャーまできっちりカバーしており、特に個人的には高報酬案件に強い印象を持っています。

こちらも、登録サイトの第一候補として外せません。

 

また外資系への転職支援を強化している点も特徴です。

具体的に説明すると、JAC Recruitmentは世界8カ国(イギリス・シンガポール・中国・タイ・マレーシア・インドネシア・香港・韓国)に拠点があり、グローバルな転職サポートを行っています。

英文レジュメの無料添削や英語面接対策、中国語話力のレベルチェックなど、様々なサポートがあるので心強い存在になることは間違いありません。

JACリクルートメントの詳細・登録はこちら

 

クライス&カンパニー【★★★★☆】

クライス&カンパニーは30代マネージャークラスへの転職に強みがあります。

ビズリーチと同様、高年収案件がウリです。

私は使っていませんでしたが、外資系投資銀行の同僚で利用しているバンカーは割と多かったです。

 

求人としてはPEファンドや外資系コンサル、総合商社、勢いに乗るスタートアップなどがあり、ハイクラス求人としてはまったく遜色ありません。

もちろんクライス&カンパニーは完全無料で利用できます。

年収800万円以上の転職ならクライス!

 

リクルートエージェント【★★★☆☆】

ご存知の通り、リクルートが提供する転職サイトがリクルートエージェントです。

業界最大手だからこそ獲得できる大手求人や非公開求人が強みです。

非公開求人は業界最多の9万件以上です。

 

一方で、全方位の転職希望者へ向けたサイトですので弱点もあります。

それは、「投資銀行を目指す」といったような特定のユーザー層が求人を探す場合に最適化されていません。

つまり案件が多過ぎるため、検索で引っかかるのは関連性の低い求人が多くなってしまいます。

 

とはいえ、どこにもない求人があるというのは弱点を補って余りあるメリットです。

複数サイトに登録するのが一般的だと申し上げましたが、ビズリーチやJACなどをメインとしつつ、リクルートエージェントで漏れなく探すというスタンスが良いかと思います。

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