外資系投資銀行への道標

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なぜあなたは経営企画ポジションで活躍できないのか

2017年8月19日更新 2017年5月7日公開

『憧れの経営企画に配属されて半年、当初の意気込みに反して全然貢献できていない、、、
降ってくる仕事は会議室の手配や資料の印刷ばかり。企業価値を上げるための組織横断プロジェクトをこの手でやり遂げたくて、毎年毎年配属希望を出してようやく辞令が出たのに、、、
花形と聞いて浮かれていた頃の自分の横っ面を張っ倒したい。こんなはずじゃなかったのに、どうしてこうなったんだろう??』

そんな残念な経企メンバー、周りにいませんか?

経営企画は決して誰にでも務まるポジションではありません。活躍できる人と、そうではない人との違いとはいったい何なのか、活躍できるようになるためには何が必要か、私の考えをまとめてみました。

知識・経験で強みを持っていますか?

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経営企画でバリューを出せていない人材に多く共通することがあります。それは、他のメンバーにない知見・経験を有しているかどうか。以下で詳しく説明しましょう。

経営企画部の業務は経営管理やM&A、新規事業創出に中期経営計画の策定、それに子会社支援などなど実に多岐に渡りますが、そのすべてにおいて造詣が深くないといけないかというと、もちろんそんなことはありません。それぞれの得意分野でバリューを発揮できる人材が集まる組織、それが経営企画部なのですから。

しかし、それは逆に言うと、他のメンバーと比べてあなたに知識や経験面で強みがない場合は経営企画でバリューを出せる機会はあまりないかもしれない、ということでもあります。

では今一度、経営企画ポジションで重用される知識や経験について整理してみましょう。あなたはこのうちどれかに強みを持っていますか?

コーポレートファイナンスに明るい

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企業価値の最大化を企図した場合、なにも売上や利益を上げることだけがその手段ではありません。

たとえば資本コストの引きげを金融機関と交渉するとか、資本構成を見直して負債比率を高めるとか、株主還元の強化とか、いくらでも手段はあります。

事業の収益性を高めるという手段は王道かつ本質的ではあるのですが、だからといってその他の手段をないがしろにするべきではありません。

収益最大化に関しては事業部を信頼して任せ、それ以外に改善の余地があることすべてにチャレンジする、というのが企業経営には必要です。そのための武器がコーポレートファイナンスであるということです。

ここに強みがあるプレーヤーは経営企画で重用されます。

株式市場に明るい

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企業価値を高めるためにコーポレートファイナンスの知見が重要というお話をしましたが、上場会社の場合には手段はまだ他にもあります。その一つが市場からの評価の部分、すなわち株価あるいは時価総額を上げる、ということです。

市場の評価を上げるためには市場との対話が肝要です。なぜ当社は過小評価されてしまうのか、なぜ競合は高いバリュエーションになっているのか、それらの答えは社内にはありません、マーケットにこそあるのです。

  • 投資家の期待に応えられる経営を目指す
  • 自社の戦略を過不足・遅滞なくしっかり説明する

平たく言えばそういうことになりますが、これは簡単ではありません。

投資家に期待されていることは何か、市場にうまく伝わっていないことは何か、またそれはなぜなのか、といったことを分析するには相応に専門の知見が必要となってきます。

そしてこれは投資銀行系の人材に期待されることですね。

M&A経験がある

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企業価値向上のための分かりやすい手段のひとつがM&Aです。しかしこのM&A、残念ながら実務でしか学べず、しかもその機会はなかなか巡ってこないという、未経験者には高い高いハードルがあるのです。

ゆえにM&Aにおいては経験がモノを言う世界です。いくら書籍で情報を仕入れたところで交渉術は学べませんし、合意形成のタイミングやプロセス、バリュエーション、DD、ドキュメンテーションなどは実際に経験しないと勘所が掴めません。

過去M&Aに携わった経験があると、その経験は経営企画で重用されるでしょう。できればバイサイドもセルサイドも両方経験があると、エクセキューション(案件執行フェーズ)に深みと余裕が出てきます

また、エクセキューションだけの経験よりは、買収候補を洗い出すロングリストの作成からショートリストへの絞り込み、そして相手企業へのアプローチに至るまでのオリジネーションフェーズの経験も欲しいところです。

こちらもやはり投資銀行系の人材がバリューを出しやすい分野と言えます。

会計リテラシーがある

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経営企画での大きな業務のひとつが経営管理ですが、そのためには会計スキルが欠かせません。各部から必要な数字を回収し、自分で財務モデルが組めるくらいのスキルは欲しいところです。

財務三表が相互にどう絡み合って連動しているかを理解し、エクセルで表現できなければなりません。当然、子会社があれば単体ではなく連結モデルにする必要もあります。

百歩譲って財務三表のモデルが組めるまではいかなくとも、最低限連結P/Lが作れないことには経営企画の主業務の一つである「予算編成」をすることができません。

この会計スキルは経営企画で必須です。まだ自信がないという人は毎日コツコツ勉強をしましょう。

高品質のアウトプットを支えるに足るスキルを有していますか?

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前述の知識・経験をもとに、それをアウトプットしなければなりません。経営企画で活躍ができないメンバーは、どうやらここが非常に貧弱なようです。どういうことか、詳しく説明していきましょう。

経営者の事業運営を直接サポートする組織である以上、高いレベルのアウトプットを期待されます。「高いレベルのアウトプット」とは、①企業価値へのインパクトが大きく②実行可能な水準まで落とし込まれた施策を③社内外を巻き込んで提案・実行すること、です。

そのアウトプットを支えるためにはビジネスマンとしての基本的スキルの充実が必須です。

基本的スキルと書きましたが、その修練度は一般的なビジネスマンの水準からは一段深いものが要求されるため、誰しも備えているとは限らないものです。(これが、スキルセットが揃っていない新卒を経営企画に配属できない所以でもあります)

エクセル・パワポワークが得意

ひとつの例示としてエクセルを考えてみます。みんな大好きエクセルですが、きちんと使えますか?

「当然でしょう、毎日使ってるよ」という声も聞こえてきそうですが、「毎日使ってる」と「息をするように使える」は別物です!

エクセルでいうと、例えばこんな場面はないでしょうか?

  • 循環参照のエラーなんて出してんじゃないよ、そんなファイルの数字なんて信頼できないよ
  • VLOOKUP関数とかSUMIFS関数ごときを組むのにググってんじゃないよ
  • セルを結合しちゃうとか、いったいどんな神経してんのよ
  • 別ファイルのセル参照なんていい加減やめようよ、そのうちファイル壊れるよ。INDEX関数とMATCH関数使ってよ

わかる!共感できる!という人であれば問題ないと思います、エクセルスキルは十分お持ちです。

どういうことだろう??という状態でしたら、意識してエクセルを勉強した方が良いでしょう。

「経企はバックオフィス」と思った瞬間、あなたの適性は消滅する

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経営企画部は、組織上は管理部門のひとつです。忙しさにかまけて大志を忘れ、日々漫然と作業をするようになってしまうと、心が次第にバックオフィス化してしまう危険性があります。

しかし経営企画部は、本来は企業価値向上を目指してマネジメントに積極的に提言をし、時には事業部を説き伏せるようなアグレッシブな部署です。旧態依然とした組織を改め、業績にポジティブになるようなインセンティブ設計をし、新たな風を吹き入れるべく買収案件なども手がけます。

ですので、経企メンバーがデスクでバックオフィス感を出し始めたら赤信号です。あなたのハートはどうですか?

子会社の社員数まで把握してますか?

あなたは数字に強いですか?売上や費用の細目を覚えられる、わずかな変化に感度高く反応できる、そういう方ですか?

これ自体はパーソナリティの問題ですから、数字に弱いからといって落胆する必要はありません。スポーツカーや恐竜など、誰しも関心の高いものについては大変な記憶力を発揮するものです。

ただ、経営企画部たるもの、会社の隅々まで把握していなければなりません。でなければ経営状況を把握出来ているとは言えず、適切な施策も打てるはずがないからです。

ひょっとして、単体の売上や営業利益を覚えているだけで、会社を把握できた気になってはいませんか?

単体であれば事業部単位のP/L、管理部門のコスト、今後の投資計画などは最低でも週次で更新し、当然に把握していなければなりません。

また、グループ会社のP/Lについても、本社で負担している間接コストなどがあればそれを足し直して正味のP/Lとして把握している必要があります。

さらに数字の把握はこれに留まりません。例えばM&Aを検討する際、グループ企業とのシナジーを算出する場合に、子会社の営業人員数について知っていないと適切な算定が困難です。当然に把握していなければなりません。

このように、経営企画メンバーは会社の様々な数字について詳しくなければなりません。あなたは子会社の社員数まで把握出来ていますでしょうか?

自分の会社の株式を持ってますか?

あなたの会社が上場企業の場合のお話です。

あなたは自分の会社の株式を保有していますか?

「株と経企の仕事と、どこが関係あるんだ」、そう思われるかもしれません。

しかし、私は人事制度のインセンティブ設計だけでマネジメントたち(とその補佐の経営企画部)のモチベーションをコントロールすることには限度があると考えています。

つまり、企業価値を突き詰めて考えるには、サラリーマンの立場から脱して会社の所有者たる株主の地位になるほかないと考えています。

「うちの株なんて今後そんなに伸びないだろうし、買いたくないな」

万が一にもそのように感じた方あなたはもう転職を考える時期かもしれません。

「もう伸びない」と、他でもないあなたが、もっとも経営陣に近い場所で会社を熟知しているあなたが、そう思ってしまう会社に将来はありませんよ。

「就職したいと思える企業に投資する」という格言があるように、投資したいと思える企業に就職する、それが理想です。

最後に

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なぜあなたが経営企画ポジションで活躍できないのか、というお話でしたが、いかがだったでしょうか?

つらつらと書いてみたものの、私は結局のところ、ささいなマインドのズレがその原因な気がしています。

つまり、経営企画部に引き上げられたあなたのことですから、元は優秀な素質をお持ちの方なはずです。ほんのわずかにマインドの置き場所を誤ったか、あるいはどこかでひとつボタンをかけ間違えたか、活躍できるかどうかはそのわずかな差でしかないのではないでしょうか。

環境を変え、気持ちをリセットすればまた脚光を浴び、活躍できる日も近いはず。

少し有給をとって温泉にでも行ってゆっくりすれば、案外かけ違えたボタンの位置も見えてくるに違いありませんよ。

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