2018年10月25日更新 2017年5月25日公開
給料が高くてプロフェッショナル業とされるのが公認会計士。
「なれるものなら俺もなりたいよ」と思う一方で、「でもどうすれば会計士になれるのかよく分からないよなー」という人も多いはず。
そんな方のために本稿では、公認会計士の試験ってどういうものなのか、どのくらいの勉強期間か必要なのか、受験資格はあるのか、などなど会計士を目指し始めた人がよく抱く疑問について解説していきます!
なお、こちらのエントリーでは主に試験の概要や会計士になる方法を書いていますが、会計士の仕事内容や年収、試験の難易度などについては下記の記事もご覧ください。
★公認会計士の仕事内容と年収について
★公認会計士の難易度について
★公認会計士の就職事情について
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公認会計士になるには
公認会計士にはどうすればなれるのか?
結論から申し上げますと、公認会計士は士業ですので、国家資格の公認会計士試験に合格することで公認会計士になることができます!
と書きましたが、…この説明は正確ではありません。
厳密に言うと、まず短答式試験(1次試験)に合格して、次いで論文式試験(2次試験)に合格すると、「公認会計士補」となります。
この段階ではまだ公認会計士とは名乗れませんが、監査法人への就職活動ができるようになります。
監査法人へ就職後は、監査業務などの実務を積みつつ3次試験に向けて休日は補講を受けることになります。
そうして単位を順調に取得していき、入所からおよそ2年半後くらいに3次試験を受けます。
合格すれば晴れて「公認会計士」として登録されるようになります!
いかがですか?
なかなか道のりは険しそうですね。
なお、1次~3次までのそれぞれの試験について、詳しくは後述します。
会計士を目指す人のためのQ&A
試験の詳細に入る前に、会計士を目指す人が聞きたいであろう主なQAを先に見ていきましょう。
1. 会計士を目指す年齢はいくつくらい?
上図は2016年度の会計士試験における受験生の年齢の分布です。
高校卒業して目指す人もいれば、財務経理部出身で目指す40代の方もいらっしゃいますので、裾野は広いと言えます。
受験資格に年齢制限はありません。
受験生のボリュームゾーンは大学生と若いビジネスマンになります。
実際、2016年度の受験者の平均年齢は26.2歳でした。
ただ、年齢制限がないとはいえ試験モノですので、若く体力のある人の方が乗り切りやすいという面はあるでしょう。
2. 勉強期間は?
独学か予備校通いか、学生か社会人かで状況は異なりますので千差万別です。
とはいえ、ゼロから初めて2年~3年の勉強で合格する人が一番多いです。
なお、独学の是非については記事の後半で書いています。
3. 専門学校の学費は?
大手のTACや大原ですと、2年コースで60万円~70万円くらいです。
授業料は高額ですが受験のサポートは厚いですし、教室で同じ志の生徒と切磋琢磨できる環境は値段以上の価値があると思います。
4. 受験資格は?
特別な制限はありません。原則誰でも受験できます。
5. 受験に必要な資格はある?
受験資格という意味では特にありません。
6. 学歴は関係ある?
上手は2016年の会計士試験の受験生の学歴分布になります。
結論から申し上げると、まったく関係ありません。
高校中退だろうがなんだろうが、誰でも取れます。
監査法人への就職では、学歴よりも合格点やソフトスキルの方が重視されます。
7. どういう受験生が多い?
上図は2016年度の会計士試験における受験生の職業の分布です。
図からわかるとおり、大学生が圧倒的に多く、次いでビジネスマンとなります。
特に大学1年~2年生で専門学校に通い、4年生での合格を目指す人が大半です。
学部で言うと経済学部や商学部系が多いのは事実ですが、法学部や工学部など、幅広い学部出身者がいます。
8. 社会人だけど、仕事しながら取れる?
大変ですが取れます。
上図のとおり、ビジネスマンでも多くの方が受験されております。
ただ、ビジネスマンの合格率は3.4%と低く、二束のわらじは大変であることが見て取れます。
これは2年~5年での合格を目指す人が多いですが、あまり期間を長くするとモチベーションの維持が難しくなるためです。
また、短答式合格の有効期限が2年であるという点からも、なるべく早く取るように「3年」なら「3年」と決めて、短期集中で取得を目指す人の方が合格率は高いです。
公認会計士試験を詳しく解説
冒頭で試験の詳細を後述すると申し上げましたが、ここから解説していきます。
監査法人に就職するには大きく二つ、短答式試験(マーク式)と論文式試験(論述式)に合格する必要があります。
会計士試験は合格までに3,000時間の勉強時間が必要といわれています。
これは論文式合格までで3,000時間必要ということです。
ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
短答式試験【一次試験】
公認会計士になろうとする者に必要な専門的知識について、基本的な問題が幅広く出題されます。
論文式試験を受験するために必要な知識を体系的に理解しているか否かを客観的に判定する試験になります。
大学受験のセンター試験に近いです。丸一日かけて3科目を受験します。
マーク式だからと言って「4択とかでしょ?」と思ったあなた!
甘いです。甘すぎです!
センター試験の数学なんかもそうですが、論述式と同じように計算し、結果の数字を桁毎にマークする問題もある(当然配点も大きい)ので、とても4択どころではありません。
論文式試験【二次試験】
短答式試験に受かっているなら必要な専門的知識を体系的に理解できているよねっていう前提で、特に思考力、判断力、応用能力、論述力を有するかどうかを評価するための試験になります。
受験生の思考を言語化させて、公認会計士として必要な学識及び応用能力、適性を最終判定するための試験です。
こちらは丸3日かけて6科目を受験します。
大変長丁場ですので、初日の不調を引きずってしまったりと過酷な3日間をサバイブしなければなりません。
この試験を乗り越えられたら、晴れて監査法人へ入社し会計士業務を行うことができます。
修了考査【三次試験】
監査法人に入社できると前述しましたが、短答式・論文式の試験に受かっただけでは厳密には公認会計士ではありません。
論文式試験に受かった段階では「公認会計士補」という肩書きになります。
論文式試験合格後に監査法人に入社し、一定の実務経験と修了考査を経て公認会計士登録をする必要があります。
まだ試験するの!?と思われたかもしれませんね。
そうなんです、実は修了考査が三次試験とも呼ばれていて、これをクリアする必要があります。
ただ、安心して欲しいのが、こちらの試験は合格率が70~80%と言われており、マジメに取り組めば案ずるほどのものではありません。
順調にいけば、論文式試験合格からおよそ3年後に公認会計士登録となります。
これで晴れて名刺に「公認会計士」と書けるわけです。
独学で合格することはできるの?
よくある質問です。
結論から言うと、それも不可能ではありません。
実際にごくわずかですが、毎年独学での合格者は出ています。
しかし、それが現実的かというと「NO」と言わざるを得ないでしょう。
やはり体系的に学習でき、質問もその場でできる資格学校に通う方がより確実です。
会計はプログラミングと似たところがあって、一種のグローバル言語と見ることが出来ます。
何が言いたいかというと、とにかくインプット段階でつまずきやすい特徴がありということです。
テキストは正確性を優先して難解な言葉を使いたがりますし、注釈も多い一方で図表は少く、到底理解しやすい作りにはなっていません。
それはもう意地悪なくらいに。
ですので漸進主義を是として、ちょっとずつ理解していく姿勢が必要です。
勉強しているとすぐつまづきますので、その場で即質問ができる環境を用意することが肝要です。
ここは未来への投資と割り切って、独学ではなく専門学校に通うようにしたいところです。
また、独学で3年4年とかかって合格するくらいなら、2年間専門学校に通って合格する方が肉体的・精神的・時間的コストを鑑みると結局は安上がりなケースも多いです。
最後に
公認会計士になる方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
公認会計士を目指すということは相応の覚悟と決断が必要になってきます。
決意を固めるためにも、できるだけ情報を集めて現状を正確に把握することが肝要です。
関連記事にも様々な切り口で公認会計士についてまとめていますので、よければご参照くださいね。
★公認会計士の仕事内容と年収について
★公認会計士の就職事情について解説
★公認会計士はぶっちゃけモテるの?
★公認会計士の難易度について
★エース会計士が実践する華麗な転職法とは?
★2016年度の公認会計士試験の結果まとめ