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外資系投資銀行への転職・就職に関する記事を書いています。

公認会計士試験を徹底解説!難易度や勉強方法、就職事情について

この記事は2017年2月28日に公開され、2017年3月11日に更新されました。

公認会計士。それは財務会計のエキスパートであり、医師・弁護士に並ぶ、三大士業の一角です。

「公認会計士」という職業はまだ一般へ浸透していないという一方で、毎年春になると多数の大学生、そして社会人が3ダース分の諭吉を握り締めて専門学校の扉を叩いており、いかに公認会計士が人気の職業かが伺えます。

そんな、公認会計士になるにはどうすれば良いかわからないよ!という方のために、公認会計士になる方法を解説します。

知らない方のために先に言っておきますが、この資格相当ハードルは高いですよ笑

それではいってみましょうー!

なお、公認会計士ってなんぞ?という方は、下記の記事で復習ができます。

www.highclass-jobchange.com

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公認会計士になるには

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2006年に開始された現行の試験制度では、受験資格の撤廃や科目合格制度の導入により、従前の会計士試験と比べて「試験勉強と、学校や仕事との両立がしやすくなり、チャレンジしやすい試験」になったと言えるでしょう。

ここでは、試験制度の概要と、学習を始めるにあたって押さえておくべきポイントを紹介します。

公認会計士試験の難易度

公認会計士の難易度は、日本の数多ある資格試験の中でも最高クラスです。弁護士・医師の試験難易度は言うに及ばず、公認会計士も高難度とされています。

実際の公認会計士試験の合格率ですが、論文式の合格率を見ますと2015年度が10.3%、2016年度が10.8%となっています。

え?10人に1人が受かるなら想像していたほどじゃないですって?

それはちょっと待ってください。論文式の前に短答式にも合格せねばならないため、ストレート合格を目指す場合はこの数字よりも低くなるとお考えください。しかも、受験生はみな2年以上みっちりと勉強をしてきても9割が落ちてしまう試験なのです。

いかがでしょう?これはもう非常に狭き門だということに異論は無いですよね。

試験合格までの勉強時間

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実務経験が必要な三次試験は置いといて、公認会計士補になるにはマーク式の短答式試験に合格した上で、論述式の論文式試験に合格しなければなりません。ちなみに短答式は年2回の実施、論述式は年1回です。しかも、一度短答式に合格しても2年でその効力が失効してしまい、また短答式から受け直さなければなりません。

二次試験である論文式試験の合格までの目安勉強時間としては、およそ3,000時間が必要だといわれています。個人差はありますが、周囲を見た肌感としても違和感はありません。

3,000時間というと、平日8時間勉強したとして375日が必要です。365日毎日勉強するというのは現実的ではありませんので、たまに休みを入れたとして1年半が必要となります。実際に、合格者の大半は資格スクールの2年コース(実際の学習期間は約1年半)に通って、みっちり勉強して合格しています。

人によっては仕事をしながら勉強をするという方もいらっしゃいます。そういった方だと平日4時間が限界ですので、3年がかりの受験勉強となります。

ちなみに新司法試験で約8,000時間、東京大学の入学試験で4,500時間(高校入学以降)、同じ会計系の資格で比べると、簿記2級が250時間と言われていますので、公認会計士の3,000時間がどれほど難関かおわかりいただけると思います。

会計士試験の受験資格って?

会計士試験には受験資格はありません。2006年より前の旧試験体系のときには大卒資格で一部試験免除などがありましたが、2006年以降には撤廃され、現行制度では年齢・性別・学歴問わず誰でも受けられる試験になっています。

2種類の試験に合格しよう

監査法人に就職するには大きく二つ、短答式試験(マーク式)と論文式試験(論述式)に合格する必要があります。

先ほど合格までに必要な勉強時間は3,000時間と申し上げましたが、論文式合格までで3,000時間必要ということです。

ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

短答式試験【一次試験】

公認会計士になろうとする者に必要な専門的知識について、基本的な問題が幅広く出題されます。論文式試験を受験するために必要な知識を体系的に理解しているか否かを客観的に判定する試験になります。大学受験のセンター試験に近いです。丸一日かけて3科目を受験します。

マーク式だからと言って「4択とかでしょ?」と思ったあなた。甘いです!甘すぎです。センター試験の数学なんかもそうですが、論述式と同じように計算し、結果の数字を桁毎にマークする問題もある(当然配点も大きい)ので、とても4択どころではありません。

論文式試験【二次試験】

短答式試験に受かっているなら必要な専門的知識を体系的に理解できているよねっていう前提で、特に思考力、判断力、応用能力、論述力を有するかどうかを評価するための試験になります。受験生の思考を言語化させて、公認会計士として必要な学識及び応用能力、適性を最終判定するための試験です。

こちらは丸3日かけて6科目を受験します。大変長丁場ですので、初日の不調を引きずってしまったりと過酷な3日間をサバイブしなければなりません。

この試験を乗り越えられたら、晴れて監査法人へ入社し会計士業務を行うことができます。

修了考査【三次試験】

監査法人に入社できると前述しましたが、短答式・論文式の試験に受かっただけでは厳密には公認会計士ではありません。

論文式試験に受かった段階では「公認会計士補」という肩書きになります。論文式試験合格後に監査法人に入社し、一定の実務経験と修了考査を経て公認会計士登録をする必要があります。

「まだ試験するの!?」と思われたかもしれませんね。そうなんです、実は修了考査が三次試験とも呼ばれていて、これをクリアする必要があります。ただ、安心して欲しいのが、こちらの試験は合格率が70~80%と言われており、マジメに取り組めば案ずるほどのものではありません。

順調にいけば、論文式試験合格からおよそ3年後に公認会計士登録となります。これで晴れて名刺に「公認会計士」と書けるわけです。

独学で合格することはできるの?

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よくある質問です。結論から言うと、それも不可能ではありません。実際にごくわずかですが、毎年独学での合格者は出ています。

しかし、それが現実的かというと「NO」と言わざるを得ないでしょう。やはり体系的に学習でき、質問もその場でできる資格学校に通う方がより確実です。

会計はプログラミングと似たところがあって、一種のグローバル言語と見ることが出来ます。何が言いたいかというと、とにかくインプット段階でつまずきやすい特徴がありということです。テキストは正確性を優先して難解な言葉を使いたがりますし、注釈も多い一方で図表は少く、到底理解しやすい作りにはなっていません。それはもう意地悪なくらいに。

ですので漸進主義を是として、ちょっとずつ理解していく姿勢が必要です。勉強しているとすぐつまづきますので、その場で即質問ができる環境を用意することが肝要です。ここは未来への投資と割り切って、独学ではなく専門学校に通うようにしたいところです。

また、独学で3年4年とかかって合格するくらいなら、2年間専門学校に通って合格する方が肉体的・精神的・時間的コストを鑑みると結局は安上がりかもしれませんね。

公認会計士の就職事情

試験合格後、9割以上の合格者は公認会計士になるべく監査法人に就職を希望します。

監査法人ではなく一般企業に入社して財務のスペシャリストの道を歩むというオプションが無きにしも非ずですが、まだ企業側の受け入れ態勢が整っていないのが実情です。(実務経験のない合格者を採用して教育するくらいなら、公認会計士の中途採用をする方が即戦力でラクだから)

下記ではそんな会計士の就職事情についてまとめています。

就職氷河期も一服

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かつて会計士業界では、米国に比べて会計士の数が圧倒的に少ないということで一挙に増やそうという政府の要請から、大量の試験合格者を出していた時期がありました。(行政もこれは失策だったと認め、今は試験の難易度も昔に戻っています)

その結果、市場に大量の会計士試験合格者が溢れることになり、試験に合格しても就職できないという就職難、就職氷河期問題が起こりました。今は落ち着きを取り戻したものの、「公認会計士」というブランド力に陰りが出つつあることも事実です。

特に4大監査法人(新日本、あずさ、デロイト、あらた)への就職をめぐっては熾烈な椅子取り合戦になります。クライアントの質・量、勤務地が複数箇所あること、コンサル業務へのキャリアパスや海外勤務などの体制が整っていることなどの理由から、合格者が一挙に押し寄せるのが通例です。

ビッグ4への入社はレッドオーシャン

そうした中では、試験合格者というだけでビッグ4(=4大監査法人)に採用されることは困難で、例えばコミュニケーションが洗練されている(相手の意図を適切に把握し、自身の考えを正確に伝える能力)ことや、語学力や事業会社での経験などの会計以外の強みが差別化に大きく効いてきます。

試験合格はあくまでスタートラインで最低限。上記の能力はどれも監査業務において重要なソフトスキルとなっていて、ここの有無が面接では肝要になってきます。だってクライアントに「◯◯の資料出してください」って言っただけじゃ、財務担当者に負担を強いるだけで動きは良くなりませんし、ピントのズレたものが出てくる可能性があります。必要だと考えている背景や理由、正当性を伝えた上で納得してもらう必要があるのです。

また、会計士といえど監査企業の業務理解は必須です。企業を理解してこそ適正な会計基準の採用や助言が行えるというものです。しかし実際問題、公認会計士に事業の経営・運営経験があるわけではないので、監査の対象企業の理解力に乏しいといつまで経っても顧客接点に立てません。

  • 対象企業の製品とはどういうものか
  • 市場環境はどうか
  • その中で対象企業の強みは何か
  • サプライチェーンはどうなっているか
  • マーケティングはどうやっているか

などなど、公認会計士が理解すべき事柄はとっても多岐に渡ります。大変ではありますが、意識低い系会計士はそのうち淘汰されてしまう運命なのです。

ここまで見てきたように、試験合格者の大半は監査法人へ就職できると考えて差し支えはないでしょう。しかし、さらに踏み込んで大手監査法人への入社を目指す場合には、漫然と合格した人よりは会計業務をする上での包括的スキルを持った人や、戦略的にキャリア形成を意識してきた人材を優先されるということは覚えておかなくてはなりません(会計士に限った話ではないですが)。

最後に

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ここまで「公認会計士になるためには」を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

冒頭でも申し上げましたが、公認会計士の資格取得はかなりハードルが高いということがおわかりいただけたかと思います。

しかし、難しいからこそそれを乗り越えられた人には高給、社会的ステータスが高い、ワークライフバランスが取れているなどなどの恩恵を受けられるのです。

また、試験が難しいのは単に計算力や思考力、判断力を試しているだけではなく、選考プロセスを通して公認会計士としての覚悟であったり、市場の番人としての矜持、そして重責を背負える忍耐をも見抜こうとしているのではないかと愚考します。

道のりは長いですが、決して取得不可能な資格ではありません。また、たとえ望む結果が出なかったとしても、それまで手にした財務会計の知識はあなたを裏切りませんし、なにより歯を食いしばって机に齧り付いた日々は確実にあなたを強くします。必ず別の形であなたのキャリアの支えとなることでしょう。

あなたも公認会計士、目指してみてはいかがでしょうか?