2018年2月14日更新 2017年10月25日公開
何事も極端な投資銀行で働いていると、人前でついつい出ちゃう言葉や態度、すなわち演出グセというものがある。
実際はそこまでではなくとも、キャラ付けのためにあえて協調したり、おもしろおかしくしたり。
もちろん地で出ちゃってるものも。
いずれも一般の人には驚かれることが多く、それはつまりクセがすごい!ということにほかならない。
バンカーにはいったいどんな演出グセがあるのか、いくつかご紹介しよう。
- 1. 友人との食事はオフィスのレストランでとる
- 2. 「180時間」というパワーワードをブッこむ
- 3. 六本木や銀座に「やれやれ感」を出す
- 4. ニューヨーカーを気取る
- 5. 早朝の築地で場内を食す
- 6. 【転職後】キーボードからキーを外す
- 最後に
1. 友人との食事はオフィスのレストランでとる
友人と食事をとりつける場合、重要なのは場所だ。
さりげなく自分のオフィスのあるビルのレストランフロアを提案しよう。
どの投資銀行もオフィスフロアだけじゃなく観光スポット的にショッピングエリアが設けられていることが通常だ。
都合よくオフィスのレストランに決まったら、当日あなたがすることはまず財布とブラックベリーだけを手に持って集合場所に登場すること。
「あれ?荷物は?」
きっとそう尋ねられるだろう。
そうしたらこう答えよう。
「デスクに置いてきたんだよ」
友人は目を丸くするはずだ、なんて忙しい職業なんだって。
そんな忙しい合間を縫って僕たち(私たち)に時間を割いてくれて感激だって。
そして食事が始まったらブラックベリーを10分に一度は手にとるようにしよう。
特に意味は無いけどね。
ときにはあわてた感じでキーを打ったりするとより効果的だ。
なにか火急の用件で慌しく部下に指示を送っているように見えるからね。
実際にはマインスイーパーをしているだけなんだけれど。
そして食事が終わったら最後のひと押しの演出だ。
友人がゲスト用エレベーターに乗る前に、従業員用エレベーターに向かう通路に向かっておもむろに進んでいこう。
「あれ?どこいくの?」
そう聞かれるので、こう答えるんだ。
「仕事が残っててね」
その頃には友人も理解を示し始めていて「さすが、バンカーは違うね」という風に思うに違いない。
演技に夢中だから彼らの顔は見ていないけれども、そんな眼差しを向けてくれているはずさ、きっとね。
2. 「180時間」というパワーワードをブッこむ
友人と仕事の話になると間違いなく話題に上がるのが残業について、だ。
「残業はないの、超ホワイトよ」を売りにするやつもいれば、「残業はあるけど1分単位でつけられるよ」という謎のプライドを見せてくるやつもいる。
だがあなたの出番はまだ。
トリガーは、
「俺のところはブラックだ。残業時間は毎月80時間を超えている」
というやつが現れたときだ。
そんなやつが出てきたらいよいよあなたの出番。
その頃にはだいたい一通りの自社自慢(?)が終わってるので、満を持して言おう。
「俺は180時間かな。あ、残業時間がね」と。
真打ちは最後に登場するものなのだ。
なお、“180時間”はものすごいパワーワードだ。
僕はそれを聞き流せる一般人にまだ会ったことがない。
3. 六本木や銀座に「やれやれ感」を出す
東京が地元ではないバンカーも多い。
私もそうだ。
地方の人間にとって東京は別世界に映るもの。
両親や地元の友人は、「東京」と聞くだけでその甘美な響きに憧れを抱くのだ。
テレビに映る東京はきらびやかでいて魔窟。
そんなところから息子(娘)が帰省してくれば、立派な大人、一角(ひとかど)の人間に見えてしまうもの。
シャープになったシルエットがエスタブリッシュ感を演出するようだ。
実際は、穴蔵のようなオフィスでモニターしか見ていなくて不健康なだけなのだけれど。
さらに都会っぽさを印象的にするために、六本木や銀座に対して、「住むとホント困っちゃうよね」「やれやれだよ」感を加えるがコツだ。
たとえばこんな風に。
■六本木
ハロウィンの時期は困っちゃうよ、マンションから気軽にコンビニにも出られなくってさ。
いい加減ドラキュラとバニーには飽き飽きだよね。
■銀座
深夜に帰ってると銀座1丁目まで行列できてることがあってびっくりするよ。
あぁ、また新しいiPhoneが出たのかってね。
アップルストアは4丁目なのにね!
こんな具合に。参考にしてみて欲しい。
4. ニューヨーカーを気取る
バンカーといえばニューヨークだ。
日本でも、外資系投資銀行なら新卒研修とアソシエイト研修はニューヨークで開催するファームが多い。
ファームによってまちまちだけど、およそ3~5週間はニューヨークのど真ん中のホテルでしばらく暮らすことになる。
ウォールストリート、ブロードウェイ、タイムズスクエア、セントラルパーク、イエローキャブ、BLTステーキ、ストリップ、ピアノバーなどなど、様々なことを体験するはずだ。
そうすると、誰かがアメリカの話をしだすと妙にそわそわし、口を挟みたくなる症候群に陥ってしまう。
言いたくて仕方がないのだ。
「あ~、マンハッタンね」とか「ブルックリンはヤバイよね~」とか。
するときっとこう聞かれる。
「ニューヨーク知ってるの?」と。
その正しい返事はこうだ。
「いや、詳しいってほどじゃ。5週間ほど住んでたんだよ、新卒研修で」
新卒研修でニューヨーク、これもパワーワードだ。
覚えておこう。
5. 早朝の築地で場内を食す
バンカーっぽさを出すエピソードは他にもある。
そのひとつが、
仕事終わりの早朝に同僚と築地に寄って、場内で寿司をたらふく食べて帰った。
その2時間後にはもう出社していた。
というもの。
築地は早朝が一番楽しい。
その日獲れた魚たちが水揚げされ、最高に新鮮なうちに海鮮を食べられるのは築地ならではだ。
観光客は6~7時頃から増えだしてくる。
この時間になると、特別おいしくもない露店ラーメンを食べるために15分も並ばなければならなくなるほどだ。
一方、バンカーは違う。
仕事終わりの5時頃、空腹に耐え切れず、思いつきで築地に行くのだ。
タクシーで築地まで行って、場内の寿司屋に入る。当然、観光客はまだいない。
早くお腹いっぱいにして1秒でも早く帰りたい(平日だからその日の出社が迫っている)ので、オーダーの仕方も豪快だ。
メニューのここからここまでを10艦ずつください!
お腹いっぱいに食べたらタクシーで帰宅する、これが戦場で戦う兵士にとっての束の間の幸せなのだ。
と、いうエピソードを合コンで話そう。
上手くいけば「きゃー私も連れてって」となることだろう。
たいていは死んだ魚のような目をされるのだけれど。築地だけにね(白目)
6. 【転職後】キーボードからキーを外す
これまでは投資銀行に在籍中のケースを想定して話をしてきた。
でもバンカーっぽさを演出するのはなにも現役のときに限らない。
むしろ、転職後の方がバンカーっぽさを出す機会が多いといえるかもしれない。
そのひとつがこれだ。
そう、キーボードからキーをはずすこと。
これは業界外では相当インパクトがあるようで、必ず聞かれるほどだ。
「こ、壊したんですか?」と。
もちろん壊したわけではなく、Microsoft Officeを快適に使うためのハックの一種なのだけれど、そんなの業界人しか知らない。
「F6を外すかどうかは流儀が分かれるよね~」
なんて適当なことを言っとけば、明日からあなたも職場でエクセルマスターと呼ばれること請け負いだ。
ところが、たまに業界人でもないのに知った風なひとが現れることがある。
私のキーボードをみて驚く人に「界隈だとこうするんですよ」とか横から言っちゃう人だ。
私の経験上、そういう人は外資系コンサル出身者だと断言できる。
最後に
以上、バンカーっぽさを演出する6つの方法でした。
いつもと違う文調でお送りしました。
バンカーならどれかは「あるある!」と言ってしまう内容だと思いますが、どうだったでしょうか?
良いは悪いかはさておき、極端な業界に頭までどっぷり浸かってしまうので、とにかくクセがすごい!
もしこれを読んだ読者のまわりにこんな人がいたら、「あぁそういうことなのか」と思っていただき、是非温かく接してあげて欲しいなと思います。
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