2018年2月14日更新 2017年9月23日公開
初めての転職活動。
転職したいという思いとは裏腹に、
・転職ってちょっと怖いな
・転職に失敗しないだろうか
・転職することでなにかを犠牲にしてしまうのではないか
と感じてしまうものです。
そんな転職に対して漠然とした不安を抱いている人に向けて、転職のリスクって具体的にはこういうものだよと説明していきたいと思います。
具体的なリスクを見ていくことで、なんだ思ったほどのリスクなんてないんだなと感じてもらうことを目標にして書きました。
転職のリスクを具体的に考えてみよう
転職することはリスクが高いとよく言われます。
ですが、本当にそうでしょうか?
そのリスク、どこかふんわりと語られているところがあるように見受けられます。
まず「リスク」という言葉をきちんと定義しておかねばなりません。
この記事ではリスクを「想定外のことが起こったときに対処できないこと」と定義します。
つまり、たとえ悪いことが起こったとしても、それが当初の想定の範囲内で対処ができるのであればリスクとは言えないよね、ということです。
では、世間一般で良くいわれるリスクを挙げてみましょう。
その1. 給料が下がる
給料が下がることはあり得ます。
これがネックになる人は多いでしょう。
人生の悩みの9割以上はお金があれば解決できることだからです。
ただ、リスクかと言われれば頭をかしげざるを得ません。
なぜならば転職前に年収はわかっているからです。
年収に不満があるなら転職せず留まれば良いだけの話です。
転職時に年収が下がることがわかっているならば、それは想定の範囲内なのでリスクとはいえません。
年収が上がる案件だけを探せば良いのです。
一方で、転職後に年収を下げられるケースも考えられます。
転職前に想定できないこともあるでしょう。
しかし、この場合においても年収が下がる可能性があるのは転職しなかった場合も同じなのでなんとも言えません。
転職のリスク云々ではなく、なんらかの理由で給料に見合うパフォーマンスが出せなかったという別の問題かと思います。
その2. 転職先がすぐに見つからない
転職先がそう都合よく見つからない、これもあり得ます。
しかしこれは転職のリスクではなく、転職活動が長期化してしまう可能性がある、という別の問題です。
転職したときのリスクとは切り分けて考える必要があるでしょう。
詳細は後述しますが、転職したくなったタイミングで転職活動を始めるのは上策ではありません。
あなたにとってベストな案件がタイミングよく待っているなんていうご都合主義は、やはり現実的ではないと言わざるを得ません。(ベターな案件なら待っているかもしれません)
転職するしないにかかわらず普段から最低限の準備を持っていれば、短期間・最小限の労力で最高の結果を得ることが可能です。
その3. 家族に反対される
既婚者の場合、妻(もしくは夫)に反対されるということは大いに考えられます。
いわゆる「嫁ブロック」といわれる、一番最初の関門です。
ここで一度配偶者が反対する理由を考えてみましょう。
- 給料が下がるから
- 引っ越さなければならないから
- 生活スタイルが変わるから
- 聞いたことのない会社で先行きが不安だから
といったところでしょうか。
これらはなかなか根強い抵抗が予想されます。
配偶者とは共同経営者と同義であり、自分の都合だけで意思決定ができるわけではありません。
しかし、家族の心配・不安というものは概して形のない漠然としたものであることが多いです。
なんとなく不安だから賛成しない、というのは良くあることです。
「なぜ理解してくれないんだ!」となってしまう前に一度、転職先の候補・待遇・生活面での変化をきちんと説明し、落とし所を探る必要があるでしょう。
きちんとした説明があれば、無下に却下されるということはありません。
きちんと説明した上で、それでも妥結点を探れないというのであれば、あなたが相当突拍子もないプランを話している可能性があるので再考が必要かもしれません。
いずれにせよ、社会の最小構成単位の家族を説得できないようであれば、現時点での転職は難しそうですので、現職に留まる方が良さそうです。
その4. 期待に応えられない
転職先に意気揚々と移ったものの、会社からの期待値が実際より高くて空回りばかりしてしまうということはありえます。
面接でどうしても良く見せようとしてしまう結果、期待値だけがどんどん膨らんでいくというパターンです。
しかし、この悩みはナンセンスです。
内定が出てから悩むのならまだしも、受かった後のことを憂いてはじめから転職にネガティブになるなんていうのは、とんだ皮算用です。
もちろん、面接では期待値コントロールは必要です。
嘘偽りのない範囲で自分を最大限アピールすることは大切です。
それはエージェントとの模擬面接などで感覚を掴めば良い話です。
その5. 会社に馴染めない可能性
続いて会社・社風に馴染まないケース、それもありうるでしょう。
会社での悩みは結局人間関係に帰結する、と主張する人もいるくらいです。
人間関係に辟易して転職したのに、再就職先でもいやな上司に当たってしまった、なんていう事態は目も当てられません。
ただ、相性の悪い人というのはどこの組織にもいるもので、そういう人のいないところを探すではなく、「いかに避けるか」を前提にした方が現実的です。
また転職面接では基本的に、一緒に働くことになる部署の上長が面接官となります。
したがって、面接を通して会社であったり部署の雰囲気を体現している社員と数回会うことになります。
それでも不安であれば、内定が出てからになりますが、食事に誘うことでさらに人となりを知る機会を得られます。
会社としてもせっかくコストをかけて内定を出したので、しっかり囲っておきたいために快くアレンジをしてくれます。
直接誘うことが難しい場合はエージェントに相談してみると良いでしょう。
あなたの代わりに先方に状況を伝え、食事会を設定してくれます。
このように、転職後の職場の雰囲気を完璧ではないにしてもある程度把握する手段はいくらでもありますので、決して不安に思う必要はありません。
その6. 実際の業務内容や勤務時間が説明と異なる
年収とは違い、最初に説明を受けた内容と実際に働き始めたときの労働条件が異なるということは起こり得ます。
そしてこれがリスクとなるかどうかは、あなたが転職に何を求めるか次第でしょう。
前職の投資銀行の経験を生かして経営企画部でM&Aに取り組みたいという場合、勤務時間が説明より長かろうが、大した問題はないでしょう。
一方で、ワークライフバランスを重視した転職であるならば、労働時間の修正を余儀なくされる状況は耐え難いでしょう。
これに関しては、あなたが転職に求める要素に優先順位をつけ、譲れない点を明確にすることが肝要です。
あとはその点について
①エージェントに確認する
②面接できっちりと質問をする
③内定後にその条件を今一度明確にして、それを入社の条件とする
などでリスクヘッジをするほかありません。
本当のリスクは意外と少ない
このように、一般に語られるリスクはよくよく考えると実はそんなにリスクではない、あるいはずっと少ないということがお分かりいただけるかと思います。
リスクと感じる心情は、その大半がなんだか良く分からないけど不安に感じることから生じます。
ひとつひとつ潰して備えておけばなんてことはありません。
現在の職場に残るリスクと比較する
転職のリスクを考える際には、併せて現在の職場に残るリスクを比較する必要があります。
- 年収は伸びるのか?
- ステップアップのポジションはオープンか?
- この先もやりたいことができるのか?
転職を考えるからには何か閉塞感や、どうしようもない状況があるのでしょう。
そのリスクよりも転職のリスクの方が軽微と思えるならば、今すぐ転職準備をした方がよさそうです。
【最後に】やらない後悔よりやる後悔
以上、転職のリスクってなにがあるのかを具体的にまとめてきました。
意外と大したことないんだなと感じてもらえたなら幸いです。
新卒から定年退職の年齢までおよそ40年もあります。どう転ぶか、誰にもわかりません。
その間にはチャンスもピンチも巡ってきます。
やらない後悔よるやる後悔とは良く言いますが、転職にチャレンジしてみないことにはわからないことが多いのは事実です。
「やったことがないこと」に対して、人は不安を過大評価する傾向にあります。
転職活動をすること自体はノーリスクなので、実際に始めてみると大したことないなと思うのではないでしょうか。
この機会に、チャンスを捉えて一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
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