2018年2月14日更新 2017年8月5日公開
今の業績は好調だが、その成長もいつまで続くのか、、、
次の収益の柱を立ち上げなければ!
そういう課題・危機感を持った経営者や経営企画のビジネスマンは多いと思います。
でも、そうやすやすと新規事業の立ち上げは上手くいかないもの。
ということで、将来大きくなりそうな、業績インパクトを期待できそうなベンチャーに投資をして、将来の成長のタネを撒いておこうという発想は自然なことです。
しかし!
ベンチャー投資に慣れていない会社の場合、マネジメントの合意をとることに失敗してしまいます。
スタートアップではなく、上場企業の買収なら経験があるから大丈夫だ
そういう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、それが実は失敗の元なのです。
上場企業に経験がある会社ほど、スタートアップの投資に失敗しやすい!?
それを本稿で解説していきます。
- 上場企業の買収とスタートアップの買収は質的にまったく違う
- 時間を掛けてもわからない部分が残る、それがスタートアップ
- スタートアップに投資する意味を再確認しよう
- スタートアップ投資で成功率100%はありえない
- まとめ
上場企業の買収とスタートアップの買収は質的にまったく違う
スタートアップへの投資を成功させる秘訣。
それは、上場企業の買収とスタートアップの買収は質的にまったく違う、このことに気付くこと。
両者の違いを説明していきます。
まず上場企業ですが、上場企業は開示情報が多いためビジネス理解が捗りやすいです。
また、上場できているという時点ですでにビジネスが回っている証左であり、トラックレコード(実績)も確認できます。
ビジネス理解が早く出来て、実績もあるということで、あとは値段感(バリュエーション)が整理出来さえすれば、比較的社内外の納得感を醸成しやすいです。
一方で、スタートアップにはトラックレコード(実績)がありません。
生まれたての会社・事業だからです。
また、スタートアップの手がける事業に先行者がいることも稀です。
先行者がいないので、その事業が上手く行くモデルなのかどうか、誰にもわかりません。
そもそも、先行者がいないからこそ、何らか新規性のある事業をやるからこそ、新たな市場を作ったりリプレースメントを図るからこそ、スタートアップと呼ばれるので当然ですね。
- 上場企業は調べやすくて実績も確認しやすい
- スタートアップは情報が少なくて実績もない
にもかかわらず経営者の中には、
スタートアップを徹底的に調べ上げて、
絶対に成功する!間違いない!という確信を持てない限り買収しない。
なんて言う人がいます。
しかし、これは大きな誤りです。
時間を掛けてもわからない部分が残る、それがスタートアップ
確かに上場企業は、徹底的に調べ上げて確信を持ってから買収に踏み切るべきです。
ただ、スタートアップはめちゃくちゃ時間をかけてマネジメントインタビューやフィールドワーク(聞き込み等の足を使った調査)を繰り返しても、それほど大きな成果は見込めないことが多いです。
加えて、仮に「絶対に上手くいく!」という確信が持てたとしたら、もはやスタートアップなんかを買収するのではなく、自社で新規事業として立ち上げればよい、ということになってしまいます。
なぜなら、競合はその吹けば飛ぶようなスタートアップくらいしかいないのだから。
しかし、それだとスタートアップ買収・出資の意味が薄れてしまいますよね。
スタートアップに投資する意味を再確認しよう
スタートアップを買収する理由のひとつは、
不確実性が高い事業に自社で取り組む場合にはなかなかヒト・モノを張りにくい。
だからスタートアップにカネを出してリスクをコントロールしよう。
というものです。
- 確信が持てない領域だからこそ、スタートアップは存在する
- 確信が持てない領域だからこそ、あなたの会社はベンチャーを支援することでリスクをコントロール(分散)出来る
このように、徹底的に調査してもあまり意味が無いのだから、あらかじめ市場性や外部環境、経営陣、PMIの難易度など、いくつか論点を絞って基準を定めておき、それを満たす案件であれば出資を前向きに検討する、というスタンスがスタートアップ投資には馴染むと考えています。
スタートアップ投資で成功率100%はありえない
スタートアップ投資に100%の成功率を目指してはなりません。
出資したベンチャーがすべてIPOしたり業績が急拡大する、なんていうことは名の通ったベンチャーキャピタルでも困難です。
専門家の彼らですら、わずか数社のEXIT成功で残りの90%以上の投資失敗をまかなっているのですから。
スタートアップの投資には割り切りと胆力が必要ということです。
まとめ
・上場企業の買収と、スタートアップの買収は質的に全く違う
・上場企業を調べるときと同じ感覚でスタートアップを調べ上げるのは困難だし、あまり意味もない
・スタートアップへの投資は、不確実性の高さを前提に、外形的ないくつかのポイントを押さえていれば良しとするくらいの気概でなければ上手くいかないもの、と心得よう
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