2018年2月14日更新 2017年7月6日公開
年収を上げたいと願うことは、社員として至極真っ当な権利です。
しかし、その上げ方を知らない、なんとなく知っていても実践できない、そういう人が多いように思います。
年収の上げ方は色々ありますが、手っ取り早いのはマネージャー(上長)と交渉することでしょう。
上司にお金のことを相談するのは気が引ける
相談したら「待遇は分相応だ!」と怒られるんじゃないか
そんな不安から具体的な行動に移せないでいる人に向けて、本稿では賢い年収交渉についてまとめてみました。
給料は貰うものではない、獲得するもの。勝ち取れ!
会社に給料をもらっているという意識が強いと、年収は「言い渡されるもの」という受動的な態度になってしまいがちです。
ですがそれは大きな誤りです!
人事評価制度は絶対では無いし、上司の判断が必ずしも適切かというとそうではないこともあります。
そうしたミスマッチは往々にして生じますので、言い渡された数字を妄信するのは危険と言わざるを得ません。
ゆえに、年収は「マネジメントと交渉し、より良い条件を勝ち取るもの」と考えるべきです。
プロ野球の年収交渉に通じるものがありますね。
ハイクラス人材たるもの、会社員でありつつフリーランスであるという意識も大切だと思っています。
そうすると積極的なアピールが肝要になってきます。
外資ではアピールしない方が悪い
私は外資系投資銀行で働いていましたが、年に1度部長の部屋で人事評価面談がありました。
だいたい10分~15分の間に今期の360度評価のフィードバックと、来期の年収、そしてボーナスが告げられます。
そこではどの社員もよりよい条件を引き出すために部長と交渉をします。
ですので、どれだけ自分が会社にとって重要な人材かをアピールするということが珍しい光景ではなく、ごくごく当たり前のこととして行われていました。
とはいえ、あまりガツガツしていない日系企業ではそうした文化が薄いことも多いかもしれません。
しかし!
そんなことで怖気づいている場合ではありません。
言った者勝ちの世界なのです。
どういうことかと言うと、一生懸命アピールをしている人だからこそ、上司としても「引き上げてやりたい」といった感情が生まれます。
また、そこまで行かないまでも「君にまだ足りていない●●のスキルが身についたら希望に添えると思うよ」というアドバイスを引き出せたりできます。
逆に、希望を口にしない部下ほど、上司はどうしてあげれば良いか、手に持て余すということです。
ということで、年収アップは日ごろからアピールしていこう
交渉の本番は人事評価のタイミングがよろしいかと思いますが、いきなり評価面談で「実は…」なんて切り出すのは上策ではありません。
なぜなら、急に交渉をされても相手は驚きの方が強いため、状況を整理できずに乱雑なインプットのまま「ちょっと持ち帰らせて」なんて事になるのがオチだからです。
交渉事なので、サプライズを与え過ぎては有意なディスカッションになりません。
そこで、相手にも多少の気持ちの準備をしておいてもらう必要があるのです。
そこで、日頃からあなたが年収に不満を持っている事や、次の評価面談では相談しますよ、という事をアピールすることが肝要になってきます。
私は今の待遇を良しとしていませんよ。
次の評価面談で相談するので覚悟しておいてくださいね。
ということを上長に印象付けるようにしましょう。
アピールはスマートに
「僕の年収、低いと思います」なんてアピールは下の下です。
「知らねぇよw」で一蹴されそうですよね。
そんな直接的・利己的なものではなく、もっと頭を使いたいところ。
要するに、自分の人材価値を認識してもらって、現状の待遇とのギャップを理解してもらう、それが目指すゴールです。
ですので例えば、
- 私の同期の○○君が興したプロジェクト知ってます?あれで○○君は評価されて、こないだマネージャーになったんですよ。
そういえば、こないだ僕がやったプロジェクトも社内で評判良いんですねー(チラッ) - 今手掛けてる全社のタスクフォース、人手が足りないんですよ。
で、僕と同じポジションのメンバーを増強したくて人事に探してもらっているんですが、適任が社内で全然見つからないんですよね。これ、僕がいなくなったらホントどうなっちゃうんでしょうね(すっとぼけ) - 今取り組んでいる社長勅令のM&A案件ですが、人がまったく足りなくて困っています。最低限僕と一緒にバリュエーションのディスカッションができる人材が欲しいんですが、外から採用してもらえませんか?外銀か外コンを狙い撃ちすれば採れると思います。
え、待遇ですか?そうですね、1,000万円出せば、若手くらいなら釣れるんじゃないですか?(棒読み)
みたいなコミュニケーションだと、直接的には自分の人材価値を押し付けておらず、それでいて間接的に自分の待遇の目安をインプットできるのでオススメです。
交渉するタイミング
さて、普段から年収交渉への布石を打っておきつつ、いよいよ本番の交渉です。
まず交渉のタイミングですが、これは当然雇用条件見直しのときにしましょう。
通常は年に1度、あるいは半年に1度人事評価面談があるかと思います。
期中に交渉を行っても人事評価制度上聞き入れられないことがほとんどです。
というのも、ポジションの数と部の予算が決まっている以上、誰の評価を上げるのかという判断はチームや部内での相対評価となるのですが、期中に一人だけを調整するのはなかなか通しにくい事案になってくるためです。
上司としてはどうしても辞められては困る人材から相談を受けた場合で、かつ経営陣の誰もが納得するような成果を直近で上げていない限りは首を縦に振りたがりません。
人事評価を見直してもらうと言うことは、そうした負担を上司に強いるということです。
くれぐれもクレクレな態度で近視眼的に臨むのではなく、上司を味方につけるというスタンスで上申したいところですね。
交渉までの準備
年収交渉は、その交渉までの準備によって成否が大きく左右されます。
希望通りの待遇を勝ち取るためには、上述の日ごろのアピールを含めて、念入りに準備をしておくことが肝要です。
大事なことなので繰り返しますが、何の準備もなく交渉に臨むなどというのは成功率を下げるどころか、心象を悪くするだけの愚策とすら言えます。
しっかりと準備をするようにしましょう。
では、ここでいう「準備」とは何でしょうか?
交渉成功を引き寄せるためには、年収アップという結論に向けてロジックを組み、それぞれのロジックにエビデンス(論拠)を揃えて、上司に「なるほど」と思わせなくてはなりません。
したがって準備とは、そのためのエビデンスを収集し、プレゼンの練習です。
そして、本番は用意したロジックをプレゼンするだけ。
それくらいの余裕を持って臨むべしと心得ましょう。
準備その1. エビデンスの収集
具体的に必要なエビデンスについて見てみましょう。
要は、自分がどれだけチームに貢献したか、自分とまったく同じスキルの人間を外部から採用するとなると年収の相場はいくらかといった点を固める客観的事実を探します。
- 営業成績(会社にもたらした利益や、社内での順位など)
- プロジェクトによって会社にもたらされたベネフィット(他社との新たな提携によって生じた売上など)
- 自分のポジションを代替できる人の名前(自分より職位が上の人ばかりだと説得しやすい)
- ビズリーチに掲載されている、競合企業の同じようなポジションの求人内容
そのあたりの情報を収集しておけば、適正な待遇がおのずと見えてきます。
ビズリーチへの登録はこちら(公式サイト)から。
準備その2. プレゼンの練習
エビデンスはあくまで論拠。
交渉の中で使う情報もあれば、出さない情報もあります。
ここで集まったエビデンスをもとに、
- 何を話して何を話さないか
- 話す順番
- 要求する内容
- どこまでなら譲歩できるか
を固めていきます。
そこで重要になってくるのが、交渉の相手を思い浮かべながら考えるということです。
リーズナブル(合理的)な人なのか、感情や人情を重んじる人なのか、話が一度こじれるとやっかいな人なのか、結論から聞きたがる人なのか、調和を重んじる人なのか。
それによってどういう交渉戦略を立てるかは変わってきます。
ですので、必ず相手の顔を思い浮かべてプレゼンと想定問答を作るようにしましょう。
最後に
以上、年収をアップさせるための交渉術についてまとめてきました。
外資系企業や年俸制の企業では年収交渉は当たり前の光景ですが、そうではない企業の方が多いのが事実です。
そうした会社ですと、ついつい言い出すことに気後れしがちですが、どんどん発信して良いのです。
大事なことは自分でモヤモヤを抱え込まず、会社に打ち明けるということ。
きちんと話し合った上でなら、たとえ変わらなかったとしても納得感が得られるかもしれません。
交渉事はダメでもともと。
ですが、その一歩を踏み出すことが大事なのです。
検討を祈ります!
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