2018年2月14日更新 2016年11月26日公開
どうしても投資銀行に転職したい!面接官に刺さる資格なんかはありますか?
外資証券の中途採用に期待される専門知識は、どのくらいの資格レベルでしょうか?
これは新卒・中途採用関わらず、よく聞かれる質問です。
重要なのはこれまでのキャリアと実績、地頭の良さということはわかっているものの、少しでも書類で資格武装したいと思うのが人情です。
今後もますますグローバル化が進むのは明白で、「これからは世界を舞台に活躍したい!」と願うビジネスマンは多いです。
とはいえ、これまでドメスティックな企業で働いてきて外資系は未経験だし、そのうえ高度に専門的な投資銀行への転職となると難易度が高いよなぁ…なんてついつい弱気になってしまうのも仕方ありません。
しかし!
難易度はさておき、転職時に持っていると選考に有利になる資格は確かにあります。
外資系投資銀行で採用にも携わっておりましたので、そのあたりの疑問点に答えられたらいいなと思います。
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有利になる、とはどういうことか
本題に入る前に、そもそも資格の有用性について最初に定義しておきましょう。
資格の有用性とは当然、取得して履歴書に書くことでメリットがあることなのですが、どういう効果があるのかをきちんと知っておくことが肝要です。
そこでシグナリングをより効果的にするためにも、ここでその有用性について整理してみたいと思います。
- 投資銀行業務と関係が深い資格を持っている場合、実績に箔がつく
- 資格は習熟度の証明になるので、実務経験の浅さをカバーできる
- 客観的な評価が難しいスキルについて、第三者機関の権威付けができる
- 面接の場で、面接官に食いつかせるフックにする(話のタネにする)
なんとなく記載することはやめ、そうしたシグナリング効果を意識して履歴書に記載するようにしたいところです。
投資銀行には証券外務員資格が必須
有利不利の前に、そもそもバンカーに必須な資格はないのでしょうか?
答えはある、です。
それは証券外務員の資格です。
証券外務員を簡単に説明すると、証券会社に所属して有価証券の募集や売買の勧誘などの「営業活動」を行うために必要な資格のことです。
外務員資格には一種と二種があり、一種の方が試験は難しく業務の幅も広くなります。
新卒で投資銀行に内定すると、入社までに一種を取得するように命じられます。
1ヶ月真面目に勉強すれば取れる資格ですが、侮っているとあっさりと落ちます。
もしも入社までに取得できなければ業務後に勉強をして再挑戦となりますが、バンカーたる者この試験に落ちているようでは不出来な新卒というビハインドを背負うことになるため皆必死に勉強をします。
なお中途採用においては、転職時に取得していなくても問題ありません。
入社後に業務をしつつ、資格取得を目指すことになります。
■証券外務員二種
・難易度:★☆☆☆☆
・目安勉強時間:20時間
■証券外務員一種
・難易度:★★☆☆☆
・目安勉強時間:30時間
■内定もらってから勉強すれば良いよ、ビズリーチ!
投資銀行の転職・中途採用に有利な資格
ここからが本題ですが、では投資銀行への転職・中途採用に有利に働く資格をみていきましょう。
どれも取得が容易ではありませんが、既に保有している方にとっては自信を持ってアピールしていけるものになります。
なお、先に断っておきますが、以下のものはどれもバンカーに必須ではありませんので、持っていないからと言って落胆する必要はありません。
あくまで加点になる要素を書き出しているだけですので、持ってない場合は別の点でアピールすれば良いでしょう。
1. TOEFL、TOEIC
やはり語学力は加点要素となります。
TOEICですと最低でも860点(新卒が入社時に取らされる点数)は欲しいところです。
900点台からは強みとして良い雰囲気がありますが、あなたの持つ最大の強みがTOEIC900点だとすると、面接官にはあまり刺さらないかもしれません。
なぜならネイティブや、ネイティブに順ずる語学堪能なバンカーは他にも沢山いるのが現実だからです。
語学力の強みは他の強みに添えるくらいで思っている方が良い結果が出ているケースが多いです。
■TOEIC860点
・難易度:★★★☆☆
・目安勉強時間:50時間(国内の上位大学を卒業した前提)
2. 高学歴
資格ではないのですが書類上重要なファクターなので載せました。
勘違いのないよう最初に申し上げますが、投資銀行は学歴社会でもなければ学閥のようなものも一切ありません。
採用効率を重視する結果として、いわゆる高学歴者が残るというだけなのです。
採用効率の結果とはどういうことか、もう少し詳しく説明します。
投資銀行では新卒・中途採用問わず、採用プロセスは現役のバンカーが主導して進めることになっています。
中途採用では基本的に面接官はオフィサー(ディレクターやマネジングディレクター)が行うことになっておりますが、現実問題として多忙なオフィサーがなかなか採用に時間を割けないため、面接を受けられる人を書類の時点で厳しめにふるいにかけます。
その際、これまでの採用実績と採用後のパフォーマンスを勘案し、学歴がひとつの重要なシグナルとしてフィルタリングの項目となってしまうのです。
これは今の社会通念上賛否両論ありますが、ある意味で合理的な判断なのも事実です。
もしもあなたが高学歴(東大、京大、早稲田、慶応が多いです)ではない場合でもご安心ください。
加点要素ではないというだけですので、これまでのキャリアの実績や他の資格等で十分アピールが可能です。
ちなみに投資銀行業界の新卒採用では面接の数が大変多いことでも有名で、一回30分の面接を実に10回〜20回ほど面接官を替えながら行われます。
その全員の審査をパスしなければならず、就活生にとっては大変過酷な採用プロセスになります。
面接官はアソシエイトくらいから始まって徐々にタイトルが上がっていき、最終的にマネジメントディレクターと会うことになります。
関東圏の学生ならば複数回にわたってオフィスで面接を受けられますが、地方出身の就活生は何度も上京できないため1日あたり8人近く、計4時間ぶっ通しで面接を受けることもあり、さらに過酷です。
3. 公認会計士
公認会計士の資格保持者は、監査法人で培った財務諸表監査や内部統制監査といった専門的知見を生かして、他のバンカーとは差別化された付加価値をチームやクライアントに提供できます。
特にエクセキューション(案件の執行フェーズ)におけるDD(デューデリジェンス)やIPOにおける上場監査において重用されることは間違いありません。
そもそも案件によっては監査法人の会計士ともチームを組む機会がありますので、外部に頼らずとも社内で完結できるようになることは投資銀行としても歓迎です。
加えて、近年特に国内企業によるIFRSへの移行が進む中、会計基準にまつわる相談をクライアントから受けることも多くなってきました。
日本基準のみならず、IFRSや米国会計基準に習熟しているバンカーというものは喉から手が出るほど欲しい人材です。
ただし、公認会計士試験の突破は並大抵のものではありません。
一次試験にあたる短答式試験を突破し、続く論文式試験に合格してようやく公認会計士補となれます。
ここまでの試験をくぐり抜けるためには実に3,000時間もの勉強時間が必要と言われています。
さらに、その後監査法人にて2年以上の実務を終えた上で三次試験をクリアしなければ公認会計士とはなれません。
狭き門だからこそ採用でも優遇される傾向にあるのです。
■公認会計士 筆記試験
・難易度:★★★★★
・目安勉強時間:3,000時間
4. MBA
経営学修士、いわゆるMBAホルダーも確かに転職上有利になることは確かです。
ただしそれは海外大のトップ校に限られます。
国内にもいわゆるMBAはございますが、誤解を恐れずはっきりと申し上げると、どこも現場では全く評価されていません(無駄というわけではありませんが、いち大学院卒して扱われるだけです)。
MBAホルダーだからと言って特定の専門知識をアピールできるわけではありませんが、難関大MBAを卒業できたというポテンシャルと語学力は強みとなります。
5. 簿記1級
会計士と被りますが会計系ではこの資格でしょう。
頑張って1年ほど真剣に勉強するか、前職の経験が活かせるならなんとかとれるギリギリのレベルにあるのが簿記1級です。
取得までの学習時間は一般的に1,000時間程度とされています。既に持っているなら大きなアドバンテージになるでしょう。
なお、転職時に簿記2級はなくても良いですが、2級を取れと言われたらすぐにでも取れる程度である必要はあります。
というのも、新卒は入社までに2級の取得が必須だからです。
2級は2週間、長くても1ヶ月勉強すれば取得できるので、もし不安なら採用と並行して勉強しておくことをおススメします。(ちなみに、3級ならむしろ履歴書に書かない方が無難です)
■簿記1級
・難易度:★★★★☆
・目安勉強時間:1,500時間
最後に:なんだかんだやっぱり英語と学歴
ここまでいくつか資格を挙げましたが、公認会計士資格や海外MBAは数年単位で取得に時間がかかってしまいますので、転職のために取得するのはコストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。
となると、転職を決めてからまだ間に合うものの中では、なんだかんだ言ってもやっぱり英語と簿記でしょう。
いずれも入社してから空気を吸うように当たり前に扱うスキルですので、転職時だけでなく継続的に学習を続ける必要があるものです。
当然なのですが、一朝一夕で身につくものは投資銀行の採用ではまったく通用しません。
したがって、投資銀行への転職を考え出したら、もうその日から勉学も並行して進めるのが肝要といえるでしょう。
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