外資系投資銀行への道標

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ネットで語られている投資銀行の大ウソを暴こうと思う

2018年2月14日更新 2017年8月12日公開

あなたは投資銀行に関する正しい情報をもっていますか?

 

ネットで検索すれば欲しい情報にすぐにアクセスできる、便利な世の中になりました。

一方で、誰もが発信者になれる時代になって、虚実織り交ぜた情報が氾濫するようになりました。

 

ウソをウソだと見抜ける人でないと(ネットの利用は)難しい

 

私はこのブログを通して投資銀行への転職にまつわる情報を発信する側ですが、他の情報サイトを見ると真っ赤なウソが平然と語られていることも少なくありません。

とりわけ情報の少ない投資銀行においては、その傾向が顕著です。

 

ということで、ネットにはびこる投資銀行のウソについて、元外資バンカーの筆者がウソとホントを仕分けていきたいと思います。

日系投資銀行で実力をつけて、外銀に転職するのはかなり難しい

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かなり、とはどの程度を指すかによりますが、個人的には、それはさほど難しいとは思いません。

事実、私の同僚には日系投資銀行から転職してきた優秀な人が多く在籍していました。

聞けば、その元日系の同期は、3年のうちに実に1/4が外銀に転職したそう。

日系投資銀行できちんとオリジネーション(提案活動)とエクセキューション(案件執行)に携わっていたなら、可能性は十分あると考えます。

個人的なイメージですが、投資銀行部の同期と比べて真ん中より上の能力であれば転職可能だと思います。

 

もう一つ、能力以外に転職に必要な要素は、日系でどの業種・セクターをカバレッジしていたか、という点です。

投資銀行の転職では、セクターと求める職位(金融セクターでアナリスト3年目くらいの人、とか)がピンポイントです。

そのクライテリアに合わないと転職は難しいので、転職を見越してセクターを選ぶなら、常に人を欲しがっているセクターに就くようにしたいですね。

ファームによりますが、TMT(テレコム・メディア・テクノロジーグループ)やGIG(自動車や消費財を扱う一般産業グループ)はバンカーの数が多いので、メンバーの入れ替えも多いです。

反対に金融セクターや公共セクターはメインでカバレッジする企業が少なかったり、金融グループ色が強くて案件獲得が困難なことが多いので、それほど人は割かれない傾向にあります。

外銀は、日系の人間は使えないと決めつけている

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これも真っ赤なウソです。

正確には、日系には使える人もいるし使えない人もいる、です。

外資のセカンドティアを選択するくらいなら、野村や大和に新卒で入社するという学生は少なくありません。

給与が良い、クビ切りが事実上滅多にない、外資ほど長時間労働ではない、案件が多いなど、様々な理由があります。

 

実際、外銀の中に新卒から外銀で働いている人がどれだけいるでしょうか?

アナリスト・アソシエイト全体でおそらく半分かそれ以下です。

日系投資銀行からの転職者や、異業界からの転職者もそれ相応にいるのです。

 

つまり、外資系投資銀行には優秀な日系投資銀行の元バンカーが多数働いており、チームメイトが働いていた古巣を「使えない人間ばかり」と思う外資バンカーはマイノリティということです。

日系投資銀行から外銀に転職できるのは海外MBAを卒業している人だけ

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これも真っ赤な大嘘です。

そもそも日本人で海外大MBAを持って投資銀行に入ってくる人が極めて稀です。

私の同期では一人だけでした。

 

というか、海外大のMBAを持っているなら最初から外銀に行くでしょ笑

こうした情報を流布しているサイトは信用しないようにしましょう。

外銀は有名高校卒業も重視する

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これもありえません。

確かにそういうことを判断基準にする企業もありますが、出身高校まで重要視することに一体何の合理性があるのでしょうか?笑

 

ただ、投資銀行のバンカーは東大・京大・早稲田・慶応などの出身者が大半を占めますので、有名進学校出身者が多いことも事実です。

履歴書で高校の後輩ということがわかれば面接で話のタネになって盛り上がる、なんてことはあるかもしれませんね。

日系投資銀行の給料は悲しいぐらいに極端に低い

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これもダウト、誤りです。

確かに、日系は外資に比べて平均給与は低めかもしれません。

みずほ証券や三菱モルガン・スタンレー証券などは銀行準拠のところがあり、投資銀行といえど銀行や証券の総合職とそう変わらないところもあります。

しかし、少なくとも野村や日興などには外資基準の給与体系があります。

また、外資に準拠していない場合でも22時くらいには帰れる、残業代が出る、などの面を考慮する必要があるでしょう。

ゴールドマンサックス社員の平均ボーナスは6500万円を超える

これは明らかにウソです。

経営層ならそういうこともありますが、一般社員のボーナスが平均6500万円なんていうのは、さすがに高給獲りである投資銀行でもありえません。

常識的考えてもありえないですよね。

このようなwikipediaの情報を鵜呑みにしている記事がありますが、業界を知らない人が書いているのがモロバレです。

 

なお、この件についてはこちらの記事にもまとめています。

ゴールドマンサックスへの転職・年収・合コン事情【平均年収6000万円の真実】

最後に

ここまでネットで語られている投資銀行の大嘘について見てまいりました。

いかがだったでしょうか。

 

転職には、正確な情報の取得が欠かせません。

投資銀行で働く上でも、海外や未上場企業など、情報が限定的なことについて正確に把握・整理することが求められますので、「間違えちゃいました」が通じません。

転職活動でもそうした点は当然チェックされていますので、情報の裏を取る癖はつけておきたいところです。