外資系投資銀行への道標

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投資銀行で激務がなくならない5つの理由

この記事は2017年5月19日に公開され、2017年6月6日に内容が更新されました。

投資銀行といえば激務・高給。

就職活動中の学生からは「命を金に換えるビジネス」と揶揄されることもあるくらい、畏怖と尊敬(e.g.「俺には絶対無理だわ」)を集めています。

でも、どうして投資銀行は激務なのでしょう。

それに、「激務」とは呼ばれるものの「ブラック企業」とは言われないあたりも不思議ですよね。

当時を振り返って、激務の理由について深く考えてみました。本稿ではその理由を5つにまとめてお送りしたいと思います。

1. 走り続けないといけないビジネスモデル

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投資銀行のビジネスはM&Aにしろ資金調達にしろ、数ヶ月で案件はクローズします。

次も取れる確約はなく、また案件獲得を目指して提案から始めなければならないフローのビジネスモデルです。

一度受注したらしばらく食べていけるような代物ではありません。

2. 労働集約型ビジネス

投資銀行業務は究極の営業職であり、労働力への依存度の高い労働集約型ビジネスです。

また、システムで代替できる業務にもあらず、どうしても人が頭を使って手を動かさないといけません。

なお、Capital IQやSPEEDAといったアナリストワークの一部を軽減するようなサービスが必須ツールとして導入が進んでいますが、それで浮いた時間でまた別のアナリストワークを任されるという状態です。

3. 資料の分厚さで勝負するボス

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外資系投資銀行が狙う大型案件は年に何度もあるわけではありません。

また、経済環境によっても収益機会は大きく左右されます。その案件を巡って各社、熾烈な争いを繰り広げています。

ボスは競合に負けない提案をするため様々な切り口で分析をしたがります。

「いかに自分たちが最も御社のことを理解しているか」を喧伝するためです。

その結果、アナリストたちの骸の上に、辞書のようなデータブックが出来上がるというわけです。

4. 「神は細部に宿る」という悪魔信仰

投資銀行の唯一の商品はプレゼンテーション資料になります。それ以外の「商品」を投資銀行は持っていません。知力と体力を売りにしているわけです。

だからこそ、バンカーは全身全霊でここに心血を注ぐわけです。

異常ともいえるそのこだわり・神経質さについて、具体例をいくつか見てみましょう。

ピクセル単位で指示されるロゴの位置

プレゼン資料には多くの会社ロゴや図表を挿入します。

ボスはその位置について強いこだわりがあり、「あと2ピクセル左にズラして」という指示が出るほどです。

ちなみにキーボードの "←" ではピクセル単位で調整できないので "Ctrl" + "←" を使って調整します。

フォーマットで指定された色しか使えない

プレゼン資料においては使える色が会社で厳格に決められています。

例えば「メインカラーは赤147:緑54:青124の色を使うように」といった具合です。メインカラーを中心に大体7、8色が予め指定されています。

また、一般的な会社では強調色として赤を使いがちですが、それでは資料全体が安っぽい印象を与えてしまいます。ですので投資銀行では赤の使用を禁止されています。あくまでメインカラーを中心とした濃淡色を使い分けることで、伝えたいことの強弱を魅せる(見せる)ということを叩き込まれます。

真っ赤になって返ってくるドラフト資料

資料ができるまでを少し解説すると、最初にオフィサー(ディレクター以上のボス)とジュニアバンカー(アナリスト + アソシエイト)とでミーティングをして、提案の骨子を固めます。

その骨子を元に今度はアソシエイトが「このページにはこういうことを書きます」というコメントと作成担当者の名前だけを入れたドラフト(シェルとも呼ばれます)を作成します。

そしてそのシェルを元に、アソシエイトとアナリストが担当ページをそれぞれ作成してひとつのプレゼンを作り上げます。

できあがったドラフト資料を印刷してオフィサーに見せ、イメージと異なっていないか、分析結果から読み取れるインサイトに間違いはないかなどの確認を受けます。

しかし、すんなり通ることは絶対にありません。

なぜなら仮説を基に分析してみたら思っていた結果と違うなんてことはよくありますし、途中でもっと良いアイデアが浮かんだから変更するケースや、単にオフィサーの心変わりで修正することも多々あります。

そうして赤ペンで修正指示を山ほど書き込まれた資料が返されてきます。返ってきた資料はコメントで真っ赤になっており、それを元にまた修正作業に入る、というフローを2回〜5回繰り返します。

書き込みだけでなく口頭で指示や補足されることも多々あるので、ジュニアバンカーは必死にメモを取りつつ修正が最小限に抑えられる形を模索し、指示が止んだらこう切り出します。

「委細承知いたしました。私から提案があります」と。

5. 「YES, Sir!」「Of cource!」「I'd love to!」に透けてみえるカースト制度

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「日本企業は年功序列で言いたいことも言えない」
「海外企業は風通しがよくて自由闊達なカルチャー」

そんな話をたまに聞きますが、これは全く違います。少なくとも外資系投資銀行においては。

外資系投資銀行における身分制度は、低い順にそれぞれアナリスト、アソシエイト、ヴァイスプレジデント、ディレクター、マネジングディレクターとなっています。

一般的にディレクター以上は個室を与えられるので、別名オフィサーと呼ばれます。ジュニアたちは壁一枚の重厚感とプレッシャーを感じながら、いつか俺も個室に入るんだ!と自らを奮起させつつ業務をしています。

ジュニアがボスに対して許される言葉は3つだけ。

承知いたしました!」「全く問題ございません!」「喜んで!

知的体育会系と称されることもある通り、ボスの言うことは絶対なのです。

■ハードワークを代償に超高給、それが外銀。ビズリーチ!

最後に

投資銀行で激務がなくならない5つの理由、いかがだったでしょうか?

こちらの記事の通り、外資系だろうと日系だろうと、投資銀行は平等に激務です。腕に覚えのある超肉食系エリートが毎年投資銀行の門戸を叩き、激務のあまり散っていきます。生半可な覚悟では1年ですら乗り越えられない業界なのです。

長時間の仕事と分刻みのタスクの狭間で曖昧になっていく時間軸。それとは対照的に冴え渡っていく脳。記憶が鮮明なついさっきのミーティングが、実は昨日のやつだった、なんていうことも。

しかしそれでもエリートが憧れ、どっぷりハマってしまうのは、血湧き肉踊るような刺激的な毎日が待っているからです。

それがなにかをここに記載するのは、いささか無粋に思えてやめておくことにします。

あなたに現場で感じて欲しい、そう思います。

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