外資系投資銀行への道標

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外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への転職・就職に関する記事を書いています。

外資系投資銀行が始めた360度評価って、いったいどんな制度なの?

この記事は2017年5月9日に公開され、2017年5月17日に内容が更新されました。

あなたは360度評価という制度を聞いたことがありますか?

360度評価とは、投資銀行をはじめとして外資系企業やコンサル会社などで導入が進んでいる人事評価制度のことです。

私は外銀時代にこの360度評価を受けておりましたが、転職して上司から評価を受ける一般的な制度に変わり、当初はずいぶん困惑しました。

個人的には、360度評価は社員のモチベーションをある程度高く維持できる良い制度だと思っているので、投資銀行等に就職を希望されるような方に向けて、それがどういうシステムなのか、どう評価が進むのか、どういうメリット・デメリットがあるのか、について解説したいと思います。

同僚が同僚を評価する!?

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外資系投資銀行の人事評価は360度評価と呼ばれており、同僚からの評価をベースに処遇を検討するシステムを採用しています。360度評価自体は半年ごとに一度行われますが、給与に直接的に響くのは毎年3月に行われる360度評価になります。

以下でそのシステムを詳しく説明します。

1. 評価者を決める

360度評価を行うにあたりまず最初に行うことは、自分を評価してくれる人を指名することです。具体的には下記の中からバランスよく人選をします。

  • 上司
  • 同じタイトル
  • 部下
  • 一緒に密に仕事をした他部署のメンバー(M&A部隊や資本市場部などの社員)

などからおよそ10〜15人ほどを自分で選び、部長にメンバーリストを申請します。部長はメンバーに偏りがないか、適正な選定になっているかなどを確認し、問題がなければ承認します。

2. 選んだメンバーに評価依頼

部長の承認が下りたら自動でメンバーに評価依頼のメールが飛びます。一応、「評価依頼をしたのでよろしく」的なメールを入れておきます。

なお、評価シートにはいくつも自由記述欄があって真面目に取り組むと結構面倒な作業になります。良いコメントを書いて欲しいので、さりげなく「君の時短のため、ドラフトを作っといたよ。参考まで」的な枕詞をつけて、自分への評価コメントを自分で考えて添えておくことも忘れません。バンカーは常に相手の気持ちや課題を把握し、タイムリーに最適なソリューションを提案することが肝要なのです(キリッ

3. メンバーが評価

依頼を受けたバンカーは期日までに評価シートに記入して人事と部長に提出します。被評価者にはその内容が伝わることはありません。

評価項目は下記のように多岐にわたります。

  • 取り組み姿勢は積極的か
  • 業務は正確か
  • 案件を通じてチームにどのような貢献をしたか
  • タイトルに相応しいスキルセットを身につけているか
  • 被評価者が同じタイトルの同僚と比べてアウトパフォームしているのはどのような点か
  • 被評価者が同じタイトルの同僚と比べてアンダーパフォームしているのはどのような点か

このような項目を中心に記述を求められます。質問項目自体はファームによってカスタマイズされているのですが、概ね上記のようなものになります。

4. 部長が結果を取りまとめ、最終的な処遇を決定する

評価が済み次第、シートは部長の元に集められ、それをベースに最終的に部長が評価をまとめます。

5. 最終的な評価が被評価者に伝えられる

最終評価が固まったら6月に被評価者と面談をします。そこで評価が伝えられ、合わせて今期のベースサラリーと賞与が発表されます。通常は15分程度の面談で終わることが多いのですが、評価に納得がいかない場合はその場で部長に意見を言うため長引きます。ゴネた結果年俸が上がるかどうかはケースバイケースですが、10人以上の評価をベースに算定された人事評価が覆るケースはそれ程多くありません。

評価結果には納得感がある

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これまで見てきた通り、360度評価自体は多数のサンプル / ファクトを集めて結論を導くため、なかなか納得感があります。

ボス一人が部下全員の評定を決める従来のシステムでは、ボスは普段そんなにつぶさに部下を観察しているわけはないので、どうしても一面的な評価になりがちです。

またボス個人の私情が入り込む余地が生まれてしまいます。しかし、360度評価は別名「多面評価」とも呼ばれるように、複数人が様々な目線から被評価者に評価を下すという点で良くできたシステムです。

お手盛りの弊害

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一方で、部長の確認が入るとはいえ、仲の良い社員同士で良い評価をし合う、いわゆるお手盛りが可能な点が問題といえます。

実際に、陰で事前に示し合わせて、あるいは暗黙の了解でお手盛りがされている例もあって人事には課題意識があったようです。

そういうお手盛りを防ぐという意味で「勝手評価」というシステムもありました。勝手評価とは、評価者として選ばれてはいないけれども物申したいという場合に利用される制度で、選ばれていないにも関わらず評価が出せます。しかも、被評価者には勝手評価によって評価されたことが伝わりません。

勝手評価をすることを業界では「刺す」と呼びました。表立って刺したことを言いふらすことはありませんが、裏では憎っくきボスや無能な部下をぶっ刺すという風に、なかなか良くワークしていた模様です。

日々緊張で疲れる制度

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前述の通り360度評価はとても公平で納得感を醸成しやすい評価システムです。

しかし一方で、その弊害もあります。

緊密に業務をする相手から評価をされるというのは、関係が良好なうちは良い緊張関係を保てる反面、相性が悪いとそれを通り越してストレスしか生まないようになってしまう点です。

その場合、毎日「3月の評価でぶっ刺してやる!」と心の中で呪詛を唱えながら、笑顔で「Yes!My boss!」と言える面の厚さを身につけなければなりません。

これは…実に疲れるものなのです。

最後に

外資系投資銀行が始めた360度評価って、いったいどんな制度なの?というエントリーでしたが、いかがだったでしょうか?

360度評価は、レガシーな企業で採用される硬直的な人事評価とは一線を画したものということがお分かりいただけたと思います。

全ての企業でフィットするとは思いませんが、もう少し導入が進めば社員満足度が高くなる気がしています。どうですかね?

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