外資系投資銀行への道標

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外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への転職・就職に関する記事を書いています。

未経験でも経営企画部に転職する方法!年収・資格・求人事情について

この記事は2017年4月22日に公開されました。

エリートばかりが集められ、企業価値を高めるべく組織横断プロジェクトをいくつも実行する専門家集団、経営企画部。

そんな将来の幹部候補と目される彼らも、多くは未経験で外部から転職して来た優秀な人材たちです。

どうすれば彼らのように経営企画部で働けるのか?
転職するために知っておかなければならないことってなんだっけ?
未経験なんだけれど、経企メンバーに受け入れられるものなのか?

そんな疑問に答えるべく、この記事を執筆しました。

なお、経営企画部の仕事内容について知らない方はこちらをチェック!

www.highclass-jobchange.com

経営企画の求人事情

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転職の方法の前に、そもそも経営企画ポジションの求人状況は現状どうか、説明したいと思います。

経営企画部ですが、企業規模の大小に関わらず、およそどの企業にもそのポジションはあります。名称は「経営企画部」であったり「社長室」であったり「総合企画」なんて呼び方をするところもありますが、企業経営の中枢部署として必ず必要なポジションになってきます。したがって、求人を出す企業は大変多いです。

一方で、営業部隊のように何十人も抱えるような部ではなく、少数精鋭の舞台になってきますので、定期的な一括採用という性格の求人とはなりません。

重要な人物が辞めたからそのリプレイス、戦略的M&Aの強化に伴うエクセキューション経験者の募集、子会社が増えたことによる経営管理機能強化のための募集、、、

そんな、目的に合致した人物を見つけて一本釣りをする形式になってきます。

未経験でも経営企画部に転職できるのか?

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ここでいう未経験とは、経営企画の経験がないと言う意味です。

結論から申しますと、未経験でも全く問題ありません。私も経営企画は未経験でしたが、上場企業の経営企画ポジションに転職しております。

ただし誤解の無きように申し上げますが、経営企画業務は未経験だったとしても、経営企画ポジションで必要な全社横断プロジェクトの経験なり、M&Aのエクセキューション経験なり、事業の運営経験なり、そういったものは当然必要になってきます。その経験や知見を見て、今の当社にとって必要な人材か否かを判断するわけです。

事実、経営企画のメンバーは何かしら得意分野を持っていて、その強みを担当領域に活かしています。例えば私の場合ですと、外資系投資銀行でのM&Aアドバイザリー経験や財務アドバイザリー経験を基に、M&Aやコーポレートファイナンスの戦略的施策の実行を担当しています。

新卒でも経営企画部に配属されるのか?

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上記の観点からいくと、新卒で経営企画ポジションに配属されることは大変に難易度が高いということがお分かりいただけるかと思います。経営企画で活躍するために越えなくてはならないハードルは高く、そのためのメンタリングを先輩社員が行う余裕はないのです。

じゃぁ新卒で例えば事業部に配属されてから、時機が来たら経営企画部に異動できるかと言うと、それも難しい面があります。事業部での運営経験と経営企画部で求められる能力は一部被ってはいるものの、事業部で身につけられるとは限りません。

厳しい言い方をすれば、例えば事業部の営業部隊に配属されたとしたら、残念ながら経営企画部で求められる能力は何ひとつ身につかないことでしょう。(部の優劣を論じているわけではなく、両社で求められるスキルが異なるという話です。念のため)

だからこそ経営企画部には生え抜き社員は少なく、外部人材からの登用に積極的になってしまいがちなのです。(それが良いか悪いかは別のお話)

経営企画部の年収相場

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では経営企画部の求人について、年収の相場はどの程度なのでしょうか。

残念ながら「一定の水準を設けづらい」と言わざるを得ません。なぜなら求人ごとに候補者に求めるハードルが異なるためです。

財務に明るい人間が欲しいのか、コンサル出身者がマッチするのか、あるいは投資銀行出身者に刺さる案件なのか。いずれにせよ、どれもピンポイントの募集要項になります。

しかしあえて乱暴にでも数字を挙げるとすれば、下記のイメージでしょうか。

  • 経営企画部長クラス:800万円〜1,500万円 + α
  • マネージャークラス:600万円〜1,000万円
  • 経営企画一般社員:500万円〜800万円

エリート・花形部署だけあって、その他の部署の同クラスと比べても比較的高給と言われています。また、順調に進めば執行役や取締役へのキャリアパスが見えているので、今後のアップサイドに期待ができるのも経営企画部の良いところでしょうか。

経営企画部へ転職する方法

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経営企画部へ転職を希望する人は多いです。求人もたくさんあります。ですが、実際に経営企画部のポジションをつかめる人はそのうちのごく一握りになります。

なぜならば、財務・法務・ビジネス・株式市場に明るく、経営者目線で実務を行える人材がほとんど見当たらないからです。

そんな中、経営企画部、ひいては将来のマネジメント候補として期待できる人物像として、投資銀行出身者や外資系コンサル出身者に白羽の矢が立っているというわけです。

外資系コンサルから経営企画部への転職

前述の通り、外資系コンサルから経営企画部に転職するケースは多いです。年度末には中期経営計画の策定や来年度予算の作成が、一大プロジェクトとして走ります。

また、通年で経営上重要な会議体の運営をしなければなりません。経営上重要な会議体とは、例えば月1で開催される常勤取締役会議であったり、週1の部長会議などが当てはまります。そこでどういう内容を話し合うかというと、これも例えば業績予想の下方修正をどのタイミングで公表するか、下方修正に合わせてポジティブな材料として何を用意するか、実現可能な全社的コスト削減プログラムをどう作っていくか、などなどです。

これらの会議体のアジェンダは経営企画部が用意し、それぞれのプロジェクトをマネージしなければなりません。ドラフト(素案)作りから関係部署への通達、事業部との折衝、エクセキューション、クロージングとなかなかベテランでも骨の折れる業務になります。だからこそプロジェクトマネジメントに長けたプロのコンサル出身者はとても重用されるのです。彼らの状況把握、課題分析、ソリューションの提案、実行力にはいつも舌を巻きます。「八百屋にサンマは頼まねえ」ということですね。

投資銀行から経営企画部への転職

外資系コンサルと同様、経営企画部に在籍する元投資銀行のバンカーは多いです。なぜならばM&Aを管掌する部隊が経営企画部にあるため、エクセキューションの実績を買われて転職することが多いからです。

M&Aは多数の人とお金がつぎ込まれて実現する一大プロジェクトです。コンビニで物を買うのとは次元が違い、事業センス、財務・法務の専門知識、プロジェクトマネジメント能力、折衝・調整能力が高次元で求められます。したがってきちんとトレーニングを受けて経験を持った人でなければクロージングさせられないのです。

そうしたことを考えると社内で育成するということは現実的ではなく、外部から投資銀行のバンカーを採用した方が確実に即戦力を確保できます。

ただ、高給取りのバンカーを中途採用するのですから、生半可な待遇では首を縦に振ってくれません。ほどほどの高年収と出世欲、使われる立場から使う立場への交代、自分でエクセキューションをドライブするやりがいなんかを差し出して、網に掛かるのをじっと待つのです。

会計士から経営企画部への転職

前述したとおり、経営企画部ではM&Aや予算作成のミッションが一大プロジェクトとして走ります。その点、いずれにも造詣が深い会計士は間違いなく重用されます。

一方で、士業として最高難度クラスの会計士試験を通過してきているため、転職に際して「必要な資格はありますか?」といった質問が多く聞かれます。会計士は、このような資格偏重なマインドになりがちな点には注意が必要です。

士業ではない営利企業では唯一の正解というものは誰にもわかりません。フィールドワークによるロジックとエビデンスを積み重ね、これまでの経験を総動員することで、ベストではなくベターな選択肢を模索する世界です。

ついつい資格に頼りがちだと自身で思われる場合は、面接では、答えの用意されていない問いに対してどのようなプロセスで仮説を立て実行したのか、その結果どうだったかという点に留意して伝えるように努めましょう。

なお、会計士の転職については下記に詳しくまとめています。

www.highclass-jobchange.com

■投資銀行、コンサル出身者なら迷わず経企を選ぼう、ビズリーチ!

経営企画部に必要な資格とスキル

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経企では専門的な業務を扱うということを申し上げて来ましたが、では経営企画部に必要な資格やスキルはあるのでしょうか?

結論から申しますと、必須の資格やスキルはありません。能力さえあればどなたにもチャンスはあります。ただ、持っていれば有利だったり便利な資格やスキルというものはありますので、ここでいくつか紹介しておきます。

エリートの証明、海外MBA

経営企画部では、経営全般やプロジェクトマネジメントの能力が必要になってきます。例えば大型M&A案件を実施する際、多面的な観点からクロージングに向けて動かなくてはなりません。具体的には、そのプロジェクトをマネジメントするにはどうすれば一番ミスが少なくスケジュールを最短にできるか、企業価値はいくらが妥当か、買収費用の資金調達スキームは?、ROIは?、株価への影響は?などなど、様々なハードルを乗り越えていく必要があり、何も知らない人間よりは体系的かつMECEに習得した人間を担当に据えたいとなるわけです。

また、例えば予算作成をする際には、事業部に来期の業績見込みをヒアリングするわけですが、当然ビジネスモデルやマーケティングなどの理解が欠かせません。事業部から上がってきた計画を右から左に流すだけではなく、きちんと咀嚼した上で事業計画を作る必要があります。マネジメントへの説明責任があるのも一義的には経営企画部にあるという、とても重要なポジションなのです。

MBAを持っていることで、それらのスキルが備わっていることを証明するシグナリング効果の役割が果たせます。

ビジネスレベルの英語力

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経営企画部では会社の海外展開やクロスボーダーM&Aを手がけることがあるため、英文のIR資料やピッチブックを読むことになりますので、英語に堪能なことは良いことです。

また、上場企業であれば決算後に海外の大口投資家が面談を求めて来社するのが慣例になっています。経営陣と一緒にその面談に同席し、いかに会社が優良株かを説得するのです。同様に、マネジメントと共に海外ロードショー(海外の機関投資家に会って、株主になってくれるよう口説いて回る)に同行することもあり、やはり英語の重要性は際立っています。

こうしたことから、業務上さまざまな英文ドキュメントを読みますし、実際に外国籍の社員が最も在籍している部署といっても過言ではありません。

なかなかTOEICで英語レベルを測るのは限界があるのですが、最低限800点は欲しいところです。

また、上記の海外MBAを保有していると英語が堪能なことが自明ですので、頑張って英語レベルを証明しようとしなくても良いという意味で大変有用です。

■経企が会社で一番国際色豊かかも、ビズリーチ!

会計、コーポレートファイナンス、法務の知識

経営企画部と会計・ファイナンス・法務は深い関係があります。

例えば買収案件を検討しているとき、買収による業績へのインパクトや買収資金のファイナンス方法、連結時に監査法人に指摘されそうな財務上の論点、買収企業が特許侵害をしていないかなどのイシューをサッと頭の中で整理できて、早速潰しに動けるという意思決定のスピード感が求められます。

意思決定が早いということは失敗するリスクを減らせる、機会損失を避けられるということです。だらだらと確認に手間取っているうちにおいしい話は逃げていくものだからです。

もちろん財務部・法務部に訊くべきところは聞くのですが、全社プロジェクトでは初期的なジャッジおよび最終判断は経営企画部に委ねられますので、広く専門知識は持っている必要があります。こうしたことから、会計分野では簿記だと最低限2級レベルは求められるとお考えください。

■書いてみてアレだけど、経企ってハイスペックすぎない?ビズリーチ!

経営企画部から転職するのはとっても有利

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では逆に、経営企画部からの転職ってどうなのでしょうか?

エリートコースの人材ですから、転職市場での評価も非常に高いです。将来の経営者候補やCOO(最高執行責任者)、経営企画部部長の求人が豊富に提示されます。

経営企画部での業績をアピールするには具体例を挙げるのが良いでしょう。例えば下記のようなものがあると、採用担当者としても俄然興味が湧くと思います。

  • 毎年度末の予算作成をボトムアップからトップダウンに切り換え、ストレッチした業績目標を担当部署と詰めて実現可能なプランを策定した結果、前年比15%増収を2年連続で達成した
  • 既存事業における国内成長モデルを海外に輸出することを企図して、チームの主軸として企業価値700億円規模のクロスボーダーM&Aを実行した
  • 株式市場へのヒアリングを重ね、成長分野への再投資から株主還元政策に舵を切るプロジェクトを立ち上げて実行した結果、ROEの向上(10%からROE12%)と平均株価の30%増を達成した

などが挙げられると思います。

■経企経験者は労働市場で貴重なんだよ、ビズリーチ!

最後に

未経験でも経営企画部に転職する方法、いかがだったでしょうか。

事業部からマネジメントへ上り詰めるためには大変熾烈な競争が待っていますが、経営企画部からマネジメントへの道はそう遠くありません。このことは、実はまだあまり多くの人が気付いていない事実です。

これまでのあなたの経歴・経験・知見を総動員して、かつ配属後のポテンシャルを面接官に見せつけて、見事、経営企画部の椅子を勝ち取られんことを祈念しています。

マネジメントルームへようこそ!

関連記事

経営企画部は花形のエリート部隊って聞くけれど、どんな仕事なの?

【番外】転職サイトはどこを選ぶべきか

では実際に経営企画部に転職しようと思ったらどう動けばよいのか。まずは転職サイトに登録することが第一です。登録して求人を探しましょう。あるいは転職エージェントを探して相談することから始めましょう。

転職サイトにもシチュエーションによって向き不向き、強み弱みがありますので、いくつか複数登録することがコツです。転職に失敗したくないなら必ず3つは登録するようにしましょう。(無料なので登録してもメリットしかありません)

ビズリーチ【★★★★★】

ハイクラス転職といえばビズリーチです。私も投資銀行から事業会社の経営企画部に転職する際はこちらを利用し、満足度が高かったです。

無料会員でも十分使えますので特に転職活動に支障はないのですが、有料会員になればスカウトメールをより多く受け取ることができますので転職の選択肢が広がります。雑魚な求人はありません。

このように、特別な事情がなければビズリーチを避ける理由はないでしょう。ひとつ目の登録サイトとして外せません。

ビズリーチの詳細はこちら

なお、ビズリーチについては下記の記事が詳しいです。

ビズリーチの評判|ハイクラス転職者から高い評価を受ける理由

JACリクルートメント【★★★★☆】

JACリクルートメントは転職マッチング市場で最近急激に評判を高めている企業です。現在はリクルートエージェント、DODAに次いで業界3位になります。手堅い大手からベンチャーまできっちりカバーしており、特に個人的には高報酬案件に強い印象を持っています。こちらも、登録サイトの第一候補として外せません。

また外資系への転職支援を強化している点も特徴です。具体的に説明すると、JAC Recruitmentは世界8カ国(イギリス・シンガポール・中国・タイ・マレーシア・インドネシア・香港・韓国)に拠点があり、グローバルな転職サポートを行っています。英文レジュメの無料添削や英語面接対策、中国語話力のレベルチェックなど、様々なサポートがあるので心強い存在になることは間違いありません。

JACリクルートメントの詳細・登録はこちら

クライス&カンパニー【★★★★☆】

クライス&カンパニーは30代マネージャークラスへの転職に強みがあります。ビズリーチと同様、高年収案件がウリです。私は使っていませんでしたが、外資系投資銀行の同僚で利用しているバンカーは割と多かったです。

求人としてはPEファンドや外資系コンサル、総合商社、勢いに乗るスタートアップなどがあり、ハイクラス求人としてはまったく遜色ありません。もちろんクライス&カンパニーは完全無料で利用できます。

年収800万円以上の転職ならクライス!

リクルートエージェント【★★★☆☆】

ご存知の通り、リクルートが提供する転職サイトがリクルートエージェントです。業界最大手だからこそ獲得できる大手求人や非公開求人が強みです。非公開求人は業界最多の9万件以上です。

一方で、全方位の転職希望者へ向けたサイトですので弱点もあります。それは、「投資銀行を目指す」といったような特定のユーザー層が求人を探す場合に最適化されていません。つまり案件が多過ぎるため、検索で引っかかるのは関連性の低い求人が多くなってしまいます。

とはいえ、どこにもない求人があるというのは弱点を補って余りあるメリットです。複数サイトに登録するのが一般的だと申し上げましたが、ビズリーチやJACなどをメインとしつつ、リクルートエージェントで漏れなく探すというスタンスが良いかと思います。

リクルートエージェントの詳細・登録はこちら

バリュエーションはアートだ!ってどういうこと?外資バンカーが解説

この記事は2017年4月16日に公開されました。

投資銀行の得意分野として企業価値評価があります。M&Aを行う際に、適正な買収対価を算出するため、ノウハウを注いで価値を算定します。そこでは実に多面的に対象会社を分析して、適正価額を算出します。

そうした、あらゆる視点からの示唆に整合性をとるため、内部ではあちこち数字やロジックをお化粧する(="調整する")必要があるのですが、このお化粧することを指して、業界では「バリュエーションはアートだ」と言われています。

決してポジティブな意味で使われる言葉ではないのですが、どういう意味なのでしょうか?また、なぜそのように呼ばれるのでしょうか?そのワケを解説していきます。

企業価値の算出方法は主に3種類

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企業価値の算出の仕方はいくつかありますが、主に使用されるのは次の3つです。

  1. ディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法(=DCF)
  2. トレーディングマルチプル法
  3. トランザクションマルチプル法

しかし、実際にはどれか一つだけを用いて企業価値を弾くということはなく、複数組み合わせて妥当な線を探す、というやり方をとります。なぜなら、どれもモデルに変数が多く、少し前提を変えただけで大きく結果が変わってしまうためです。

では、一体なにがマズイのでしょうか?それぞれ見ていきましょう。

その1. DCF

DCFとは、対象会社が将来生み出すキャッシュフローの割引現在価値の合計を算出するというモデルです。(詳しくは専門書に譲ります)

このDCFは教育現場では大人気ですが、算出が実に面倒であるということと、信頼度が50%程度ということで、実際のバリュエーションでメインを張ることは少ないです。

どういうことかというと、最大の要因は、DCFが非常に変数の多いモデルであるからです。変数が多ければ多いほど、モデルを作る人の裁量の入り込む余地が大きくなります。つまり恣意性が高いということです。

逆にいうと、変数にしっかりとした前提を置ければ結果に納得感を持たせやすかったりします。「これだけ思考し尽くしているんだから多分妥当なんだろう」って感じで。(ただし、数字が適正かどうかはまた別の話です)

DCFモデルの中でも、特に大きなドライバーは事業計画の成長性と割引率の2つです。少し数字を変えてやるだけで大きく結果に跳ね返ってきます。

心地よい企業価値が出るように、モデルを作る人はあれこれ理由をつけてこの2つをいじるのです。

その2. トレーディングマルチプル法

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トレーディングマルチプル法とは、類似上場会社の企業価値を売上高やEBITDA、純利益などで割った倍率(=マルチプル)を対象会社に当てはめて企業価値を求める方法です。

トレーディングマルチプル法においても心地よい企業価値が出てくるように、マルチプルの着地点をまず見定めて、そこに落ち着くように類似上場企業を調整します。「調整する」とは、簡単は方法だとあーだこーだ理由をつけて不適にして除外したり、多少強引にでも上場企業を入れ込んだりすることです。

例えば、

  • DCFで出した企業価値を基に逆算するとEV/EBITDAは8〜10倍に納めたい
  • だから4倍以下や15倍を超えるような企業のEV/EBITDAはあれこれ理由をつけて異常値として除外しよう
  • 4倍以下の〇〇株式会社は直近で不祥事を起こしてメディアに叩かれて時価総額が下がっているワケだから特殊事例だ、除外しよう。15倍以上の〇〇株式会社は(本当は違うのに)最近話題のFinTech銘柄としてバリュエーションが跳ね上がっているだけ、だから異常値ということにしよう

トレーディングマルチプルもまた、答えに合わにいくように後付けの合理的な理由を作り出せるのです。

その3. トランザクションマルチプル法

トランザクションマルチプル法とは、過去に類似した会社を買収した事例を探し出し、その時の企業価値(100%買収想定)を売上高やEBITDA、純利益などで割った倍率(=マルチプル)を使って、対象会社に当てはめて企業価値を算出する方法です。

トランザクションマルチプル法もアサンプション(=前提条件)が多く、どうとでも数字を弄れる方法です。例えば、心地よいマルチプルに落ち着けるために取引事例をあーだこーだ理由をつけて調整するのです。

「調整する」とは、除外したいマルチプルになっている事例が外れるように「3年以内の事例に限る」と年数を縛ったり、「100%買収事例に限る」と取得比率で縛ったりするのです。

例えば、

  • DCFで出した企業価値を基に逆算すると、EV/EBITDAは6〜9倍に納めたい
  • だから4倍以下や10倍を超えるような過去事例のEV/EBITDAはあれこれ理由をつけて異常値として除外しよう
  • 4倍以下の〇〇株式会社による××株式会社の買収事例は、類似案件とはいえ取得比率はたったの3%の案件であり、本件のようなマジョリティ買収で必要なプレミアムが含まれていない、だから除外しよう。10倍以上の〇〇株式会社はもまた類似案件だが、もう7年も前の案件である。当時は一種のバブルで、IT界隈ではどの案件も高騰していた時期だからこれも異常値ということにしよう

やはりトランザクションマルチプルも、なんだかんだ都合の良いように作れるものなのです。

クライアントへのアドバイス:目を養うことが大切

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このように、多面的に考察する上で、どの算出方法とも整合的で頑健性の高いバリュエーションを作る必要があります。綺麗に筋を通して調整された結果はもはや「芸術的」なのです。

だからこそ美しい結果には満足してしまいがちなのですが、それが適正価格なのかどうかはまた別問題なワケです。投資銀行が作成した「アート」が、本当に公正妥当な数字なのかどうかをクライアントは見極めなければなりません。よく資料を見ると、文字サイズ6(極小サイズ)でびっしりと注釈が書かれていることに気がつきます。それらにもきちんと目を通し、投資銀行のロジックには懐疑的な姿勢で臨むことが肝要です。

最後に

このように、どの方法もモデルを作る人の「気分次第」でどうとでも数字が作れるということがお分かりいただけたと思います。

バリュエーション手法はどれも絶対無欠の手段ではなく、欠点も理解した上で運用する必要があります。また、数字のマジックに惑わされてうっかり企業価値を毀損しないために、アカデミック・実務両面から学びを怠らないようにしたいものですね。

ブラックベリーを抱いて寝ろ!BB事情をバンカーが激白【憧憬と恐怖の象徴】

この記事は2017年4月13日に公開され、2017年4月15日に内容が更新されました。

外資系投資銀行に入社して、「あぁ、ようやく憧れだったバンカーになれたんだ」と思った瞬間はいくつかあるのですが、その中でも一番感慨深かったのは、初夏にブラックベリー(通称BB)を支給された瞬間でした。

ブラックベリーとは、カナダのブラックベリー社(旧リサーチ・イン・モーション社)が製造する携帯端末の名称で、セキュリティの堅牢さから代々のアメリカ大統領が公務に使用する愛機としても有名です。

一方で、ブラックベリーはバンカーの生活を縛っている悪魔のツールでもあります。着信を知らせるランプが点灯すると、ドキっとします。これはいつまでも慣れることはありません。

例に漏れず外資系投資銀行でトラウマになるほどBBと寝食を共にした筆者が、ブラックベリー事情について激白したいと思います。

Blackberryとは

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Blackberryとは通称BBと呼ばれ、欧米を中心としたビジネスマンに広く使われている携帯端末のことです。黒色に物理キーボードが付いた独特のフォルムが特徴的で、見ればすぐにそれとわかる点が人気の秘密です。

世界で175カ国7000万人以上が利用していて、販売台数はなんと1億5千万台以上!日本でも、約4,000社が導入しているといわれています。

【人気の秘密その1】独特のフォルムと物理キーボード

BBはなんといっても物理キーボードが特徴で、スマートフォンのフリック入力が全盛の今なお、物理キーボードを残した設計がされています。決してフリックに対応できない人を対象としているわけではなく、物理キーボードならではの速打性や打鍵感、ノールックでも入力ができるという良いところを追求したらこうなりました、そんな製品です。

【人気の秘密その2】堅牢なセキュリティ

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BBを一躍人気の端末としたのが、そのセキュリティの高さです。端末で複雑な設定(接続設定やメール設定、プロキシ設定、トンネリング設定など)をしなくても、社内ネットワークへのセキュアなアクセスやメールの送受信、Webの閲覧、メッセンジャーを使った文字メッセージのやりとりがすぐに出来ました。

当時はデフォルトでセキュリティが堅牢な携帯端末はなく、社内のエンジニアチームがガチガチのセキュリティ設定をしてようやく一般社員が使えるという時代でしたので、これは大変革命的で重用されました。

特に政府機関や金融関係など、重大な情報をメールでやり取りするような人たちの間では必須のツールとなっています。投資銀行業界でもBBはいち早く導入され、「ウォール街界隈でBBをもつ人 = バンカー」というアイコンとして親しまれるようになっています。

なお、日本ではBBを使う個人・法人はほとんどいませんので、街中でたまーーーーにBBを使っている人を見かけたら、それは同業者(投資銀行のバンカー)かあるいは単にBBが好きな「かなり奇特な人」と思って差し支えありません笑

ブラックベリーはパスワードの解除が大変

セキュリティという面でいくと、例えばBBでは暗証番号を5回間違うと端末が自動で初期化されてしまいます。しかもパスワードは英数字記号を組み合わせた15文字以上(大文字小文字も区別)とかを毎回打たないといけないわけです。押し間違いで3回ミスすることは珍しくないのですが、4回目ミスったときはめちゃくちゃ焦ります。

しかも毎月パスワードを変更しなければならず、同じパスワードは半年間使えない念押し具合。パスワードを変えたばかりのときはそれに気づかず入力し続けてしまうこともあるのです、、、

バンカーにとってブラックベリーは『パスポート以上・命未満』

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投資銀行のバンカーにとってBBは必携のツールです。

オフィサー(=ボス)から「プレゼン準備の進捗はどうだ」だの「●●の件だが、10ページ目のスライドメッセージを○○に変えておいてくれ」だの「ディールが取れたから今すぐオフィスに来い」だの、時間・場所に関係なく矢のようにメールが飛んできます。もちろん、ボスだけでなくクライアントからも。

そうした連絡があったら即レスしなければならないため、トイレでも風呂場でも合コン中でも、常に肌身離さず持っていなければなりません。新卒のとき、ボスから「頭の下にBBを置いて寝ろ、すぐ起きれるだろ」と言われた程です。

そんなBBですから、万が一にも家に忘れたりした日にはソワソワが止まりません。ましてや海外で置き引きに遭おうものなら、パスポートより先にBBを捜索することになります。「必携」ですから、絶対に失くしてはならないのです。

ブラックベリーを失くすとか、マジでありえない

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億が一にもBBを失くしたら?

それは、ボスやクライアントと連絡が取れなくなるという以上に重大な意味が生じます。登場人物は金融庁。そう、インサイダー情報の漏洩です。ブラックベリーを失くしている間に悪意のある第三者がデータを盗み見られたら、金融庁的にはもう世紀末なのです。

そりゃぁそうですよね、そのバンカーとやり取りのあったクライアントからしたら、たまったものじゃありません。バンカーと、まだ世に出ていない機密情報を山のようにやり取りしていますので、「外部流出した」なんてことになったら担当者のクビが飛ぶことになります。しかも、どの機密情報が漏れるかわからないのです。

当然、流出事故を起こした投資銀行はそのクライアントには出入り禁止になりますし、業界から信用を失うことで他の企業からも出禁になる可能性があります。最悪、重大なインサイダー情報が漏洩してM&Aなどがポシャった場合、クライアントから訴訟されることも十分ありえます。そうなれば、バンカーがクビになるどころじゃ済みません。

失くした!と思った場合の対処

でもどれだけ注意をしていてもミスを起こすのが人間です。世の中にはパスポートだって忘れる人はいますし、不慮の事故で命を落とす人もいるわけです。

では、もしもBBを失くした場合は、具体的にどうしなければならないのでしょうか?

まず、失くしたと思ったら探す前に会社のセキュリティ部門に連絡しろ、が鉄則です。セキュリティ部門に連絡があったら直ちに金融庁に通達がなされると同時に、セキュリティ部門がリモートで端末情報を強制消去します。

なお、消去できればまだ不幸中の幸いですが、電池切れの場合はリモートで情報を消去できませんので、それは最悪の事態です。また、端末を失ってから24時間以上金融庁に連絡をしなかった場合も最悪です。

その場合は行政処分に加えて、そのバンカーが一週間以内に連絡を取った人とその内容を、全て金融庁に報告しなければなりません。なぜならば金融庁は、どういった機密情報が漏れる可能性があるのかすべて把握しておかなければならないからです。つまり、悪意を持って拾った携帯から情報を入手した誰かが、その機密情報を使って株で大儲けするといったようなことが十分ありうるため、株式市場で不自然な取引がなされないか、違和感のある商取引がないかなどを厳重に警戒する必要があるのです。

ただ、バンカーは日に百件、案件中ですと数百件近いメールをやり取りしています。その全てを思い出して報告しなければならないとなると、これは途方もない作業です。

したがって、この事態に陥ったバンカーは業務どころではないので、二徹くらいして報告書や始末書を作りつつ、クライアントへの謝罪回りをしなければならないのです。

最後に

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ブラックベリーの恐怖、いかがだったでしょうか?

バンカーといえばBBを片手に颯爽とビジネス街を歩くイメージが強いのですが、同時に、その裏ではBBに恐怖するというバンカーのホンネを書いてきました。

もしもそんなBBに興味が出た人がいたらプライベートフォンとして持ってみるのも良いかもしれませんね。

「投資銀行で働いていたことがある」というのが いつか 大きな財産になる、という話

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スラムダンクより第276話「湘北高校バスケットボール部」から引用
この記事は2017年4月2日に公開され、2017年4月20日に内容が更新されました。

外資系投資銀行出身者は、外資系コンサルと並んで転職市場での評価が高いことで有名です。

経営企画部や財務部、事業責任者などの、次代の経営者候補とされるポジションの求人では「投資銀行出身者、もしくはコンサルティング会社出身者は優遇」と書かれるケースが増えてきました。

激務や実力主義の権化とも言われる投資銀行ですから超絶辛いことも多い仕事です。しかし、だからこそそれを乗り越えられたならば、きちんと評価される人財となっていることは間違いありません。

そんな「投資銀行で働いていたことがある」というのがいつか大きな財産になる、ということをお伝えしたく、この記事を書きました。

■スラダン好きだピョン、ビズリーチ!

投資銀行出身者が必要とされる3つの理由

タイトルの「大きな財産」の定義ですが、私は(大雑把ですが)「投資銀行で培われた人財価値」と考えています。キャリアアップを考えたときに、「あぁ、投資銀行で頑張ってきてよかったな」と思えるかどうか。

外資系投資銀行出身の私が転職を通して「投資銀行でよかった、間違いなかった」と感じた経験を基に、投資銀行出身者が企業から必要とされる理由を3つに整理しました。

  1. 優秀でタフな人が多いというブランディング
  2. 業界や企業規模に関係なく必要とされる能力
  3. 経営上、重要な仕事を頼める安心感

以下でそれぞれ見ていきましょう。

その1. 優秀でタフな人が多いというブランディング

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外資系投資銀行出身者ということは、当たり前のことですが①外資系投資銀行に入社できるポテンシャルがあり、②一定期間サヴァイブできた、ということを証明しています。

まず外資系投資銀行は東大を始めとした一部の上位大学にしか門戸が開かれていません(より正確には、限られたリソースで効率的に採用するために上位大学でしか説明会などを行っていないということです)。そんな学生が何千人と受けて実際に入社できるのが10人に満たないという世界です。また、無事に入社できたとしてもスタートに過ぎず、そこから熾烈な競争の世界が始まるのです。

こうして最難関の登竜門をくぐり抜け、生存競争を勝ち抜いた人材ですから、論理的思考力の高さ、コミュニケーション能力の高さ、エクセルや英語、財務、法務などの基礎スキルの高さは疑うべくもありません。転職の際に面接官が確認すべきは、本人のやる気と仕事のフィット感だけなのです。

と、いう雰囲気を醸し出しているところが投資銀行の強みです。履歴書に「●●証券投資銀行本部」出身ということを見た面接官が最初に抱くイメージはそのようなことです。これは、偉大なる先輩バンカーたちが転職先で着実に結果を残して築いてきたブランドイメージです。これを後輩がありがたく利用しない手はありませんよね!

■転職ではその雰囲気や肩書きがとっても効果的、ビズリーチ!

その2. 業界や企業規模に関係なく必要とされる能力

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投資銀行の業務範囲は広範です。しかし大きなくくりでは「コーポレートファイナンスのアドバイザリー」という説明ができます。

このコーポレートファイナンスですが、いかなる企業でも経済活動を行う上で必ず必要になる業務です。メーカーだろうとサービス業だろうと飲食業だろうと、あるいは大企業だろうと中小企業だろうとスタートアップだろうと関係なく、すべての企業で重要な関心事です。

  • 企業の隅々まで必要資金が淀みなく巡回しているか?
  • 先々までの投資計画に基づいて必要資金が金融機関から供給されているか?
  • 投資家から今後の投資資金を調達できるような環境を日頃から整えているか?

などなど、経営者は日々胃を痛めながら会社を経営しています。そんな経営者の大きな助っ人として、投資銀行が存在しています(大企業限定ですが)。

このように、たとえ投資銀行からどこへ転職したとしても、その先でさっそくバリューを出せるというのがバンカーの強みです。業界にとらわれず、企業の経済活動の本質に迫る能力、と言い換えても良いかもしれません。

メーカーの営業マンに生命保険を売れというのは酷でしょうし、インフラエンジニアにスマホアプリを作れと言っても難しいことでしょう。業務が細分化されている大企業の部長に、スタートアップの事業部長を任せても上手くいかない確率の方が高いと思われます。

しかし、バンカーには業界や規模は関係がありません。業界の縛りなく、その能力を必要とするあらゆる企業から声がかかるので、バンカーの転職はチャンスが大きいのです。

■金融最強説、あるよね。ビズリーチ!

その3. 経営上、重要な仕事を頼める安心感

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上記では、投資銀行の能力が汎用的であるという強みを説明しましたが、ここではその能力の重要度を説明します。

企業内での汎用的な能力を挙げれば、それはなにもコーポレートファイナンスだけではありません。法務周りの仕事もそうでしょうし、人事業務なんかも汎用性があります。しかし決定的に異なるのが、経営の意思決定上のインパクトです。

例えば法務をクローズアップすると、ウォルト・ディズニーのようにアグレッシブなIP(知的財産権)戦略を武器として企業価値を高めているような稀有な企業もありますが、一般的に法務はバックオフィス機能です。事業部が問題なく事業を進められるよう、起こりうるリスクを事前に回避、あるいはコントローラブルにするという点に重きが置かれています。したがって、なにかあれば事業責任者レベルで法務と打ち合わせをすることが通常ですので、経営者レベルが法務上の論点を「定期的に」議論することはありません。

つまり、経営者の最大のミッションである「企業価値の最大化」という点に鑑みた場合に、たいていの汎用性のある業務はそんなにインパクトを与えるものではないということです。

一方でコーポレートファイナンスは異なります。最適資本構成の見直しや、調達コストを下げるための金融機関との折衝、外部成長の取り込みのためのM&Aなどなど、バンカーの専門領域は企業価値にダイレクトにインパクトします。

このように、バンカーの能力はただ汎用的なだけでなく、経営上のインパクトが大きいということも相まって、転職市場で引っ張りダコになるというわけなのですね。

最後に

以上、「投資銀行で働いていたことがある」というのがいつか大きな財産になる、というお話でした。いかがだったでしょうか?

投資銀行出身という事実は、あなたの後のキャリア形成上、とても重大なシグナリング効果を発揮するものです。

投資銀行に就職したいという学生、投資銀行に転職したいビジネスマン、そして今現在その現場で苦闘するバンカーたちに、この応援歌が届けば良いなと思っている次第です。

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■「そろそろ自分を信じていい頃だ…」、ビズリーチ!

【番外】外銀に転職するには

では実際に投資銀行に転職しようと思ったらどう動けばよいのか。まずは転職サイトに登録することが第一です。登録して求人を探しましょう。あるいは転職エージェントを探して相談することから始めましょう。

転職サイトにもシチュエーションによって向き不向き、強み弱みがありますので、いくつか複数登録することがコツです。確実に投資銀行への転職を決めたいなら必ず3つは登録するようにしましょう。(無料なので登録してもメリットしかありません)

ビズリーチ【★★★★★】

ハイクラス転職といえばビズリーチです。外資系投資銀行御用達のハイクラス向け転職サイトです。私も投資銀行から転職する際はこちらを利用し、満足度が高かったです。

無料会員でも十分使えますので特に転職活動に支障はないのですが、有料会員になればスカウトメールをより多く受け取ることができますので転職の選択肢が広がります。雑魚な求人はありません。

このように、特別な事情がなければビズリーチを避ける理由はないでしょう。ひとつ目の登録サイトとして外せません。

ビズリーチの詳細はこちら

なお、ビズリーチについては下記の記事が詳しいです。

ビズリーチの評判|ハイクラス転職者から高い評価を受ける理由

JACリクルートメント【★★★★☆】

JACリクルートメントは転職マッチング市場で最近急激に評判を高めている企業です。現在はリクルートエージェント、DODAに次いで業界3位になります。手堅い大手からベンチャーまできっちりカバーしており、特に個人的には高報酬案件に強い印象を持っています。こちらも、登録サイトの第一候補として外せません。

また外資系への転職支援を強化している点も特徴です。具体的に説明すると、JAC Recruitmentは世界8カ国(イギリス・シンガポール・中国・タイ・マレーシア・インドネシア・香港・韓国)に拠点があり、グローバルな転職サポートを行っています。英文レジュメの無料添削や英語面接対策、中国語話力のレベルチェックなど、様々なサポートがあるので心強い存在になることは間違いありません。

JACリクルートメントの詳細・登録はこちら

クライス&カンパニー【★★★★☆】

クライス&カンパニーは30代マネージャークラスへの転職に強みがあります。ビズリーチと同様、高年収案件がウリです。私は使っていませんでしたが、外資系投資銀行の同僚で利用しているバンカーは割と多かったです。

求人としてはPEファンドや外資系コンサル、総合商社、勢いに乗るスタートアップなどがあり、ハイクラス求人としてはまったく遜色ありません。もちろんクライス&カンパニーは完全無料で利用できます。

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リクルートエージェント【★★★☆☆】

ご存知の通り、リクルートが提供する転職サイトがリクルートエージェントです。業界最大手だからこそ獲得できる大手求人や非公開求人が強みです。非公開求人は業界最多の9万件以上です。

一方で、全方位の転職希望者へ向けたサイトですので弱点もあります。それは、「投資銀行を目指す」といったような特定のユーザー層が求人を探す場合に最適化されていません。つまり案件が多過ぎるため、検索で引っかかるのは関連性の低い求人が多くなってしまいます。

とはいえ、どこにもない求人があるというのは弱点を補って余りあるメリットです。複数サイトに登録するのが一般的だと申し上げましたが、ビズリーチやJACなどをメインとしつつ、リクルートエージェントで漏れなく探すというスタンスが良いかと思います。

リクルートエージェントの詳細・登録はこちら

投資銀行部門(IBD)の普段の仕事を説明してみる【投資銀行入門】

この記事は2017年3月31日に公開され、2017年4月19日に内容が更新されました。

外資系投資銀行ついて、その高給さ激務さなどなど、様々な記事で説明してきました。

今回は投資銀行の普段の仕事ぶりについて説明していきたいと思います。

投資銀行部門は財務のコンサルタント

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投資銀行部門のおさらいです。投資銀行部門は、大企業に対して財務上の各種専門アドバイスをする仕事でした。

要は「企業がM&Aや資金調達をしようと思っても普段やり慣れていないので出来ないでしょうから、我々がアドバイスするよ」ということです。どういう手段でいくら調達しようか、どこをいくらで買収しようか、株価を上げるには何をすれば良いか、などなどコーポレートファイナンスや法律、会計、金融市場を熟知している俺たちを頼りなよ、そういうことです。

あやふやな方はこちらの記事をお読みください。

www.highclass-jobchange.com

投資銀行部門は大きく「カバレッジ」と「プロダクト」のチームに分かれる

投資銀行部門は、大別してカバレッジと呼ばれるグループとプロダクトと呼ばれるグループに分かれます。人数比は7:3くらいで、カバレッジの方が多いです。

カバレッジ

カバレッジバンカーとは、業界ごとに顧客を担当するバンカーのことです。企業の窓口となるバンカーのことです。クライアントに日参して様々な案件を提案し、ディールを獲ってくるのはこの人たちです。要するに「営業」と思っていただいて差し支えありません。

カバレッジバンカーは形のある商品を売るのではなく、形のないアイデアを売り込むので自分以外の能力を頼ることができません。バンカーは分析力・提案力・実行力を極限まで研ぎ澄まし、世界中の最高レベルの頭脳がひしめくこの業界で、自分の能力のみを武器としてシノギを削っているのです。これが「最強の営業職」と呼ばれる所以です。

カバレッジグループは業界ごとに分かれていると言いましたが、例えば

  • TMT:通信業界・メディア業界等を担当(テレコム・メディア・テクノロジー・グループ)
  • FIG:金融業界を担当(フィナンシャル・インダストリー・グループ)
  • GIG:一般消費財や重厚長大の製造業を担当(ジェネラル・インダストリー・グループ)
  • PBI:公共セクターを担当

などがあります。

カバレッジバンカーは提案活動がメインと言っても過言ではありません。市況が悪かったり提案力が弱いと案件化まではなかなか辿り着けません。提案して提案して提案して提案して、運が良ければディールになる。そんな状態ですので1年間提案活動しかしなかった、案件の経験を積めなかった、なんていうことは珍しくありません。

ちなみに提案資料のことを「ピッチ」、ピッチを持って営業しにいくことを「ピッチする」と言いますので覚えておきましょう。

プロダクト

プロダクトグループは、カバレッジバンカーが獲ってきたディールについて具体的に商品設計・実行する部隊になります。

買収スキームを構築(現金取得なのか株式交換なのか、など)したり、相手との交渉から書類の作成まで行います。この辺りはもちろんカバレッジバンカーもガッツリ入りますが、過去案件の事例や実行可能性などを豊富に持っているのはプロダクトバンカーなので、両者がうまく協業しながら案件を進めていきます。

プロダクトグループとしては、エクイティファイナンス(株式での資金調達)を扱うECM(Equity Capital Market)、デット(債券での資金調達)を扱うDCM(Debt Capital Market)、買収・合併を扱うM&Aに分かれます。前者のECMとDCMを合わせて資本市場部とも言います。

また、各プロダクトグループはカバレッジと違い、業界ごとに区分されてはいません。どちらかというと案件サイズであったり、日本企業同士の買収なのかクロスボーダー案件なのかといった分け方がされているケースが多いです。

ポジション毎の役割

投資銀行部門では大別してバンカーは2種類に分けられます。収益責任を負うシニアバンカー(ヴァイスプレシデント以上)と、収益責任を負わずにアウトプットで評価されるジュニアバンカー(アソシエイト、アナリスト)です。

オフィサー(=シニアバンカー)

シニアバンカーは案件を獲得してくることが期待されており、人事評価上もいくら会社に利益をもたらしたかで報酬が決まります。インセンティブ部分がメインとなっており、だからこそ徹底的にジュニアを働かせて資料を作らせて、クライアントに提案をしまくるのです。

ジュニアバンカー

ジュニアバンカーは案件獲得のための提案資料の作成を担当し、ディールが取れたらそのエクセキューション(=案件執行)をオフィサーと共に行います。

エグゼキューションフェーズでの役割分担は、シニアバンカーが交渉事や全体のプロジェクト管理を担当し、ジュニアバンカーがその指示に基づいて実際の作業や執務を行います。

現場の仕事の8割は資料作成の時間

ここからは実際のバンカーの仕事現場を解説していきます。カバレッジバンカーの8割はクライアントへの提案活動ですので、その部分にクローズアップしました。

まずは提案の骨子を決める

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何はともあれ、まずはどの企業にどういった提案をするかを決めます。めちゃくちゃたくさんあるのですが、例えば下記のようなものです。

  • 資本構成のリバランスに関するディスカッション
  • 既存の資金調達分のリファイナンス
  • M&Aの提案
  • 競合各社の決算総まとめ

例えばこの中で「M&Aの提案」と一言で言っても、どの程度検討が進んでいるかによって当然提案する内容も変わってきます。まったくアイデアがなくてちょっとでも可能性のある買収候補企業を洗い出して欲しいというステージか、だいぶ検討が進んでいて数社に絞れているのでどうアプローチしましょうかというステージなのか、などなど。

したがって、その企業の状況に合わせて完全オーダーメイドの提案資料を作ることになりますので、この段階で大枠の方針をすり合わせます。基本的にはオフィサーが方向性を決めますので、提案の方針や注意する点、分析の切り口、スケジュール感などをジュニアと共有・ディスカッションするイメージです。

ピッチ(=営業資料)を作る

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提案の骨子が決まったところで、実際に作成フェーズに入ります。作成は基本的にジュニアが行い、オフィサーは最終的なクオリティをチェックするという役割分担です。

また、ジュニアの間でもアソシエイトが資料作成の実務上のリーダーになります。アソシエイトが、誰がどのスライドを担当するかを決め、進捗管理や相談窓口になります。

営業資料のことを投資銀行ではピッチブック、もしくはピッチと呼び、高級紙に高いインク、1up印刷、さらにはプラスチック製の表紙が付いて、章ごとにタブまで挿入される徹底振り。とっても豪奢に作成されます。

あまりに豪華なので、体言止めで短いフレーズを書くだけで、さも深い深いインプリメンテーションがあるように感じさせられるのです!(効果のほどは分かりませんが、バンカーは皆そう思っています)

ちなみに製本作業はバンカーはしません。製本のためだけの部隊が社内にお抱えでいて、パワポのデータを送りさえすれば24時間体制で対応してくれます。

このように外面を大層気にしていますが、なんと中身にはそれ以上のこだわりが偏執的に詰め込まれています。オフィサーのエゴの塊と言っても過言ではありません。

  • フォントサイズを0.5ポイント単位で指示
  • 図表や自社ロゴなどは1ピクセル単位で位置を指示
  • ワーディングは3回でも5回でも、納得いくまで徹底的に書き直させる
  • 何をツッコまれても良いように6ポイントの極小サイズで注釈をたくさん書かせる
  • 信頼できるソースかどうか、情報の出所を徹底的に調べさせる

などなど枚挙に暇がありません。こんなことをアポの出発10秒前までやっています。軽い提案だから早く完成するなんていうことはなく、どんな資料作成でも時間いっぱいまで推敲している(させられている)という状態です。

時間ギリギリにオフィサーのOKが出て(もっと磨きたいがしぶしぶOKする感じ)ようやく製本に回します。オフィサーはアポに向かうために先にエントランス前でタクシーを止めて待っていて、冷や汗を流しながら製本部に「急いでください」と伝えます。製本が完了したらガーーーーーーっと確認して、問題なければピッチの束を抱えてエントランスにダッシュ。オフィサーに渡して完了です。

しかしまだ終わりません。アポイント直前までオフィサーは資料をチェックしていて、気になった箇所や数字の整合性の確認を容赦なく入れてきますので、それに即レスしなければならないのです。アポの時間になったらジュニアバンカーはようやく一息です。

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ピッチし(=営業)に行く

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ジュニアが作った資料を持って、オフィサーは担当企業へプレゼンをしに行きます。プレゼンにはアソシエイトも同行することが多いです。資料を作る上での細かい数字や注釈を完全に把握しているのはアソシエイトですので、クライアントからの問い合わせに瞬時に対応するためです。ここで即答できるかどうかで信頼度が変わってきますので、メインスピーカーではないからといって一瞬たりとも気を抜けません。

さて、ピッチの現場というのは、ジュニアにとってとても勉強になる実戦教育の現場です。将来ジュニアからオフィサーになったとき、どのようにプレゼンをすれば良いかはこの瞬間にしか学べないのです。案件をたくさんとる優秀なオフィサーとそうではないオフィサーではやはり巧拙が出てきますので違いは何なのか、どうすれば近づけるのかを盗むチャンスとしなければなりません。

優秀なオフィサーのプレゼンは、出会いがしらの挨拶 → アイスブレイク → 本題への入り方→話の展開→提案までが滑らかでよどみなく、疑問を抱かせず、スッと頭に入ってくるものです。言葉のチョイスや表情、間の取り方、姿勢、適度な会話のキャッチボールなど、いちいち非常に洗練されているのです。

ディールが獲れたらプロダクトチームと協業する

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無事案件が取れたら、実際に形にすべく専門部署と協同して進めていくことになります。ファイナンス関連ならECMもしくはDCMを、M&A関連ならM&Aチームをアサインしてプロジェクトチームを編成します。

基本的には引き続きカバレッジバンカーが窓口となり、クライアントの要望やto do管理、交渉などを担当し、どういった経済条件で株や債権を設計するかや、どういうスキームでM&Aを行うのがベストかといった部分をプロダクトチーム主導で検討します。

案件が始まればカバレッジから、プロダクトから、クライアントから、閑々諤々のディスカッションがメールで飛んでくるためテンヤワンヤになります。トイレに行っている間であろうと自宅で深夜に寝床に付いたときであろうと、時間と場所に関係なく社用携帯が鳴り続きます。案件中は食事や睡眠が満足にとれなくなる期間が数ヶ月続きますので、どこからともなく殺意が湧くほどの極限状態になるのですが、それを乗り越えて案件が成功したときの達成感たるや、そうそう体験できるものではありません。

おわりに

投資銀行部門(IBD)の普段の仕事を説明してみましたが、いかがだったでしょうか?

程度は極端だけど案外やっていることは普通なことなんだな、ということがお分かりいただけたと思います。そうなんです、どこでもやっているような提案などを極端に多く・速くやっているだけなんです。少しでも親近感を持ってもらえてば幸いです。

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この記事は2017年3月20日に公開され、2017年4月19日に内容が更新されました。

数ある投資銀行のなかでも、特に大きな投資銀行を「巨大投資銀行」と書いて「バルジブラケット」と呼びます。そんなバルジブラケットの一角であるメリルリンチをご存知でしょうか?

米国の「庶民の証券会社」として発達してきたメリルリンチですが、今日の投資銀行業界ではゴールドマン・サックスと並んでグローバルトップティアの規模を誇っています。また、メリルリンチ擁するバンカメ(=バンク・オブ・アメリカ)グループは米国最大の総合金融グループですので、グローバルの知名度も抜群です。

投資銀行は、一流大学の中でもとりわけ一流の学生を採用し、優秀な頭脳に対して若い体力でレバレッジをかけて、文字通り「生命をお金に換える」ビジネスです。老舗投資銀行のメリルリンチも、世界の金融の中心米国で、古くから活躍してきました。社員には最高の給料と最大級の名誉、そして矜持が与えられます。

この記事では、そんなメリルリンチについてまとめてみました。

その他のバルジブラケットについてはこちらの記事をご参照ください。

ゴールドマンサックス
モルガンスタンレー
JPモルガン
野村證券(投資銀行部)

メリルリンチはグローバルトップティアの投資銀行

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「メリル」の愛称で呼ばれるメリルリンチは、1914年にチャールズ・E・メリルによって設立され、ウォール街で営業を始めました。

世界38カ国に進出し、顧客から運用を委託された預り資産の総合計は1兆8,000億ドルに上っています。企業や個人投資家だけでなく、機関投資家や政府にまでアドバイザリー・サービスを提供する世界的な投資銀行です。

メリルリンチの年収

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メリルリンチはゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどと並んで業界トップティアに名を連ねます。当然年収も一級で、メリルリンチの新卒年収は750万円、3年

目には年収1,000万円を越えることになります。

大変高給ですが、年俸制ですので残業代は出ませんし、家賃補助や福利厚生にも期待できない点には留意が必要です(外資系投資銀行はどこも同じですが)。

余談ですが、野村証券など一部の日経投資銀行では「なんちゃって外資系」が導入されてしばらく経ちました。当初、新卒年収650万円という型破りな雇用体系は業界で衝撃を以って受け止められましたが、近年ではそれも市民権を得ています。

しかし、なんちゃって外資系の経済条件を具(つぶさ)に見てみると、日系証券でその他多数を占める総合職への配慮が抜けきれず、ちぐはぐしたものとなっているのは事実です。実際、給与体系の日系回帰が始まっており、外資系水準で雇用されるポジションも年々縮小しています。今後日系投資銀行がどこまでなんちゃって外資水準を維持できるかは完全に不透明といえます。

何が言いたいかって?

外 資 系 は や っ ぱ り 本 物 が 良 い よ ね

ということです。

メリルリンチの合コン事情

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メリルリンチは外資系投資銀行のトップティアですから、もちろん合コンでは引っ張りだこです。理知的、若くて高給、仕事ができる、肉食系というイメージが女性にウケる理由です。

メリルリンチのある東京駅界隈にはモルガン・スタンレーやJPモルガン、シティバンクなどが入居しており、外銀狙い合コン女子にとっての生け簀(?)となっています。

メリルリンチがある日本橋は、江戸時代に両替商や呉服商などさまざまな店が大通りに軒を連ねていたことを起源として、日本の経済の中心として成長してきた街です。伝統だけではなく、日本橋COREDOを代表として落ち着いた雰囲気の大人の街としても人気なことから、「伝統」 × 「一流企業が集まるオフィス街」 × 「オシャレ街」ですので、まさに合コンの開催地としてふさわしいエリアといえるでしょう。

メリルリンチへの転職事情

グローバル、そして日本で存在感のあるメリルリンチですが、メリルに転職するチャンスはあるのでしょうか?

答えは「もちろん」です。外資系ですので人材の流動性は大きく、中途採用のニーズは通年であります。常に新陳代謝を繰り返しながら、若返り・多様化・人財の強靱化を図って成長していくのが外資系投資銀行です。

ただし、一方で昨今の外資系投資銀行業界には逆風が吹いており、日本は戦略的エリアとなっていないことが通常です。つまりリーマンショックのような事態に陥った場合には真っ先に撤退の俎上に乗るのが東京ブランチです。ここ数年の投資銀行における採用は微減しており、業界全体でもバンカーの数が減少しています。そしてその傾向は外資系で顕著に見られます。

実際メリルは日本橋Coredoを3フロアに渡って占拠しておりましたが、2016年に1フロアを減らすなど、厳しい環境に置かれていることも事実です。

www.highclass-jobchange.com

メリルの母体、バンク・オブ・アメリカは世界最大の総合金融

メリルリンチは2008年のサブプライムショックにおいて巨額の赤字を出し、事実上の経営破綻に追い込まれました。そのため、翌年の2009年1月に米大手銀行のバンカメ(=バンク・オブ・アメリカ)に総額500億ドルで買収されることになります。現在ではウェルスマネジメント部門は引き続きバンク・オブ・アメリカとして、投資銀行部門はバンクオブアメリカ・メリルリンチの名で営業しています。

買収したバンカメは世界最大の金融機関の一つであり、個人、中小企業および大企業を顧客として、銀行業務、投資業務、資産運用業務など幅広い金融サービスを提供しています。40カ国以上で顧客事業を展開しており、米国だけでも約5,100万の個人や小規模企業の顧客と取引を行っています。

日本におけるメリルリンチ

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メリルリンチ日本証券の役割は、バンクオブアメリカ・メリルリンチの日本における法人顧客事業の拠点として、企業や金融機関、政府機関に向けて①投資銀行業務②資本市場業務③株式・債券のトレーディング業務など、幅広いアドバイザリー・サービスを提供することです。

メリルリンチ日本証券のグループ内での位置付け

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図をご覧いただければお分かりになるとおり、日本のメリルリンチは本国のバンカメから見て曽孫(ひまご)会社ということになります。

日本での沿革

メリルリンチの日本進出は早く、1964年にメリルリンチのスイス法人が東京に駐在員事務所を設置したことが始まりです。8年後の1972年にはメリルリンチ証券東京支店が開設され、外国証券として最初に証券免許を取得しました。その後、東京証券取引所の正会員権を取得し、株式の直接売買に参入。1986年には米国本国の持株会社「メリルリンチ・アンド・カンパニー」が東証外国部に上場し、知名度アップを図ります。

メリルリンチにとって大きな転機となったのは、1997年に起こった山一證券の経営破綻です。当時四大証券の一角を占めていた山一證券が巨額の簿外債務を抱えて自主廃業しました。その受け皿になったのがメリルリンチで、山一證券の営業基盤を引き継ぐ形で日本でリテール取引に本格進出しました。買収当初は山一證券の営業マンを大量採用したことでも話題となり、その数は山一證券の支店網の大半、およそ2,000人にも上りました。

1998年に「メリルリンチ日本証券」を設立して証券免許を取得、リテール分野での勢力拡大を目指しました。その後、富裕層との取引へと重心をシフトしていきます。そんな順風満帆なさなか、2002年には金融庁から空売り規制への違反を理由に行政処分を受け、思わぬ足踏みをするハメになりました。

三菱UFJグループと提携、JVを設立

2006年5月には再び大きな転機を迎えます。日本最大の大手金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループと提携し、共同出資で「三菱UFJメリルリンチPB証券」を設立しました。三菱UFJの大きなブランドを活かし、個人の富裕層と中堅企業との取引を獲得していくことが狙いです。

メリルリンチはリテール部門を分割し、三菱UFJメリルリンチPB証券に営業譲渡をしました。これによりメリルリンチはリテールと訣別(けつべつ)し、投資銀行業務に専念することができるようになりました。以降はホールセール専業の証券会社となっています。

なお、その後の2012年末、三菱UFJメリルリンチPB証券の全株式を三菱UFJグループに売却し、メリルリンチは日本国内のリテール部門から撤退しています。

調査部門の評価はトップクラス

インスティテューショナル・インベスター誌による日本の調査部門ランキングでは、メリルリンチの調査部門は常に1、2位を獲得しています。

また、アセット誌による日本のベストディールとして、2012年の日本航空による6,630億円の規模の新規株式公開が、そして2013年にはソフトバンクによるスプリント・ネクスト買収(買収金額:216億ドル)が、メリルリンチのアドバイザリー案件として選出されています。

メリルリンチの過去の受賞歴はこちら(公式HP)

【番外】ブラックロックと経営統合、資産運用の分野でもトップティアに

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2006年にメリルリンチは世界最大級の資産運用会社であるブラックロックとの経営統合を果たしました(メリルリンチの出資比率は49.8%)。ブラックロックは当時から米国最大の株式公開投資運用会社の1つとして知られており、現在でも世界トップクラスの資産運用会社としてのブランドを獲得しています。

統合当時のメリルリンチの資産運用額は5,440億ドル、ブラックロックは4,527億ドルでしたので、PMI(買収後の統合)で1兆ドルを超える世界最大規模の資産運用会社となりました。

ブラックロック統合の狙い

メリルリンチにとって資産運用ビジネスの拡大は大きな戦略課題でした。ブラックロックと合併することにより、メリルリンチの資産運用部門を世界有数の資産運用機関のひとつに押し上げることが狙いでした。統合によりメリルリンチの資産運用額は2倍になり、大きくプレゼンスを拡大することに成功しています。

また、シナジーは資産運用額だけではありません。メリルリンチの米国における最大規模のリテール販売体制と欧州・アジアにおける知名度の高さは、世界的なホールセールの顧客基盤をもつブラックロックにとって垂涎のアセットでした。

メリルリンチがバンカメに買収されてからは支配権がバンカメに移り、現在ではブラックロックの資本の3割超をバンカメが保有するようになっています。

最後に

メリルリンチの解説記事、いかがだったでしょうか。

世界最大級の金融グループに属するトップティアの投資銀行ということで、今後も揺るがないブランド力を堅持していくことでしょう。グローバルでは世界有数の資産運用力をアピールしており、今後の動向に目が話せません。

このように、今や外資系投資銀行への就職・転職ならメリルリンチは外せない存在となっています。就職・転職をお考えなら是非アプライされることをお薦めします。

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【再掲】その他の投資銀行について興味のある方はこちらの記事もどうぞ。

ゴールドマンサックスモルガンスタンレーメリルリンチ野村證券(投資銀行部)

世界の投資銀行ランキング|やはり世界最強はゴールドマン(人気就職ランキング)

この記事は2017年3月18日に公開され、2017年4月15日に内容が更新されました。

投資銀行って儲かるらしい。東大の中でも特に優秀な学生だけが採用されるらしい。一般企業との採用スケジュールとも被らないし、試しに受けてみようかな。

そう考える学生さんが毎年説明会に殺到します。しかし投資銀行に就職したいと思ってみても、ファームが多くてどこが良いのかよくわからないという学生さんは多いのではないでしょうか。「ごーるどまんさっくすってすごく給料いいんでしょ?」くらいは知ってるけど、じゃぁ頑張れば手の届く会社なのか、現実的な選択肢なのか判断するための初期的な情報が欲しいところですよね。

そんなときにはランキングをパッとみてみることが大変有用です!調査機関の発表するものや、先達が毎年更新を重ねて築いてきたランキングですので、一定の参考にはなろうかと思います。

本記事を、就職活動を始めたタイミングで初期的な判断基準としてご参照いただけると幸甚です。また学生でなくとも投資銀行に転職を考えている社会人にとっても役立てば良いなと思っています。

【ランキングその1】投資銀行の通知簿、リーグテーブル

まずは投資銀行の通知簿とも言うべき「リーグテーブル」のランキングをご紹介します。

リーグテーブルとは、International Financial Review(IFR)誌が取り扱っている、投資銀行の引受実績のランキング表のことです。リーグテーブルでは案件総額ベース、案件数ベース、地域別、プロダクト別、業界別などなど、様々な切り口で一定の算出基準に基づいて主幹事証券をカウントし、ランク付けをしています。

各投資銀行では発表の時期になるとそわそわし出し、バンカーはこのランキングに一喜一憂することになります。クライアントに対していかに自分のファームに競争力があるか、提案力があるかを誇示すべくこのリーグテーブルを使うことが常套手段となっています。少しでも見栄えが良くなるように期間を限定したり、屁理屈をつけて競合の案件を除外したりして、あの手この手を使って自社が上位に表示されるように加工します笑

それほど影響力をもつリーグテーブルですので、ファームを比べるものさしとしても十分に有用なものといえます。

リーグテーブル【グローバル】

では早速グローバルから。(2016年、案件総額ベース、完了案件のみ)

  1. Goldman Sachs(1,162,672百万ドル)
  2. Morgan Stanley(994,566百万ドル)
  3. J.P. Morgan(829,279百万ドル)
  4. Bank of America Merrill Lynch(812,815百万ドル)
  5. Barclays(635,974百万ドル)
  6. Citi(586,969百万ドル)
  7. Lazard(585,047百万ドル)
  8. Credit Suisse(523,301百万ドル)
  9. Deutsche Bank(505,852百万ドル)
  10. Centerview Partners(420,047百万ドル)

世界ランキングでは2015年に続きゴールドマンが首位、モルスタとJPモルガンは順位が入れ替わり、メリルリンチは4位を維持という結果でした。上位は順位の入り繰りが若干あるものの顔触れに変化なく、バルジブラケットが独占しています。

リーグテーブル【日本】

国内はどうでしょうか。(2016年、案件総額ベース、完了案件のみ)

  1. 三菱UFJモルガン・スタンレー(=モルガン・スタンレ:87,749億円)
  2. ゴールドマン・サックス(58,874億円)
  3. 野村證券(51,960億円)
  4. みずほ(49,927億円)
  5. ラザード(44,526億円)
  6. 三井住友FG(43,919億円)
  7. シティ(38,406億円)
  8. UBS(34,864億円)
  9. ロスチャイルド(34,385億円)
  10. レイングループ(32,424億円)

国内のリーグテーブルでは日系が上位にランクインしています。とはいえ、三菱は実質モルスタなので、やはり上位は外資系とみるのが適当でしょう。

日本のガリバー・野村證券は残念ながら首位陥落となり元気がありません。2017年に期待です。

グローバルで絶好調のメリルリンチとJPモルガンですが日本では振るわず、それぞれ12位、13位となり、前年のTOP10入りから一転、圏外という結果になりました。

【ランキングその2】外資系投資銀行の就職人気ランキング(北米)

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次いで、アメリカにおける投資銀行の人気ランキングをご紹介します。

このランキングは、米大手人材斡旋(あっせん)会社のVaultが、「投資銀行の就職人気ランキング ベスト50」というタイトルで毎年発表しているものです。このランキングは米国で活躍するバンカー3,000人を対象にアンケートをとり、それを基に作成されています。アンケートはアナリストからマネジングディレクターまで全方位のプロフェッショナルを対象者としており、下記の項目について調査したものになります。

  • 企業文化
  • 給与
  • 満足度
  • 研修制度
  • 業務時間
  • ダイバーシティ

現職のバンカーによる、働きたいか否かに直結するアンケートなので、グローバルファームについてはこの上なく参考になるランキングのはずです。

ではさっそく発表しましょう。

 

ジャンッ!

  1. ゴールドマン・サックス
  2. モルガン・スタンレー
  3. センタービュー・パートナーズ
  4. エバーコア
  5. JPモルガン
  6. バンク・オブ・アメリカ(=メリルリンチ)
  7. グリーンヒル
  8. ペレラ・ワインバーグ・パートナーズ
  9. モーリス
  10. PJTパートナーズ

という結果でした。

さすがゴールドマンとモルスタは強いですね。JPモルガン、メリルといった1stティアも確実にランクインしています。

4位のエバーコアは日本に未上陸ですが、現在東京オフィス立ち上げに向けて2017年2月に日本社長を採用しています。

9位のモーリスは米ブティック系投資銀行になります。NYSE(=ニューヨーク証券取引所)に上場もしています。日本ではSMBC日興証券と提携しており、クロスボーダーの案件では一緒にオリジネーションやエクセキューションをしています。

また、日本からは野村證券がランクインしていますが、39位とパッとしない順位です。(野村證券については下記に詳しくまとめています)

www.highclass-jobchange.com

2017年までの同ランキング

なお、2013 - 2016年のランキングの推移については下記になります。(前の年に比べて順位が上がったものは青字、下がったものは赤字、同順なら黒字)

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注目すべきはやはりゴールドマン・サックスでしょう。ランキングが開始されてからの2013~2017年にわたって、最も順位が高かったのは毎年常にTOP3を堅持したゴールドマン・サックスということになりました。

首位を独走するかと思われたBlackstoneですが、直近2017年のランキングではなぜか圏外、、、(何があったのでしょう??)

【ランキングその3】学生の就職人気ランキング

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学生の人気ランキングは美人投票。信用できるのか?

よく「学生のランキングなんて実情を知らない人気投票に過ぎない。全く意味がない」という意見がありますし、否定はしません。

しかし、今やTwitterやFacebookなどのSNSが当たり前になり、情報量とその速度が一昔前にはありえないほど進んできました。学生といえど現場の社員のつぶやきを生でリアルタイムに知ることができますし、ブログや会社の公式ホームページによる学生への情報発信も充実しています。

したがって、学生の人気ランキングといえでも全く参考にならないとは言い難く、そこそこの信憑性を信じて良いと思っています。

学生の人気ランキングを発表(その前に)

上記とやや矛盾しますが、さっそくディスクレイマーを貼らせてください。笑

これからお見せするランキングはあくまで、まさにこれからビジネスの世界に飛び込もうとしているヒヨっこたる学生から見たランキングですので、必ずしも実勢を反映したものではありません。

例えば外銀をパッと見ただけでも、モルスタがあるのにJPモルガンがないじゃないかとか、日系投資銀行は野村しか載ってないとか、突っ込みたいところはいくつもあります。

これを以ってどの企業が偉いとか、ダメとか言いたいわけではなく、今この瞬間に学生に美人投票をしたらこうなりました、という一例に過ぎないことを予めご了承ください。

もう一度言います。

学 生 か ら 見 た ラ ン キ ン グ で す か ら ね !

大切なことなので二度言いました。

ではランキングどうぞ。(赤字投資銀行)

 

ジャンッ!

2017卒向け文系(総合職)就職偏差値ランキング最新版

[74] マッキンゼーアンドカンパニー ゴールドマンサックス
[73] ボストンコンサルティング モルガンスタンレー
[72] ベインアンドカンパニー ドイツ銀行
[71] ブーズ・アンド・カンパニー A.T.カーニーUBS メリルリンチ
[70] 日本銀行 バークレイズ BNPパリバ クレディスイス RBS ローランド・ベルガー アーサー・D・リトル

=== 国を揺るがすスーパーエリート ===

[69] 国際協力銀行 東京海上日動(SPEC) 三菱総研 アクセンチュア(戦略)
[68] 日本政策投資銀行 フジテレビ 三井不動産 三菱地所 LVMH ドリームインキュベータ
[67] 三菱商事 日テレ 三大出版 日本取引所 HSBC みずほ(GCF) 野村証券(コース別)
[66] 三井物産 日本郵船 NHK TBS テレ朝 電通 三菱東京UFJ銀行(戦財) 日本財団 JICA
[65] 伊藤忠商事 住友商事 JR東海 博報堂 トヨタ 商船三井 テレ東 野村総研(コンサル) デロイトトーマツコンサルティング

=== 学歴不問で大勝(超一流最大手企業) ===

[64] 丸紅 国際石油帝石 共同通信 日経 読売 朝日 準キー JXエネ 任天堂 新日鐵住金 農林中金 コーポレイトディレクション 日本経営システム 日本証券金融 三菱UFJリサーチ&コンサルティング PwC IBM(コンサル)
[63] JR東 小田急 京王 阪急 東急 東ガス 中電 出光シェル ドコモ 東急不動産 ホンダ サントリー 三菱重工 味の素 旭硝子 JFE 信越化学 NTTデータ経営研究所 EYアドバイザリー
[62] 東京海上 東電 JRA 住友不動産 東京建物 日産 キリン 三菱化学 日本総研(コンサル) みずほ総研(コンサル)
[61] JR西 大ガス 関電 中日 毎日 時事 東燃 資生堂 花王 日清製粉 アサヒ 三菱UFJ信託 川崎汽船 富士フィルム 住友化学 大和総研(リサーチ) みずほ情報総研(リサーチ) IBM(IT)
[60] 日本郵便 首都高速 KDDI JT 豊田通商 双日 住友電工 デンソー 日揮 日立 三菱電機

――― 東大京大一橋微勝ち 地底早慶勝ち ―――

引用:2017卒用 文系就職偏差値ランキング | 就職偏差値ランキング委員会

ゴールドマンとモルスタは不動の人気

やはりゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは強いですね。学生に限りませんが、認知度・人気度は圧倒的です。両社は外資系コンサルの最高峰、マッキンゼーやボスコンと並んでいます。ドイチェが学生に人気なのはなぜなんでしょうね。

そのあとUBSやメリルといったセカンドティアがきて、バークレイズやパリバ、クレディスイスといったサードティアがランクインしています。

日経を代表して野村證券もランクインしています。残念ながらその他の日系投資銀行はランクインしていませんが、私が採用を担当していたときの感覚では、各社は野村證券よりも一つ下くらいにランクインするイメージでしょうか。

なお、下記に各社についてまとめた記事がありますので、気になった企業のものは必読です。

最後に

投資銀行の就職人気ランキング、いかがだったでしょうか。ゴールドマンとモルスタの人気の高さが際立つランキングとなりました。またJPモルガンも数年前までは1位に輝く非常にアツい時期がありましたが、現在はTOP5の位置を堅持しています。

異論反論は大いにあるかと思いますが、同時に参考にもなったのではないでしょうか。これを見て投資銀行を諦めるもよし(?)、反骨精神でチャレンジするもよし、限られた席を掴み取れるかどうかはあなた次第です!

新規事業開発部に転職したい!有利なスキルや資格、求人のチェックポイントを解説

この記事は2017年3月16日に公開され、2017年4月15日に内容が更新されました。

新規事業を立ち上げる、ビジネスオーナーになる、なんとロマンに溢れた仕事でしょうか。

事実、新規事業開発には根強い人気があって、新規事業ディレクターのポジションを狙って転職を希望するビジネスマンは大変多いです。

  • 大きい組織では分業体制が構築されていて、3年後の自分を想像して絶望してしまった人
  • ビジネスオーナーに憧れる人
  • 鶏口牛後を地でいく人
  • 対岸の見えない荒れた大海原を、がむしゃらに泳ぎたい人

起業するのはリスクが大きいけれども、大企業のリソースを利用すれば最初から規模拡大を視野にノーリスクでチャレンジすることができます。ノーリスクなのに経験値は莫大に稼げる、とってもおいしい職業なのです。ノーリスクなのに!(大事なことなので二度言いました)

そんな起業家予備軍としての側面もある新規事業ディレクターへの道を紹介したく、記事にまとめてみました。私自身も新規事業の立ち上げに携わった身であり、大小含めて3つの新規事業立ち上げ、うち2つをグロースし、うち1つをエグジットした経験がありますので、多少有意な内容にまとめられたかなと思っています。

新規事業ディレクターに求められるスキルや資格

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新規事業を立ち上げるにあたって、一体なんのスキルが必要となるのでしょうか?

最大のスキルは「事業センス」です。事業センスと一言で言いましたが、より具体的に因数分解すると、

  • ビジネスの勘所が瞬時に判断できる
  • トレンドをいち早く掴んでいる
  • 実行力がある

ということです。

ビジネスの勘所が瞬時に判断できる

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例えば新しいサービスがローンチされ、アーリーアダプター界隈がそのサービスについて話題にし始めたまさにそのときに、あなたはそのビジネスモデルを一通り聞いて瞬時に勘所がわかるでしょうか?

「勘所」というと分かりにくいと思うので具体的に挙げると、なにが成否を分けるポイントなのか、これまでどうして似たサービスが生まれなかったのか、なぜその会社だけがローンチ後も生き残れるのか、さらなるグロースのためのブレイクスルーはなにか、今後留意しておかなくてはならない課題(法的なものや商慣習的なものなど)はなにか、などについて話し始められるなら合格でしょう。

トレンドをいち早く掴んでいる

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新サービスを生み出さんとしている者ですから、当然常に新しいものはチェックできている必要があります。仕事としてやっているというよりは、もはやマニア・オタクの域で情報を漁っているくらいでちょうど良いくらいです。普段のあなたがアーリーマジョリティ以下なら求人サイトをそっと閉じたほうが良さそうです。

記事でウォッチしているのは当たり前、実際に体験して自分の言葉で話せるかが優秀なディレクターかどうかの分水嶺と言えます。デーティングアプリで異性とランチしてみた、アマゾンダッシュを買って試した、PS VRは発売日に購入した、海外に行ったらAirbnbで宿泊している、などなど、実際に体験することでしか分からない・見えてこないことはたくさんあるものです。

実行力がある

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新規事業では課題が山のように積み上がります。ひとつ乗り越えたら脇目も振らず次の課題に取り組まねばなりません。大切なのは突破力、つまり結果に結びつく行動をいち早くガンガン実行できるかどうかです。

ここでいう「実行力」とは、考えるより先に動けとか、そういう次元のレベルの話ではありません(重要ですけども)。たとえばメディア事業を作りたいとなったとき。たくさんの人に見てもらえる記事をつくって広告やアフィリエイトでマネタイズしよう、そんなごくシンプルな事業です。どうやって集客しようか、お金もないしやっぱり検索流入だな。じゃぁ検索結果の上位に表示されるようSEO(検索エンジン最適化)を頑張ろう!あなたはそうした構想を描きました。

では具体的にどのようなSEOで検索流入を増やすのでしょうか?一言でSEOと言ったって、サイト構造の最適化、キーワード選定、記事タイトルの最適化、良質な外部リンクの獲得、ソーシャル戦略、内部リンクの最適化、メタタグの改修などなど、めちゃくちゃたくさん考えるべき施策があるわけですが、果たしてすぐ行動に移れるでしょうか?

ここで単純に「SEOだ!」と言うだけなら簡単なのですが、それ以上身体が動けないようでは外部のコンサルと同じです。具体的アクションには結びつかず結果は出ません。ディレクターにはそういった、サービス開発を具体的アクションに落とし込める知識・経験が必要なのです。私はそれを「実行力」と呼んでいます。

スタートアップ界隈で「アイデア自体に価値は無い」と言われる所以はまさにここになります。あなたがパッと考え付くアイデアは、少なく見積もっても優秀な先達100人がすでに考え尽くしたことです。でも、彼らにはそれを実行できなかった理由があり、あなたならそれを実行できる理由がなければなりません。新規事業ディレクターにはその「実行力」が求められるのです。

その他

事業センス以外はぐっと優先度が下がりますが、もちろん最強のジェネラリストであるディレクターには他にも様々な能力が必要です。事業をひとりで立ち上げるにあたって必要なスキルすべてと言い換えても良いかもしれません。

極論を言えば、構想 → 事業計画作成 → 説明資料の作成 → プレゼン → 資金調達 → サービス・プロダクト作成 → マーケティング → 営業まで、すべて自分でできることが望ましいです。自分でできるが、全部自分でやっていると時間が掛かるので、成長機会を逃さないためにも人に任せられることは任してしまう、というのが理想の状態です。

必須とまでは言いませんが、獲得しているに越したことのないスキルについてあげると下記のようなものになります。

  • ファイナンス(=資金調達)
  • プログラミング
  • コーディング
  • デザイン(UI、UX)
  • マーケティング
  • 営業

新規事業開発部の求人のチェックポイント5選

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求人サイトをのぞいてみると、実に多数の新規事業責任者を求める案件が上がっています。しかし、本当にそのポジションがあなたの希望を叶えてくれるでしょうか?失敗しないでしょうか?それを見極めることは大変重要です。こんなはずじゃなかったと思っても後の祭り、引き返すことは簡単ではありません。

ということで、実際にディレクターのポジションを探したいと思った場合に、絶対にチェックしておきたい項目をまとめてみました。

その1. 新規事業が立ち上がった実績があるか

まずは何はともあれ、その企業・その部署・そのポジションで過去に新規事業が立ち上がったかどうかは最重要項目です。

どの時期に、どの程度の規模の、どの業種の新サービスが立ち上がったかは確認しておきましょう。規模については売上高、チームの人員、予算(3年後に10億円の売上計画とか)、その他KPI(Webサービスなら月間UUなど)が指標になります。

WEBサイトで実績をまず確認をして、その後転職エージェントに確認しましょう。エージェントから企業に照会してもらうのも手です。判断が難しければ、面接で直接面接官に確認しましょう。

その2. 新規事業の戦略上の立ち位置と温度感

次いで、新規事業が全社戦略の中でどういう意味付けをされているのか、そして新規事業に対する経営陣の温度感はどの程度か、も必須確認事項です。

既存事業のライフサイクルが成熟期に入る前に「中期的な視点で」次の収益の柱を作っていきたいのか、「短期間で」中規模のサービス群を作らないといけないような切羽詰まった状況なのか、ベンチャースピリットを維持する程度に研究開発的に組み込まれているに過ぎないのか、などで温度感がずいぶん異なります。当然温度感が高い方が経営陣に真剣味がありますので、立ち上げもスムーズにいきやすい面があります。

また、たくさん立ち上げてどれかひとつでも当たれば良いという方針なのか(例:サイバーエージェント、DeNAなど)、確実なものを練りに練って投入する方針なのかでディレクターにとっての立ち上げ難易度が変わってきます。

その3. 新サービスへの要求水準

実績と温度感を把握したならば、次に確認すべきは新規事業に対するリクワイアメント(=要求水準)です。これも立ち上げ難易度に直に影響するところですので大変重要でス。主なところで以下のものがあります。

  • 事業領域に制限はあるか
  • 既存事業とのシナジーは必須か
  • 達成すべきバジェットはどの程度か

 事業領域については、例えばWebサービスに限定するとか、教育関連に限るとか、何でも良いから有望なの立ち上げて!とか、会社によって本当に様々です。

これに似た点として、新規事業に既存事業とのシナジーを求めるか否か、という点があります。シナジーを求める場合、たとえ事業領域に制限はないと言っていたとしても、その領域が狭まってしまうことは避けられません。

そして最後に、達成すべきバジョットについてです。「3年後に売上10億円のサービスを作れ」というオーダーなのか、「5年かけて良いから若者のインフラになるようなサービスを作れ。収支は問わない」なのかで難易度がずいぶん異なります。達成できなければサービスはどうなるか、ポジションはどうなるかなど、ここは出来るだけ根掘り葉掘り聞いておくべきです。

その4. 新規事業立ち上げのフロー

新規事業の立ち上げにあたって、社内のフローは確認しておくべきです。企画・構想ができただけで立ち上げられるわけではなく、当然ですが社内の承認決議を経なければなりません。予備審査 → 一次審査(=担当役員審査) → 経営会議 → 正式決定といった流れが一般的ですが、会社によって様々です。誰に何度承認を取ることになるのか事前に把握しておきましょう。

この申請のフロー次第で立ち上げ難易度がだいぶ違ってくると思って差し支えありません。当然、承認の少ない方が立ち上げ易く、また尖ったサービスをローンチし易いといえます。

その5. 社内のノウハウ共有

立ち上げに慣れていない会社の場合、貴重な社内ナレッジを共有する場が少ない or 無いという問題点があります。立ち上げが得意な会社は、立ち上げに成功したときのノウハウだけではなく、なぜ失敗したのかについても共有されているので、メンバーにはどんどん知見が溜まっていきます。だから強いのです。

サービスの構想がニッチすぎたのか、先行投資の読みが甘かったのか、タイミングが悪かったのか、失敗した理由を突き止めて再発させないことが肝要です。個人ですべての失敗パターンを経験することは困難ですが、組織的にチャレンジして実験データを蓄積していくことは可能です。その共有の場が用意されているか、誰もが知り得る状態にオープンになっているかは確認しておきたいところです。

最後に

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新規事業ディレクターへの転職についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。

適性を判断できる明確なスキルや資格が無い分、新規事業ディレクターには様々なスキルが必要となってきます。毎日が経験したことがないことばかりで大変です。

また、経営判断を下すポジションというものは常に孤独であるということを胸に刻んでおきましょう。いくらチームとプライベートで仲が良くても、リーダーだけは常に孤独なのです。なぜなら全員の反対を押し切ってでも無情に意思決定しなければならない場面は必ずありますし、葛藤を相談できずに決めなくてはならないことも多いからです。

しかし最初から立派なディレクターなど存在しません。誰しもが最初は未経験です。将来の経営者候補としても、新規事業立ち上げは必ずや良い経験になるでしょう。

あなたも新規事業責任者をめざしてみてはいかがでしょうか?

転職エージェント選びに失敗しない方法!地雷エージェントの見極め方を解説

この記事は2017年3月12日に公開され、2017年4月24日に内容が更新されました。

良い転職エージェントを確保することが転職において肝要だと考えています。

転職エージェントに会わずに判断することは難しいものですが、明らかな地雷エージェントだとスカウトメールからその爆薬の香りがプンプンしているものです。

この記事ではメールの見極め方をご紹介し、地雷エージェントを回避するための処世術を解説したいと思います。

ハイクラス転職サイトに潜む地雷エージェント

転職活動に割ける時間は有限です、1秒でも時間を無駄にしたくありません。業務後にエージェントに1人に会うとそれだけでその日が終わってしまいます。

転職に成功した人は平均で5名のエージェントと会っているという転職サイト調べの情報もあり、つまり5人くらいには会っておきたいわけです。だからこそ、地雷エージェントに割いている時間はないのです。

会わずに地雷を回避する

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では具体的に地雷エージェントを回避する方法、見極め方を解説したいと思います。とはいえ、何も難しいことを説明するわけではありません。

片っ端から会っていると時間がもったいないので、メールの文面で優秀なエージェントか地雷エージェントかを判断しましょう。

主なチェックポイントは下記3点です。

  1. メールの文章はエスタブリッシュ感が出ているか?
  2. あなたのレジュメをきちんと読んでいるか?
  3. 会うことであなたへ提供されるメリットが記載されているか?

エスタブリッシュ感はあるか

まずは文章のエスタブリッシュ感、これは非常に大切です。ハイクラス転職をする上では、エージェントは転職希望者以上にマチュアな人物でなければ安心して任せられません。例えば言葉遣いは洗練されていますか?「なんでも紹介できます!」といった威勢だけの文章ではありませんか?自分の実績を声高にアピールしていませんか?謙虚でいながら、あなたに最適な求人を紹介できるという矜持は見えますか?要チェックです。

あなたに魅かれたエージェントか

人物が推し量れたところで、次にあなたのレジュメをしっかり読み込んだエージェントかどうかを確認しましょう。誰にでも同じ文面を送っているようなエージェントは信頼に値しません。もちろん、完全オーダーメイドの文面を期待するのは現実的ではありませんが、他の誰でもない「あなた」に向けた文章であることは期待したいところです。

あなたのどこに(経歴、スキルセット、学歴など)魅かれてメールを出したのか、あなたにはどのような求人がマッチするか思考した形跡があるか、などは確認したいところです。

あなたへのメリットは示されているか

転職エージェントがあなたに会うことで提供できる最大のメリットとはずばり「求人」です。それが唯一といっていいほど重要で、それ以外は実に瑣末なものです。その求人はメールに示されているでしょうか?

ただ「とにかく一度会ってください。会えば素晴らしい求人を紹介できます」というメールは意外と多いのですが、これでは忙しい時間を割いて会うかどうか、その判断材料にすらなりません。あなたへの奉仕をむちゃくちゃ考えているエージェントなら、このような不躾なメールは送らないはずです。

「うちは最高の商品を作っているんだ!使ってもらえればその良さがわかってもらえるはず」

戦後の日本の製造業はまさにこのような気持ちだったでしょう。一方、その頃のアメリカは「わざわざ使ってもらわなきゃ良さが分からないなんて、二流の経営だよね」という思考でマーケティング理論が研究されていました。

何が言いたいかというと、一流のエージェントなら“思わず使いたくなる”仕掛けをするものだということです。メールの文面も例外ではありません。

ダメな例1:メールの内容がふんわりしている

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ではここから具体例で地雷エージェントの見分け方を見ていきましょう。

ダメな例の典型例は「とにかく会ってほしい」という趣旨のものです。メリットがはっ

きりしない相手とは会いたいと思いませんよね。転職希望者(=あなた)に対するメリットとは、それはもう求人以外にありません。

具体的に紹介可能な求人を提案しないということは、①あなたの職務経歴書をきちんと読み込まずにテンプレメールを一斉送信しているか、②求人は会った後で探せば良いと考えているかのいずれかです。

いずれにしても思考が停止しているエージェントなので、具体的な提案が無い限りあなたは会うべきではないでしょう。

以下具体例です。

●●様


はじめまして。■■の▲▲と申します。

 

この度、貴方様のレジュメを拝見し、××でのご経験に興味を持ちご連絡いたしました。

一度お会いする機会を頂き、転職だけを選択肢に限定せず、良きパートナーとして関係を構築し、貴方様の代理人としてふさわしいかご判断いただく場をいただけますと幸いです。

 

(エージェントの自己紹介 中略)

 

レジュメだけでご本人様のお力の判断を行うことは不可能ではありますが、貴方様がポテンシャルの高い力を持たれていると判断いたしました。

近年では弁護士、医師、ヘッドハンターと良き関係を結ぶことがビジネスマンにとって成長するうえでの大きな要因となっております。

ご興味をお持ちいただけましたら、お返事をいただけますと幸いでございます。

いかがでしょう。会いたいと思う要素が不足しているのは明白ですよね。中略してますが、エージェントの自己紹介が長くてウンザリするのもマイナスです。

「あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ」

細かいところですが、「不可能」という単語をチョイスする辺り絶望的にセンスを感じません。「絶対」「非常に」「大変な」などの単語が入れば入るほど、その文章は現実味から乖離していくものです。ブログならまだしも、ビジネスメールでは避けるべきチョイスの単語です。(私なら「困難」とか「難易度が高い」と表現するかな)

言葉選びは人となりが出るものです。簡潔・慎重、それでいて気遣いのある方を見つけたいところです。

ダメな例2:文章からエスタブリッシュ感が感じられない

f:id:To000my:20170311170217j:plain

さきほど貴方の御経歴を拝見させて頂きました。

創業●●年ですが、TOPマネジメント支援会社として、その実績は素晴らしいものがあり、CEOの実力と人柄の素晴らしさから、ぜひあなたにご紹介したいと思い、すぐにスカウトメールをお出しいたしました。

ぜひ、この会社の事業理念を熟読ください。

あまりの感動で、「後輩を、役員で1名ご紹介し内定がでましたが、病気になってしまい辞退」その変わりに「CEO秘書」を3月1日で採用頂きました。

 

(よく分からない求人紹介 中略)


★最後に一言  ●●CEOは素晴らしい人格者ですよ。仕事ができる方から多くのことを学んでください。

「走馬燈のように、目の前を多くの求人案件が通り過ぎます。」今回はかならず「目を留めてください」

ツッコミどころが多すぎる、、、

とりあえず、このエージェントがいかに対象会社を愛してやまないかが紹介文から滲み出ていますね!

まず、これ私のレジュメを読んでいないことが分かるかと思います。なぜこの案件を「私に」紹介しようと思ったのかが書いておらず、せっかくの情熱が伝わってきません。

加えて、「熟読ください」「仕事ができる方から多くのことを学んでください」「今回は必ず目を留めてください」など、そりゃないでしょうと思ってしまいます。残念ですが押し付けがましいセールスは敬遠しちゃいます。興味ないのに熟読とかしないです、ごめんなさい。

最後に

地雷エージェントの回避術、いかがだったでしょうか?

ここに書いた内容は至って初歩でどなたでも地雷だと分かったかもしれません。しかし何通も見ていれば文面から爆薬の香りを嗅ぎ分けられるようになってきますので、ノウハウは増えていきます。

転職活動ができる時間というものは有限です。無駄なことを省いて効率的な転職エージェント探しができるよう、本稿がその初めの一助となれば幸いです。

財務部に転職したい!未経験OK、有利な資格や年齢制限を徹底解説

この記事は2017年3月11日に公開され、2017年4月15日に内容が更新されました。

投資銀行を含む金融機関やファンド出身者、そして公認会計士など、財務・ファイナンス関連のエキスパートが転職をするときの人気転職先として、事業会社の財務部が筆頭に挙げられます。

財務部が人気な理由は、

  • 財務関連の求人は年収が高いから
  • 専門性の高い分野なので、経験や資格が活かしやすいから
  • 出世コースだったり転職市場で評価が高かったりと、将来性があるから

などがあります。

そんな財務部に転職をお考えの方に向けて、転職成功の秘訣についてまとめてみました。

財務部についてあやふやな方はこちらの記事が必読ですよ!

www.highclass-jobchange.com

優秀な人材は常にウェルカム

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財務部が抱える課題は多岐に渡ります。会社の格付けが低くて金融機関からの調達コストが高い、資本構成がデットに傾き過ぎていてリスクが高まっている、エクイティでの調達をしたいが経験がなくて実行できない、会社内での資金ニーズが正確に把握できていなため突発的に資金ショートするかもしれない、などなど。

これらの問題を解決してくれる、任せられるような人材は貴重であり、それゆえ企業からのニーズが非常に高いです。

ですがその一方で、貴重であるがゆえに求人媒体での募集ではなかなか見つけることが難しいため、事業会社は人材確保に苦慮しています。そのため転職エージェントを頼った一本釣りが主流となっています。転職エージェントに任せることで、その人的ネットワークを使って有望な候補者を集客し、その中から経営課題に合った候補者のみを紹介してもらうことを期待しているのです。

そんな状況ですので、優秀な人材に対しては常に良案件の門戸が開いているのです。

年齢制限はない。30代前半までなら未経験でも大丈夫!

第二新卒〜20代中盤であれば、未経験でもポテンシャルを評価されて採用される可能性は十分にあります。とはいえ、財務部ですので最低限簿記2級程度の知識が必須な点は留意が必要です。

20代後半から30代前半だと、それまでのキャリアを見て判断というケースが増えます。財務部では財務諸表から財務状況や金流を把握・分析する能力が求められますので、例えば公認会計士やMBA取得者、投資銀行、銀行員などは当然ながら重宝されます。つまり、たとえ事業会社での実務が未経験だったとしても、そうしたキャリアのバックグラウンド次第で採用される確率は十分にあります。

30歳代中盤になってくると実務経験が問われ始めます。例えば決算業務や監査法人対応などの経験があるとポジティブな評価をもらいやすいです。また、連結の実務経験があれば巨大企業グループへの転職は有利になるなど、ケースバイケースで出てきます。

財務部で求められるスキル、有利な資格

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財務部や経理部は専門職ですので資格が活かしやすい職種です。財務系の資格は多数ありますが、中でも必須のスキルや有利になる資格について、下記でいくつか挙げたいと思います。

簿記2級

まず財務部で簿記2級は必須です。1ヶ月ほど勉強すれば取れる資格ですので、転職や異動が決まったら事前に取得しておくことが望ましいです。

簿記1級については、2級に比べて取得のハードルが一挙に跳ね上がりますので必須ではありません。簿記1級は公認会計士試験の財務会計と管理会計に準ずる難易度になりますので、取得できたとしたら間違いなく強みになります。

TOEIC

グローバル展開する企業や外資系企業への転職を希望する場合はTOEICを取得しておくと効果的です。海外子会社や海外ブランチの会計管理などは日常的にありますので、常に海外の会計トレンドや法改正などにアンテナを張り巡らせてアップデートする必要があります。

また、近年のIFRS標準化の潮流に鑑みると、会計基準のグローバル化は避けて通れない状況です。一方で会計にも英語にも明るい人材というものは非常に稀有なので、エッジを効かせた人材を目指すならば英語力の向上は非常に有効です。

TOEICで英語レベルを測るのも限界がありますが、目安としてTOEIC800点が及第点、860点が努力目標といった感じです。

USCPA

会計のベースの知識を身につけているということは大きなプラスですし、事業会社においても監査を受ける際に監査担当の会計士の方と会計処理についての議論ができることはメリットです。加えてアメリカで事業を展開している会社なら米国会計基準に精通したUSCPAの資格ホルダーは重宝されます。

なお後述するBATICと比較して、USCPA(=米国公認会計士)の方が難易度が高く、しかも海外からの評価も受けられやすいので、いずれかを受けるならUSCPAの方が有効です。

高い対人能力

財務部は、単にデスクに向かって数字を打ち込んでいるような部署ではありません。金融機関との折衝、株式市場との対話、監査法人との討議などなど、前衛的な部分を多分に含んだ業務になります。そのため、適切なコミュニケーション能力も必要となってきます。

財務部へ転職するにはどうすれば良い?

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ではあなたが財務部へ転職したくなったとして、どうすれば希望通りの転職が叶うのでしょうか?

前述した通り、ハイクラス企業の財務部へ転職する場合は求人を当てに探すのではなく、転職エージェントを経由した方が良いです。

確かに財務部への求人は求人サイトにありますが、大半が中小規模で経理関係が目立ちます。ハイクラス転職を目指すなら転職エージェントが握っている求人を引き寄せる必要があります。

財務部への転職に有利な仕事

基本的には、財務に近い金融関連の仕事だと転職での説得力があり有利といえます。たとえ未経験だとしても、です。

具体的には公認会計士、銀行員、投資銀行、税理士などが当てはまります。これらは財務部との親和性が非常に高く、即戦力としてアピールが可能です。

例えば公認会計士であれば、財務のエキスパートであると言うことはもちろんのこと、決算期の監査法人対応では頼もしい存在と言えます。また銀行出身者であれば金融機関との折衝で重用されるでしょうし、投資銀行であれば最適資本構成の分析や調達手段多様化のプラン策定と実行などが期待されることでしょう。

財務部への転職で人気な職種

ではそのハイクラス転職において、人気の転職先はどこになるのでしょうか?

あらゆる経験が積める商社

巨大企業群を形成する総合商社では財務機能も大所帯となり、辣腕のふるい甲斐がある仕事です。無数の子会社を持ち、かつグローバルにブランチがあるため連結決算も一大プロジェクトです。また会計処理もグローバルに標準化されているためIFRSやUSGAAPに精通できるまたとないチャンスに溢れています。

さらに昨今では伝統的な商流・物流ビジネスから投資ビジネスへと傾倒しており、新規ビジネスへの投資やエネルギー投資などの巨大プロジェクトが活発です。そのため金流が今まで以上に複雑化、巨額化する傾向にありますので、財務部的にはワクワクできるフィールドであることは間違いありません。

その他、財務の観点からの経営支援や、財務諸表の調査・分析、多様な資金調達スキームの実施(メザニンの活用やコマーシャルペーパーの発行など)、債権の証券化、アセットアロケーションのリバランス化などなど、他ではできない貴重な経験を積むことができるので人気の求人となっています。

転職に有利なのは大企業か、スタートアップか

転職先の企業規模によって、あなたの人材価値はどう変わるでしょうか?

これに関しては明確な答えはなく、それぞれにメリット・デメリットがあるといえます。

大企業で見える景色

まず大企業に関しては、企業の安定性がが高い点は魅力です。

また、グローバル企業なら企業会計基準やIFRS(国際財務報告基準)やUSGAAP(米国会計基準)といった高度な会計処理に携われる可能性が高く、希少な人材を志向できる点は魅力です。

一方で、財務だけに限らないのですが、大企業の業務は細分化されており、細切れの経験しか積めない蓋然性が高いというリスクがあります。全体像が見えない組織で長期に従事すると、次第にスキルがガラパゴス化しやすい面があり、その企業でしか通用しないスキルに偏重するというリスクがあります。そうなると、いざ転職したいとなった際に意外と経験が評価されないケースもでてきかねません。キャリア形成を考える上では、なるべく幅広い業務に取り組むことを意識したり、上長に相談することが肝要です。

中小規模・スタートアップで見える景色

中小企業やスタートアップに関しては財務や管理会計、税務など会社全体を見渡しながら幅広い経験が積める点は魅力とされています。

ただし、中小企業やスタートアップの場合にはダイナミックな業務に携われることは期待できません。例えば、単独ではなく連結決算を経験できるとか、上場企業としての開示業務に携われるとかは、もしかしたら難しいかもしれません。

とはいえ、ノウハウの深さではなく広さを求めるならば、財務だけでなく、場合によって労務や税務や法務などの管理部門全体を把握しながら実務経験を積めるというキャリアはそう多くないので、その後のキャリアアップで管理部門を管掌するためにはもってこいのポジションといえます。

転職回数が多いからといって心配する必要はない

あなたがこれまでにキャリアチェンジを3回以上している場合、転職回数が多いと転職に不利に働くのではないかと気になっている人はいるかもしれません。

しかしご安心ください、財務・経理の分野では転職回数が必ずしもネガティブに作用するわけではないからです。

まず、財務や経理の分野だけに限りませんが、自身のキャリア形成を考えて3年くらいの周期でより高いステージを求めて転職することは珍しいことではありません。大事なのは「何をしてきたか」であって「どこでしてきたか」はあまり重要ではないということです。

さらに財務や経理の分野で考えると、例えばIPO(=新規上場)に向けた上場準備業務をしていましたという場合には、少人数で広範なタスクをこなさないといけません。その結果、短期間で驚くような経験値を積めるということもあるので、転職回数で安易に判断するということは採用担当者にはできないのです。IPO準備では付け焼き刃の作業ではなく、上場後も10年の環境変化に耐えうる財務システムや内部統制をゼロから構築しなければならないのです。既にあるものを引きついでブラッシュアップする経験も大切ですが、多少荒くてもフルスクラッチで作るという経験の方がその何倍も価値があるということです。

そういった経験で転職回数が増えてしまっている場合は、きちんと面接で自らフォローすることで問題なく乗り越えられるでしょう。

最後に

財務部への転職について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

将来のCFO候補、そしてボードメンバーへのエリートコースを目指してはいかがでしょうか。