外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への道標

外資系投資銀行への転職・就職に関する記事を書いています。

外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法【3.面接本番編】

この記事は2017年6月19日に公開され、2017年6月25日に内容が更新されました。

外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法についてのエントリー、最後の第3弾はいよいよ面接本番編です。

準備してきたことが100%発揮できるようメンタルを整え、相手の求める人物像を演じることが求められます。

また、特に外資系投資銀行となると英語面接も覚悟しなくてはなりません。

本稿ではそうした面接本番と英語面接についてまとめています。

面接官の求めるコミュニケーション能力とは

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よく聞く「面接ではコミュニケーション能力(=コミュ力)が必要」とはどういうことでしょうか?

多くの人はこの“コミュニケーション力”というフワッとした言葉を曖昧に捉えており、「俺はコミュ力が高い」などという不思議な思い込みをしているケースが見受けられるのは残念なことです。友達が多いとか、飲み会でウェーイとやることでは決してありません。

面接官が求めるコミュニケーション能力とは、

  • 自分の伝えたいことを適切に表現(=言葉や表情、ジェスチャー)する能力
  • 相手の伝えたいことを適切に理解する能力

です。

投資銀行では部署内外での折衝・交渉が日常茶飯事です。自分よりも寝ていないM&Aチームに対して、ストラクチャーを固めてスライドを作ってくれと、今夜も寝ないでくれと、頼まなくてはなりません。なぜ今それが必要なのか、何をして欲しいのか、どこまでなら妥協できるのかを説明して納得してもらう必要があります。社内ならまだしも、カウンターパートのFAとの交渉となると更にシビアです。

このように、どんなに困難な交渉であっても相手の言い分を理解しつつ、それとは異なるこちらの意見をすり合わせることがバンカーには求められます。入社後にその能力が備わっていないことがわかってしまうということがないように、実際には面接で何重にも確認をしているのです。

見られているポイントは①面接官の質問の意図を適切に汲み取れているか、②質問に対する回答になっているか、③話の内容はロジカルか、の3点です。

これらは一朝一夕で身につく能力ではありませんが、そのポイントを見られていると強く意識することで不用意な発言を未然に防ぐことができます。

英語面接対策

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外資を受ける場合、気になるのはやはり英語面接でしょう。

なにも面接が日本語だけとは限らないのが外資系です。外国人バンカーが面接官として入ってくることもありますし、面接官が日本人だったとしても、ネイティブ並みに英語のできる人が突然英語に切り替えて質問してくることもあります。

そんなときに慌てなくて良いように、しっかりと事前に準備しておくことが肝要です。というのも、上記のよくあるテンプレートの質問以外を英語で聞いてくることはないと思ってください。ですので事前に英語版の回答を用意しておけば乗り切ることは可能です。(あなたがネイティブ、もしくは英語が得意であれば、ここで会話が盛り上がるかもしれませんね)

また、書類を通過している時点で他の候補者とスペックは大差ないと信じましょう。あなたが多少英語が苦手でも、他の候補者だってあまり得意でない可能性も大いにあります。少なくともあなたが面接に呼ばれたのは、英語スキルをディスカウントしたとしても、例えば前職での財務の経験であったり、顧客をグリップしていた経験など、別のところに魅力を感じたからに他なりません。英語はこれから猛勉強するとしつつ、本当のアピールポイントをセールスすべきです。

イングリッシュカフェで対策するのがリーズナブルでおすすめ

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英語面接用の対策ですが、近くのイングリッシュカフェがオススメです。

お金があれば大手の英語スクールへ通えば良いのですが、お金と時間がそれを赦さない状況もおありでしょう。

その点、イングリッシュカフェはタイムチャージではなく月額行き放題でリーズナブルな料金プラン(1ヶ月10,000円〜20,000円)のところが多いです。

安さの秘密は①チューターは学生の場合が多いこと、②マンツーマンではなくグループチャットであることが挙げられます。しかしタイミングによっては他のお客がおらず、マンツーマンになることもよくあります。

また、大手英会話スクールは立地の良い都市部が中心ですが、イングリッシュカフェなら地方でもあっちこっちで個人オーナーがやっていたりします。

仕事終わりにそこに毎晩通いつつ、週末にビジネス経験のあるチューターにマンツーマンレッスンを依頼(1hあたり2,000円〜4,000円)するのがオススメです。そこで面接での質問とその回答に対して、英語で添削を受けるのです。

注意したいのは、文書で添削を受けるとどうしても書き言葉になりがちなので、きちんと口頭での面接用であることをチューターに伝え、模擬面接をお願いするようにしましょう。

英語でのビジネス経験がなければ、最初は紙を見てもしどろもどろになると思います。しかし10回話せば大体詰まらずに話せるようになり、20回話せば紙を見なくても言えるようになります。30回も音読すればずいぶん発音やアクセントが良くなり、相手の表情を見ながら抑揚やジェスチャーにも気を使えるようになるでしょう。そこまで準備できれば合格です。

最後に

外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法、最後の面接本番編はいかがだったでしょうか?

外資系投資銀行への転職はなかなか難易度が高いのですが、きっちりと準備をすればあとはぶつかるだけです。最大の敵は面接官ではなく、この程度でいいかなと妥協してしまう自分、やっぱり無理だろうなと諦めそうになる自分、今の状況で満足しようと本音を偽る自分です。

外資系投資銀行への転職を考えているということは相当な成長志向の持ち主であると思料します。こんなことでヘコたれず、「シビれるわーw」なんて言いながら、夢に向かってどんどん挑戦して行きましょう!

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外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法【2.面接準備編】

この記事は2017年6月18日に公開され、2017年6月25日に内容が変更されました。

外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法についてのエントリー、第2弾は面接準備編です。

面接は準備段階で8割成否が決まっていると言っても過言ではありません。

では、その面接に向けて具体的にどのような準備をして本番に臨めば良いのか、その辺りを解説したいと思います。

転職エージェントから情報収集

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「数ある業界の中で、どうして投資銀行を希望するのか?」

「その中でも投資銀行部門を希望するのはなぜか?」

「どうしてゴールドマン・サックスでなくてはならないのか?」

という質問は必ずされますが、例えばゴールドマン・サックスを受けるのであれば、業界におけるゴールドマン・サックスのポジショニングや強み、そして採用状況をしっかりと把握しておく必要があります。 業務内容の理解やプレーヤーの違いなどは活字(書籍やネット記事)だけだとなかなか腹落ちしないものです。

そのために是非、投資銀行業界において転職支援の経験豊富なヘッドハンター(転職エージェント)をうまく活用したいものです。情報収集に加えて、履歴書の添削や模擬面接などもウェルカムなので、たくさん質問してたくさん吸収しましょう。

なお、優秀なエージェントは必要になってから探してすぐ見つかるものではありません。転職をまだ考えていない段階からアプローチを始めて、自分に合うエージェントを探すのが社会人としてのスタンダードになっています。実際、外資系投資銀行では新卒で入社したらまずハイクラス向けの転職サイトに登録するというのは当たり前でした。

外資系御用達のビズリーチについてはこちら

これは、いざという時のために良いエージェントを確保しておくという理由以外にも、良い案件があったらすぐに教えてもらうため、自分の市場価値を定期的に把握するため、という理由もあります。

エージェントの使い方、優秀なエージェントの見つけ方についてはこちらにまとめていますのでご参照ください。

www.highclass-jobchange.com

有能なエージェントを探すなら、ハイクラスなビジネスマンしか登録ができないビズリーチで探すがオススメです。月額課金制ですが、その分優秀なエージェントが加入しています。私も転職の時にお世話になりました。

外資系御用達のビズリーチについてはこちら

タフさとフィットさのアピールが大事

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投資銀行では一人前になるまで、新人一人当たり実に年間数千万円以上の教育コストをかけています。高給ではあるものの未経験だと身につけるスキルが多いため、数年間は会社も辛抱強く教育してくれます。面接官はその多額の投資をするのに見合う人材かを見極めなくてはならず、リスクを負っているのです。

ところが投資銀行はご存知の通り、ブラック企業もケツをまくって逃げるレベルに激務です。ゆえに入社後に「スピード感についていけない」、「嫌気がさしてしまった」、「体調を壊した」、「社風がイメージと違っていた」となってはとても困るのです。

そうしたミスマッチを避けるため、新卒採用も中途採用も、かなり厳しい選考になっています。私が新卒で就職活動をしているときは30分の面接が22回(面接官は毎回違う)、合計11時間分の面接をしました。中途採用では回数はそこまでではありませんが、それでも3〜5回ほどは行います。

なお、中途採用の面接回数が少ないのは、

  1. 転職エージェントが微妙な応募者には応募させなかったり、別の企業を勧めるため
  2. 入社後にセクターを選択する新卒と違って中途採用ではセクター(=担当業界)ごとに募集することから、面接官がセクターバンカーに限られるため

という事情があります。

そうした背景を考えると、自ずと採用プロセスを通して何をアピールすれば良いか見えてきます。

何はともあれ、まずはタフさと業界・企業とのフィット感です!

地頭の良さとか経験などはアピールすべきポイントですが、そのあとです。

面接だけではなく、履歴書においてもここを十分意識して記述しましょう。これまで困難な状況や絶望的な状況でも奮起した経験などがあればどんどんアピールすべきです。

もう一度言いますが、彼らが欲しい人材は、例え理不尽な状況でも根を上げずに笑顔で「Yes, Sir!」と言えるような人、そして最後までしっかり目的を完遂できる人なのです。困難な状況を「シビれる」と思える人材かどうかです。

なお、どれだけ激務かについてはこちらの記事でイメージを固めてください。

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志望動機を整理する

巷ではたくさんの就職・転職向け書籍が出ていますが、志望動機を整理する上で大切な点を抽出すると下記になります。

  1. 将来成し遂げたいことはなにか
  2. それはなぜか(もしくはそのきっかけは何か)
  3. なぜ投資銀行でなくてはならないのか
  4. なぜゴールドマン・サックス(仮)でなくてはならないのか
  5. 入社したら1に向けて何をしていきたいか

志望理由において、地に足のついていないことや小難しい理屈を話すと必ず突っ込まれて、多くの場合そこで撃沈します。タフさとフィットさが最重要なのですから、面接官にとってはこの志望理由が最も大切な判断理由になります。たかだか300文字程度の文章とは考えずに、エージェントにも見てもらいつつ時間をかけて強固なものを作り上げるようにしましょう。

面接で聞かれる質問例

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ここからは実際に面接で聞かれる質問を挙げていきます。基本的に投資銀行ではオーソドックスな質問ばかりです。万が一、オーソドックスではない質問があったとしたら、それはもう交通事故にでも遭ったと諦めて、精一杯アドリブで対処しましょう。

  • なぜ金融業界を希望するのか
  • なぜ弊社を希望するのか
  • 大学では何を勉強してきたのか
  • 前職での仕事内容は何か
  • これまでリーダーシップを発揮した経験は
  • 今までに何か成し遂げた経験はあるか
  • 自分の長所と短所は何か
  • これまでで最も困難だった出来事は何か。また、どうやって乗り越えたか
  • 入社後のキャリアプランについて
  • 最近気になったディールは何か

これらの質問に対して、ロジカルに答えられるようにしておきましょう。間違っても地に足のついていない説明や、矛盾が指摘されるような説明をしてはいけません。

エージェントと模擬面接を何度もやって、スラスラと説明できるように準備しましょう。指の先まで神経を尖らせ、例え緊張していても、仕草や表情をコントロールできるくらいまでの余裕を持てるようになっていれば合格です。

小まとめ

外資系投資銀行の転職面接を突破する具体的な方法の第2弾、面接準備編でしたが、いかがだったでしょうか。

「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」

しっかり分析をして本番に臨むようにしましょう。

次が最後、編になります。

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日本のゴールドマンサックスへ就職するなら知っておきたいこと

この記事は2017年6月12日に公開されました。

投資銀行界の雄、ゴールドマンサックス。

就職戦線では常にその難易度もそのリターンも、他社と比べて抜きんでていることで知られています。

知的体育会系肉食エリートのトップをひた走るゴールドマンについて、就職を希望する人が知っておきたいことをまとめてみました。

忙しいビジネスマンのために、3分でサクっと理解できることを目指した記事になります。

ゴールドマン・サックスの歩み

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まずは創業からこれまでのゴールドマン・サックスの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

ゴールドマン・サックスの歴史は、1869年にドイツ出身のユダヤ人であるマーカス・ゴールドマンがゴールドマン商店を興(おこ)したことが始まりとされています。

マーカス・ゴールドマンはドイツ出身で牛飼いの息子として生を受け、やがて約束手形を扱う小さな商店を開業しました。

ゴールドマンは類稀な商才を受け継いでおり、事業は軌道に乗って着実に拡大をしていきました。娘婿のサム・サックスをファミリーの一員として迎え入れ、ゴールドマン商店を共同経営をするようになります。

その後、息子のヘンリー・ゴールドマンも事業に携わることになり、米国で事業を拡大していきます。

転機が訪れたのは1980年代。

商業銀行業務はプロテスタント系のアングロサクソンが牛耳っていたため、ユダヤ系だったゴールドマン・サックスやモルガンスタンレーなどは商業銀行業務を避け、証券化やリスクヘッジの技術を磨いて投資銀行業務の分野に進出していきました。

その結果、1980年代のM&Aブームに乗って投資銀行全体が急激に成長しました。

日本では、ゴールドマン商店の創業から遅れること約100後の1974年、ようやく東京に駐在員事務所が設立されることになります。

それから40年以上が経った今、ゴールドマン・サックスは名実ともに日本で、そして世界で不動の業界トップの座に君臨しているというわけです。

日本におけるゴールドマン・サックス

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上述の通りゴールドマン・サックスの日本への進出は、業界でも後発の1974年でした(意外)。

それでもバブル崩壊後の日本の規制緩和の潮流に乗って、今日のように日本でも大きな存在感をみせるようになります。

これまでの日本での実績を挙げると、たとえば2004年11月の古牧温泉の事業再生であったり、2005年4月の星野リゾートとの温泉旅行の再生事業、2005年のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイへの出資(2006年には東証マザーズに上場)など、輝かしい実績を多数上げています。

ちなみに、日本においてはGSJH(ゴールドマン・サックス・ジャパン・ホールディングス)を持株会社として、 その傘下に

  1. GSJCL(ゴールドマン・サックス証券)
  2. GSAMC(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)
  3. GSRJL(ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン)

の3つの会社がぶら下がっている構造です。3つの傘下の企業の業務内容はそれぞれ下記の通りです。

【ゴールドマン・サックス証券】

ゴールドマン・サックス日本法人の本丸。投資銀行業務や証券業務、資産運用、株式調査などを行っています。

【ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント】

機関投資家や個人投資家に対して、様々な資産クラスや業界、地域での資産運用・投資助言サービスを提供しています。

【ゴールドマン・サックス・ジャパン・ホールディングス】

ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクの関連会社の委託を受けて行う業務を扱っています。

チームワーク重視の社風

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外資系と聞くと「個人主義なんでしょ?」とか「外国の人ってチームワークがうまくないんじゃないの?」といったことをおっしゃる方がいます。

しかし実態は全く異なり、むしろ外資系の方がチームプレーを重視する傾向にありますし、彼らの方が日本人よりもロールプレイに慣れています。

確かに島国文化の日本人が想像するような飲み会や建前などのウェットなコミュニケーション文化はありませんが、自国が大国から攻め込まれないために隣国との協調が必要だったという背景などから、お互いの利害の上で協調してチームプレーを行うという教育が幼少期から徹底されています。

空気を読む文化とはまた違いますが、自身の権利と義務が明らかな中では日本人よりチームワークに長けていると言えるでしょう。

では外資系の代表格であるゴールドマン・サックスではどうでしょうか?

ゴールドマン・サックスには、14ヶ条からなるクレド(=経営理念)があり、すべての社員はそのクレドに従って意思決定をしています。

クレドは荒波の中でも現在地を見失わずに目的地へ導いてくれる海図のようなもので、大変重要です。

そのクレドのひとつに、

わが社はあらゆる面においてチームワークを重んじる。個人の創造性は常に奨励されるものであるが、最高の結果はしばしばチームワークによってもたらされることを、わが社は経験によって知っている。個人の利益を顧客やわが社の利益よりも優先する者をわが社は必要としない。」

とあり、いかにチームプレーを重要視しているかが読み取れると思います。

最後に

日本のゴールドマンサックスへ就職するなら知っておきたいことを解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

ゴールドマンに歴史や日本での活躍について、ざっくりとご理解いただけたかと思います。

ゴールドマンについてもっと知りたいという方は、下記の記事もご覧ください。

www.highclass-jobchange.com

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モルガンスタンレーJPモルガンメリルリンチ野村證券(投資銀行部)

投資銀行から転職しよう!ツブシを効かせて希望のキャリアを手に入れる

この記事は2017年6月3日に公開されました。

若くて優秀な人材がシノギを削る場所、それが投資銀行。

ヒトが競争優位となる業界ですので、即戦力募集とはいえ人材教育には余念がありません。

そんな投資銀行で磨かれたダイヤたちですが、ずっと投資銀行で更なる高みを目指すかというと、実はそうでもありません。

もちろん一定数はマネージングディレクターを目指しますが、過半数はそれぞれの道を歩むべく、投資銀行を卒業していきます。

かくいう私もその一人でした。

そして、私が転職をするときに強く実感したことは「投資銀行出身というキャリアは想像以上にツブシが効く」ということでした。

そうしたツブシを利用して、つまり自分のキャリアにレバレッジをかけて、バンカーは次のステージへと進んでいくのです。

ということで本稿では、バンカーが転職するとしたらどういうキャリアステップがあるのかについて解説したいと思います。

投資銀行出身という肩書きは潰しが効くって本当?

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これは本当です

そして、これは同業他社やファンドなどの比較的似た業種に転職するときだけではなく、まったくの異業種であったとしても当てはまります。

実際に、私はIT企業へ就職しましたが、応募要項には「投資銀行出身者もしくは戦略系コンサルティング会社出身者は優遇」と書かれていました。

このポジションは直接的に投資銀行での知識・ノウハウが活きるわけではないのですが、まったく新しい業種であったとしても、バンカーにはすぐにキャッチアップができる素養があると認められている証左です。

なお、そのツブシの正体は下記の記事で分析しています。

www.highclass-jobchange.com

最も多いのは同業他社への転職

最も多い転職先が同業の投資銀行です。

特に日系から外資系への転職が多く、高いサラリーを目指してキャリアアップするというわかりやすいケースです。

他にも、培った分析力を活かしてバンカーから株式アナリストになるというケースもよく見られます。

その場合一般的に年収は下がるものの、労働時間が大幅に改善されるのでワークライフバランスの充実という点でも人気のようです。

事業会社へ転職する人も3割くらいいる

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次に多いのが異業種への転職です。転職の3割くらいはこのケースです。

業界は実に様々で、バンカー時代に担当していた業界に転職することが多いです。私も転職前はテクノロジー関連銘柄を担当しており、その後IT業界へ転職しました。

また、事業会社と一言でいっても、求人にはたくさんの職種があがっています。その中でもバンカー向けで多いのが専門性を活かした財務部と経営企画部になります。

財務部への転職

財務部は、

  1. 各事業部の実績管理
  2. 財務諸表の作成
  3. 財務戦略の策定

が主な業務になります。

公認会計士出身者の転職先としても人気である通り、財務・会計の専門家としてバンカーの経験がダイレクトに活かせるということで重用されます。

財務部の解説はこちら(過去記事)が詳しいです。

経営企画部への転職

財務部と同じくらい人気なのが経営企画部です。

経営企画部の主な仕事内容は、

  1. 経営管理
  2. 予算策定
  3. M&Aやアライアンスの企画・実施

などが挙げられます。

①の経営管理とは少しわかりにくいかもしれませんが、年初に立てた事業計画・予算に沿ってきちんとパフォーマンスが出るように、各部と密なコミュニケーションをとりながら人・物・金の調整・統合を行う業務です。

③のM&Aについては、これまで提案する立場だったのが一転し、提案を受ける側になります。対面に座った若手らしきバンカーが徹夜明けの真っ赤な目で意識が飛びそうになっていたとしても、やはり怒る気にはなれませんね。

経営企画部の解説についてはこちら(過去記事)に詳しくまとめています。

起業やベンチャーへ転職することも

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多くはありませんが、起業をするという選択肢もあります。私の同期のうち一人は共同創業者として起業すべく退職し、今は米国で奮闘しています。

投資銀行で扱う業務は、順調に会社が成長して比較的規模が大きくなった後に直面する課題が多いので、すぐに企業やベンチャー経営に活かせるスキルが得られるわけではありません。 しかし金融業界というところは、あらゆる業界のビジネスを深く広く学ぶにはこれ以上なく恵まれた場所です。どんな企業でも財務というものは切っても切れないものだからです。

最後に

投資銀行から転職しよう!ツブシを効かせて希望のキャリアを手に入れる、というエントリーでしたが、いかがだったでしょうか?

投資銀行出身者は人材価値が高く、転職市場で大人気になります。特に若いバンカーは新しいことを吸収する素地があるので、幅広いキャリアステップが考えられます。

一度、転職について思いを巡らせてみてはいかがでしょうか?

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外資系投資銀行で、ド素人の学生がエクセルマスターに育つまで

この記事は2017年5月29日に公開されました。

エクセルワークといえば外資系投資銀行

そんなビジネス書が書棚に増えるにつれ、エクセルワークに長けたバンカーに注目が集まっています。

迅く、力強く、正確に、それでいて流麗な所作でエクセルを操る姿は、まるでピアノ奏者のよう(真顔)。

しかし、そんなバンカーも入社当初からエクセルが扱えたかというと、当然そんなことはありません。

最初はただの大学生あがりで、「エクセルって時間割を作るくらいにしか使ったことないわ」という状態です笑

そんな状態から、厳しい研修やOJTなどで短期間でソルジャーに仕上げられるのです。

そんな方法あるならウチの会社でも導入したい!

そんな声が聞こえそうですが、ごめんなさい。他の企業で再現性があるかというと実はそうでもないのです汗

ですが、いちコラムとして面白いかと思いましたので記事にしてみました。

本稿では、入社直後のズブの素人がいっぱしのエクセルマスターになるまでを紹介します。

入社当初

意外に思われるかもしれませんが、投資銀行では入社してからおよそ2ヶ月間は特にエクセルの研修がありません。

その期間は基本的には投資銀行部でOJTを行いながら、いわゆる社会人としての心構えの研修であったり、BloombergやCapital IQといった良く使うツール・端末の研修、それから投資銀行内の様々なセクションのローテーションに充てられています。

この間はOJTで教わりながらエクセルを扱いますが、なにせド素人相手ですのでメンターの教育コストが甚大です。自分でやったら1分で出来ることを、フィードバックなども含めて1時間以上かけて教えることになります。

そんなわけですので、この期間はエクセルワーク的には大したことが出来ません。

ピアノを弾いているようにしか見えなかった入社時研修時代

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入社から2ヵ月後の5月後半か6月初旬頃になると、いよいよ丸々2営業日を使ったエクセル・パワポ研修があります。講師は元外資バンカーであったり、先輩アソシエイトであったりします。

研修では200ページに及ぶ門外不出のテキストが配られ、それに沿って頭を使ってみっちりと手を動かします。

そのテキストの冒頭の指示で「1. まずはPC本体からマウスを外しましょう」とあり、受講者全員度肝を抜くというあるあるがあります。

研修も終わりに近づくと、これまでの成果を総動員する課題が出てきます。

一般的な棒グラフを作ったら、メモリの向きや最大・最小値の指定、項目の入れ替えといった多数の細かい指示を反映させたり、投資銀行の資料で多用される応用的なグラフ「ウォーターフォール」や「スキャターチャート」、「バブルチャート」などを作成します。

たった2日でもここまで来るとサマになっており、パズルを解くようにグラフを作れるようになります。

研修の最後にはなかなかやっかいな課題、「フットボールチャート」の作成があります。平均的な受講者でおよそ15分くらいかけて指示通りのチャートを作成します。

ところが、答え合わせとして講師が同じものをわずか20秒ほどで作成するのを目の当たりにして、いかにエクセルマスターへの道が険しいかを思い知ったものです。

なお、バンカーのエクセルワークが速いのは基本的に、

  1. 考えるまでも無く頭に設計図があること
  2. ショートカットを多用すること
  3. その打鍵が速い(ポップアップやモーションすら待たずに押している)

ことがその要因です。

速過ぎて何をしているのか理解できず、傍から見ているとまるで高速でピアノを弾いているようにしか見えなかったのがこの時期でした。

悔しい思いをした海外研修

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入社時研修も終わり、いっぱしのバンカー見習いとしてハイハイくらいは出来るようになった新卒は、夏にニューヨークもしくはロンドンの海外研修に行くことになります。

そこでは世界中の同期入社の若者が一堂に会し、5週間にわたって同じ研修を受けます。ニューヨーク、カナダ、上海、香港、オーストラリア、東京などからおよそ200人が集まります。私たちは東京支店として参加しますが、外資系ですので当然周りは外国人ばかりで、日本人は我々10人ほどのみという状況です。

研修ではグループワークがあり、6人ほどでグループを作ります。メンバーは会社が指定します。日本人1人に対して残りは外国人という、英語が得意でないと絶望する状況に放り込まれます。

グループワークでは、課題企業の企業価値を算出して買収するべきか否かというようなことを約2週間にわたってディスカッションします。そしてグループワークの最後に、ニューヨーク本社のバンカー(アソシエイト)にプレゼンをして終了になります。

チームでディスカッションし、方針が決まればエクセルを用いて分析や算出をして、最後はパワポでプレゼン資料を作成しました。その過程で私はあることに気づきました。

それは、彼らはみな、私たち東京支店のメンバーよりもはるかにエクセルワークに習熟していたということです。アメリカのアイビーリーグ(日本でいう旧帝国大学をさらに優秀にした大学群)卒という超優秀な上に、海外支店では採用までに長期のインターンシップが主流のため、OJTが長いのです。

自分が作ったエクセル資料が彼らの手によって見栄えを修正されるというショッキングな思いもしましたが、出来栄えが断然良くなっていることが一層悔しかったものです。

その強烈な体験があったからこそ、東京に戻ってきてからも一切奢ることなく、グローバルで負けないよう研鑽を積もうと誓いました。

海外研修明けのOJT

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海外研修の後半になると、日本の本社から配属先が知らされます。どのセクターに就くことになるのか、海外で知らされるわけです。

OJTで仕事が振られるわけですが、帰国後の初日から山のように仕事を振られます。比較的難易度の低い株価チャートの作成やコンプスの更新を叩き込まれるわけです。

そのエクセルなのですが、いずれも難易度が低いとはいえ、最もよく触れるエクセルなだけに非常に多くのノウハウが詰まっています。エクセルの組み方がある種のオープンソース的なものなので、多くのバンカーが都度バグや非効率な箇所を直して洗練されてきた代物だからです。

逆に言うと、エクセルのプロフェッショナルが組んだファイルなので、ガラス細工のような脆さがあります。素人が適当にいじると壊れる、ということです。

複雑な関数を読み解き、ドライバーを理解し、フォーマットに最大限の注意を払う。その流儀をつかむのに1年はかかると思います。

難易度の低いものでこれですから、難易度の高いもの、たとえば財務モデリングなどは自分で作れるようになるまで2年はかかります。(もちろん会計上の難易度もありますが)

財務モデルが組めるようになったらジュニアバンカーとして一人前と認められ、アソシエイトへの扉に手をかけられるというわけです。

最後に

外資系投資銀行で、ド素人の学生がエクセルマスターに育つまでを時系列で開設しましたが、いかがだったでしょうか?

これは個人の見解ですが、成長には挫折がかかせないと思っています。

その点、外資系投資銀行では毎日のように先人や先輩のエクセルを見てレベルの差を思い知らされることになります。

ただ、徐々に自分が作るエクセルのクオリティが上がっていくのを実感できるのと、そのスピードは投資銀行の外の人から見たらとんでもなく早い成長速度だったと思います。

エクセルワークに終わりはありません。常に進化を求めて、今日も新たなショートカットを覚えましょう。

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この記事は2017年5月27日に公開され、2017年5月29日に内容が更新されました。

ビジネスマンが大好きエクセル。

そのエクセルを、空気を吸うように扱うのが外資系投資銀行の現場です。

外資系投資銀行は激務ゆえに1秒の作業を惜しむ現場ですので、バンカーは実に様々なエクセルハックをして時短を試みています。

その情熱たるや、やや異常、そして軽い狂気すら感じてしまうほどです。

エクセルにとことんこだわってしまった結果、エクセルハッカーがどうなってしまうのか。

本稿では、そんなエクセルを極めた人間について記事にしました。

初めて聞くと「えぇ!?変っ!」と感じるかもしれませんが、バンカーは至ってマジメ。投資銀行の職業病といっても過言ではありません。

エクセルを極めすぎたバンカーのちょっと変なところ、ご紹介します。

1. マウスは意地でも使わない

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これはバンカーでなくても一般に知られ出している事実でしょうか。

投資銀行では、入社時研修でマウスの使用を禁止されたせいで、マウスを触ることはバンカーとして負けだとDNAレベルで刻まれています。私の中ではそれは今でも変わりません。

最初の1ヶ月は特に大変でした。なぜならば「絶対マウスの方が速いだろ」という強い猜疑心と戦わねばならなかったからです。しかし、それは大きな間違いでした。そこを乗り越えられて初めてエクセルマスターへの道が開かれるのだと、今ならはっきりとわかります。

2. いらないキーは取り外す

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エクセル・パワポを操っていて最も多いタイムロスは、実はキーの押し間違いです。ショートカットを覚えていないとか、タイピングが遅いとか、マウスを使ってしまうとか、タイポに比べれば些末な話と言えるほどです。

タイポはエクセルワークを阻害する最大の原因です。だからこそ素早いエクセルワークを目指すなら、真っ先に潰さないといけないものです。

例えば、F1を押してしまうとヘルプが立ち上がってしまうのですが、そのポップアップを消すためにAlt + F4を押さなければなりません。だから、いっそのことF1のキーを外してしまうのです。F1は無かったところで特に困ることもないので問題ありません。

他にもNum Lockは誤操作の可能性が特に高いです。Num Lockを押すとナンバーキーが押せなくなるためもう一度Num Lockを押す手間が発生してしまいます。Num Lockが必要になるケースもないため、取り外してしまいます。

と、このような理由から私は計11個のキーを外しています。その結果、バンカーのキーボードは穴だらけになるため、初めてそれを見た人にはいつも驚かれます。苦笑いしながら「壊したんじゃないですよ」と説明せねばなりません笑

3. 大量のショートカットは体が覚えている

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マウスを使わない分、覚えているショートカットの数は年々増えていきます。しかし頭で覚えて使っているかというとそんなことはなく、体で覚えてしまっているというのが正直なところです。

したがって、人に教える時にいつも困ってしまいます。部下や後輩にショートカットを教える時には指を動かして言語化するという具合です。

4. エクセルシートの背景色がグレー

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こちらはあまり知られておりませんが、バンカーのエクセルの背景は白ではなくやや薄めのグレーになります。初めて見た人はギョッとするのですが、これも爆速を支えるTIPS(コツ)です。

※以下の説明は中級者向けです。分かる人だけついてきてください。読み飛ばしても大丈夫!

例えばバリュエーションや事業計画などをエクセルで作成する際、vlookup関数やhlookup関数などをよく使います。関数の引数として行番号や列番号を入れる必要があるのですが、その引数を外出しして別セルを参照する形で組むのが常套手段です。その場合に、デフォルトの設定のまま文字色が黒色だと、印刷したときにこの行番号(あるいは列番号)も印刷されてしまいます。なので、文字色を白色にして印刷に写らないようにします。

ただ、それだけだと背景色の白と同化してエクセル上で数字が見えなくなってしまうので、背景をグレーに設定するというわけです。背景のグレー色設定は印刷に反映されないので、印刷時には無事白色で印刷されるのです。

これは少々トリッキーな設定に見えますが、バンカーは入社時研修で学ぶくらいに当たり前の基本技術になります。

5. たまに変なボタンの押し方をする

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バンカーのエクセルハックはショートカットを覚えたり初期設定をいじったりすることに留まりません。ボタンの押し方にも試行錯誤をする結果、変な押し方をする人が現れます。

例えばエクセルやパワポで書式の詳細設定をイジりたいとき、"Ctrl + 1"を押して詳細設定のポップアップを開きます。あなたなら"Ctrl + 1"をどう押すでしょうか?小指でCtrlを、中指で1を押さえるでしょうか?もしくは親指でCtrlを、人差し指で1を押えますか?

私は少し違います。私の押し方は、左手小指の付け根部分の腹でCtrlを押さえつつ、左手薬指で1を押します。キーボード上の定位置からの移動が最小限で済み、かつ自然と薬指が1のところにくるため、最もミスなく速く押せるのです。

ちなみにこの押し方は先輩から教わりました。当初は「そんなやり方できちんと押えられんやろww」と思ったものですが、やってみたらとてもしっくりきて驚いたことを覚えています。

最後に

エクセルを極めすぎた外資系バンカーのちょっと変なところ、いかがだったでしょうか?

このように、バンカーによるエクセルハックは実は星の数ほどあります。

近くにバンカーがいたら、エクセルのこだわりを聞いてみるのも面白いかもしれませんね。

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公認会計士になるには | 受験資格や年齢、学費、学歴、独学について

この記事は2017年5月25日に公開され、2017年6月26日に内容が更新されました。

給料が高くてプロフェッショナル業とされるのが公認会計士。

「なれるものなら俺もなりたいよ」と思う一方で、「でもどうすれば会計士になれるのかよく分からないよなー」という人も多いはず。

そんな方のために本稿では、公認会計士の試験ってどういうものなのか、どのくらいの勉強期間か必要なのか、受験資格はあるのか、などなど会計士を目指し始めた人がよく抱く疑問について解説していきます!

なお、こちらのエントリーでは主に試験の概要や会計士になる方法を書いていますが、会計士の仕事内容や年収、試験の難易度などについては下記の記事もご覧ください。

公認会計士の仕事内容と年収について
公認会計士の難易度について
公認会計士の就職事情について

公認会計士になるには

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公認会計士にはどうすればなれるのか?

結論から申し上げますと、公認会計士は士業ですので、国家資格の公認会計士試験に合格することで公認会計士になることができます!

と書きましたが、…この説明は正確ではありません。

厳密に言うと、まず短答式試験(1次試験)に合格して、次いで論文式試験(2次試験)に合格すると、「公認会計士補」となります。この段階ではまだ公認会計士とは名乗れませんが、監査法人への就職活動ができるようになります。

監査法人へ就職後は、監査業務などの実務を積みつつ3次試験に向けて休日は補講を受けることになります。そうして単位を順調に取得していき、入所からおよそ2年半後くらいに3次試験を受けます。合格すれば晴れて「公認会計士」として登録されるようになります!

いかがですか?なかなか道のりは険しそうですね。

なお、1次~3次までのそれぞれの試験について、詳しくは後述します。

会計士を目指す人のためのQ&A

試験の詳細に入る前に、会計士を目指す人が聞きたいであろう主なQAをさきに見ていきましょう。

1. 会計士を目指す年齢はいくつくらい?

高校卒業して目指す人もいれば、財務経理部出身で目指す40代の方もいらっしゃいますので、裾野は広いと言えます。受験資格に年齢制限はありません。

受験生のボリュームゾーンは大学生と若いビジネスマンになります。実際、2015年度の受験者の平均年齢は27.1歳でした。

ただ、年齢制限がないとはいえ試験モノですので、若く体力のある人の方が乗り切りやすいという面はあるでしょう。

2. 勉強期間は?

独学か予備校通いか、学生か社会人かで状況は異なりますので千差万別です。

とはいえ、ゼロから初めて2年~3年の勉強で合格する人が一番多いです。

なお、独学の是非については記事の後半で書いています。

3. 専門学校の学費は?

大手のTACや大原ですと、2年コースで60万円~70万円くらいです。

授業料は高額ですが受験のサポートは厚いですし、教室で同じ志の生徒と切磋琢磨できる環境は値段以上の価値があると思います。

4. 受験資格は?

特別な制限はありません。原則誰でも受験できます。

5. 受験に必要な資格はある?

受験資格という意味では特にありません。

6. 学歴は関係ある?

まったく関係ありません。高校中退だろうがなんだろうが、誰でも取れます。

監査法人への就職では、学歴よりも合格点やソフトスキルの方が重視されます。

7. どういう受験生が多い?

大学生が圧倒的に多いです。特に大学1年~2年生で専門学校に通い、4年生での合格を目指す人が大半です。

学部で言うと経済学部や商学部系が多いのは事実ですが、法学部や工学部など、幅広い学部出身者がいます。

8. 社会人だけど、仕事しながら取れる?

大変ですが取れます。

2年~5年での合格を目指す人が多いですが、あまり期間を長くするとモチベーションの維持が難しくなります。

また、短答式合格の有効期限が2年であるという点からも、なるべく早く取るように「3年」なら「3年」と決めて、短期集中で取得を目指す人の方が合格率は高いです。

公認会計士試験を詳しく解説

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冒頭で試験の詳細を後述すると申し上げましたが、ここから解説していきます。

監査法人に就職するには大きく二つ、短答式試験(マーク式)と論文式試験(論述式)に合格する必要があります。

先ほど合格までに必要な勉強時間は3,000時間と申し上げましたが、論文式合格までで3,000時間必要ということです。

ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

短答式試験【一次試験】

公認会計士になろうとする者に必要な専門的知識について、基本的な問題が幅広く出題されます。論文式試験を受験するために必要な知識を体系的に理解しているか否かを客観的に判定する試験になります。大学受験のセンター試験に近いです。丸一日かけて3科目を受験します。

マーク式だからと言って「4択とかでしょ?」と思ったあなた。甘いです!甘すぎです。センター試験の数学なんかもそうですが、論述式と同じように計算し、結果の数字を桁毎にマークする問題もある(当然配点も大きい)ので、とても4択どころではありません。

論文式試験【二次試験】

短答式試験に受かっているなら必要な専門的知識を体系的に理解できているよねっていう前提で、特に思考力、判断力、応用能力、論述力を有するかどうかを評価するための試験になります。受験生の思考を言語化させて、公認会計士として必要な学識及び応用能力、適性を最終判定するための試験です。

こちらは丸3日かけて6科目を受験します。大変長丁場ですので、初日の不調を引きずってしまったりと過酷な3日間をサバイブしなければなりません。

この試験を乗り越えられたら、晴れて監査法人へ入社し会計士業務を行うことができます。

修了考査【三次試験】

監査法人に入社できると前述しましたが、短答式・論文式の試験に受かっただけでは厳密には公認会計士ではありません。

論文式試験に受かった段階では「公認会計士補」という肩書きになります。論文式試験合格後に監査法人に入社し、一定の実務経験と修了考査を経て公認会計士登録をする必要があります。

「まだ試験するの!?」と思われたかもしれませんね。そうなんです、実は修了考査が三次試験とも呼ばれていて、これをクリアする必要があります。ただ、安心して欲しいのが、こちらの試験は合格率が70~80%と言われており、マジメに取り組めば案ずるほどのものではありません。

順調にいけば、論文式試験合格からおよそ3年後に公認会計士登録となります。これで晴れて名刺に「公認会計士」と書けるわけです。

独学で合格することはできるの?

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よくある質問です。結論から言うと、それも不可能ではありません。実際にごくわずかですが、毎年独学での合格者は出ています。

しかし、それが現実的かというと「NO」と言わざるを得ないでしょう。やはり体系的に学習でき、質問もその場でできる資格学校に通う方がより確実です。

会計はプログラミングと似たところがあって、一種のグローバル言語と見ることが出来ます。何が言いたいかというと、とにかくインプット段階でつまずきやすい特徴がありということです。テキストは正確性を優先して難解な言葉を使いたがりますし、注釈も多い一方で図表は少く、到底理解しやすい作りにはなっていません。それはもう意地悪なくらいに。

ですので漸進主義を是として、ちょっとずつ理解していく姿勢が必要です。勉強しているとすぐつまづきますので、その場で即質問ができる環境を用意することが肝要です。ここは未来への投資と割り切って、独学ではなく専門学校に通うようにしたいところです。

また、独学で3年4年とかかって合格するくらいなら、2年間専門学校に通って合格する方が肉体的・精神的・時間的コストを鑑みると結局は安上がりかもしれませんね。

最後に

公認会計士になる方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

公認会計士を目指すということは相応の覚悟と決断が必要になってきます。決意を固めるためにも、できるだけ情報を集めて現状を正確に把握することが肝要です。

関連記事にも様々な切り口で公認会計士についてまとめていますので、よければご参照くださいね。

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投資銀行で激務がなくならない5つの理由

この記事は2017年5月19日に公開され、2017年6月6日に内容が更新されました。

投資銀行といえば激務・高給。

就職活動中の学生からは「命を金に換えるビジネス」と揶揄されることもあるくらい、畏怖と尊敬(e.g.「俺には絶対無理だわ」)を集めています。

でも、どうして投資銀行は激務なのでしょう。

それに、「激務」とは呼ばれるものの「ブラック企業」とは言われないあたりも不思議ですよね。

当時を振り返って、激務の理由について深く考えてみました。本稿ではその理由を5つにまとめてお送りしたいと思います。

1. 走り続けないといけないビジネスモデル

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投資銀行のビジネスはM&Aにしろ資金調達にしろ、数ヶ月で案件はクローズします。

次も取れる確約はなく、また案件獲得を目指して提案から始めなければならないフローのビジネスモデルです。

一度受注したらしばらく食べていけるような代物ではありません。

2. 労働集約型ビジネス

投資銀行業務は究極の営業職であり、労働力への依存度の高い労働集約型ビジネスです。

また、システムで代替できる業務にもあらず、どうしても人が頭を使って手を動かさないといけません。

なお、Capital IQやSPEEDAといったアナリストワークの一部を軽減するようなサービスが必須ツールとして導入が進んでいますが、それで浮いた時間でまた別のアナリストワークを任されるという状態です。

3. 資料の分厚さで勝負するボス

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外資系投資銀行が狙う大型案件は年に何度もあるわけではありません。

また、経済環境によっても収益機会は大きく左右されます。その案件を巡って各社、熾烈な争いを繰り広げています。

ボスは競合に負けない提案をするため様々な切り口で分析をしたがります。

「いかに自分たちが最も御社のことを理解しているか」を喧伝するためです。

その結果、アナリストたちの骸の上に、辞書のようなデータブックが出来上がるというわけです。

4. 「神は細部に宿る」という悪魔信仰

投資銀行の唯一の商品はプレゼンテーション資料になります。それ以外の「商品」を投資銀行は持っていません。知力と体力を売りにしているわけです。

だからこそ、バンカーは全身全霊でここに心血を注ぐわけです。

異常ともいえるそのこだわり・神経質さについて、具体例をいくつか見てみましょう。

ピクセル単位で指示されるロゴの位置

プレゼン資料には多くの会社ロゴや図表を挿入します。

ボスはその位置について強いこだわりがあり、「あと2ピクセル左にズラして」という指示が出るほどです。

ちなみにキーボードの "←" ではピクセル単位で調整できないので "Ctrl" + "←" を使って調整します。

フォーマットで指定された色しか使えない

プレゼン資料においては使える色が会社で厳格に決められています。

例えば「メインカラーは赤147:緑54:青124の色を使うように」といった具合です。メインカラーを中心に大体7、8色が予め指定されています。

また、一般的な会社では強調色として赤を使いがちですが、それでは資料全体が安っぽい印象を与えてしまいます。ですので投資銀行では赤の使用を禁止されています。あくまでメインカラーを中心とした濃淡色を使い分けることで、伝えたいことの強弱を魅せる(見せる)ということを叩き込まれます。

真っ赤になって返ってくるドラフト資料

資料ができるまでを少し解説すると、最初にオフィサー(ディレクター以上のボス)とジュニアバンカー(アナリスト + アソシエイト)とでミーティングをして、提案の骨子を固めます。

その骨子を元に今度はアソシエイトが「このページにはこういうことを書きます」というコメントと作成担当者の名前だけを入れたドラフト(シェルとも呼ばれます)を作成します。

そしてそのシェルを元に、アソシエイトとアナリストが担当ページをそれぞれ作成してひとつのプレゼンを作り上げます。

できあがったドラフト資料を印刷してオフィサーに見せ、イメージと異なっていないか、分析結果から読み取れるインサイトに間違いはないかなどの確認を受けます。

しかし、すんなり通ることは絶対にありません。

なぜなら仮説を基に分析してみたら思っていた結果と違うなんてことはよくありますし、途中でもっと良いアイデアが浮かんだから変更するケースや、単にオフィサーの心変わりで修正することも多々あります。

そうして赤ペンで修正指示を山ほど書き込まれた資料が返されてきます。返ってきた資料はコメントで真っ赤になっており、それを元にまた修正作業に入る、というフローを2回〜5回繰り返します。

書き込みだけでなく口頭で指示や補足されることも多々あるので、ジュニアバンカーは必死にメモを取りつつ修正が最小限に抑えられる形を模索し、指示が止んだらこう切り出します。

「委細承知いたしました。私から提案があります」と。

5. 「YES, Sir!」「Of cource!」「I'd love to!」に透けてみえるカースト制度

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「日本企業は年功序列で言いたいことも言えない」
「海外企業は風通しがよくて自由闊達なカルチャー」

そんな話をたまに聞きますが、これは全く違います。少なくとも外資系投資銀行においては。

外資系投資銀行における身分制度は、低い順にそれぞれアナリスト、アソシエイト、ヴァイスプレジデント、ディレクター、マネジングディレクターとなっています。

一般的にディレクター以上は個室を与えられるので、別名オフィサーと呼ばれます。ジュニアたちは壁一枚の重厚感とプレッシャーを感じながら、いつか俺も個室に入るんだ!と自らを奮起させつつ業務をしています。

ジュニアがボスに対して許される言葉は3つだけ。

承知いたしました!」「全く問題ございません!」「喜んで!

知的体育会系と称されることもある通り、ボスの言うことは絶対なのです。

■ハードワークを代償に超高給、それが外銀。ビズリーチ!

最後に

投資銀行で激務がなくならない5つの理由、いかがだったでしょうか?

こちらの記事の通り、外資系だろうと日系だろうと、投資銀行は平等に激務です。腕に覚えのある超肉食系エリートが毎年投資銀行の門戸を叩き、激務のあまり散っていきます。生半可な覚悟では1年ですら乗り越えられない業界なのです。

長時間の仕事と分刻みのタスクの狭間で曖昧になっていく時間軸。それとは対照的に冴え渡っていく脳。記憶が鮮明なついさっきのミーティングが、実は昨日のやつだった、なんていうことも。

しかしそれでもエリートが憧れ、どっぷりハマってしまうのは、血湧き肉踊るような刺激的な毎日が待っているからです。

それがなにかをここに記載するのは、いささか無粋に思えてやめておくことにします。

あなたに現場で感じて欲しい、そう思います。

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財務部の仕事をわかりやすく丁寧に解説【経理と何が違うの?】

この記事は2017年5月18日に公開され、2017年6月25日に内容が更新されました。

財務部と聞いて、あなたはどのような仕事をイメージするでしょうか?

電卓を片手に、ひたすらレシートや領収書を計算したり、金庫のお金と帳簿のお金が一致しているか確認をするような仕事を想像しますか?

あるいは、「なんとか資金繰りを持たせられないのか!?この案件さえ受注できれば今月の返済ができるんだ!どうにかキャッシュが枯渇しないように回せないのか?次不渡りを出したらうちは倒産だぞ!」なんて言うシーンを想像された方もいらっしゃるかもしれません。

いずれも当たらずとも遠からずなのですが、個人的にはどうしても違和感を禁じえません。

「エリートになりたくば金流を押さえよ」が私の信条ですので、まさにその中心である財務部についてはもう少し洗練された(?)内容で解説できればと思っています。

財務部の仕事内容とは

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早速具体的に財務部の業務内容について説明していきます。

財務部での主な業務をざっくり書くと、

  1. 財務戦略の策定と実行
  2. 監査法人対応
  3. 内部統制

になります。以下で詳しくみていきましょう。

その1. 財務戦略の策定と実行

財務戦略とは、いわゆるコーポレートファイナンスの分野のお話です。財務戦略の観点から財務部の役割を3つ説明しましょう。

まず1つ目は、企業内の資金ニーズの把握です。財務部は企業内における金銭の供給を統括管理する立場ですので、企業が安定成長するために、事業部が必要とする資金を血液のように企業内を滞りなく行き渡らせることが大変重要です。

財務部は、経営陣と経営企画部が作成した事業計画に基づいて、各事業部の資金ニーズを正確に把握している必要があります。外部環境で成長が阻害されるならまだしも、財務のロジが稚拙で資金ショートするといったような、内部環境が成長を阻害する事態は絶対に回避しなければならないためです。

そして2点目ですが、資金ニーズを把握したら今度は実際に調達を実行します。「貸してください、出資してください」といってすぐに集金ができるほど調達の世界は甘くはないので、綿密な調達プランを作成しなければなりません。

この段では、例えば調達手段の多様化や調達スケジュールの作成、調達力を維持・向上させるための金融機関との折衝などが業務内容になります。

そして3つめの役割は財務面からの企業価値の最大化を目指すことです。企業価値を向上させるということを考えたとき、資金調達コストが最小になればキャッシュフローが増えて企業価値にもポジティブに作用します。そのためにエクイティとデットの資本構成を見直したり、負債調達コストを下げるために金融機関と交渉するといった業務が必要になっていきます。

このような資金調達計画の策定や、資本コストの最小化を目指すこと等を指して「財務戦略」と呼びます。

その2. 監査法人対応

監査法人対応は、四半期ごとに財務部が作成した財務諸表を監査法人に監査してもらうときの対応業務を指します。

もしも期中に会計処理を変更したらその合理性を監査法人に説明しないといけませんし、監査法人のヒアリングに応えたり、必要な資料を提出したりしないといけません。監査期間中は監査法人が会社の一室を丸々占領して缶詰状態で監査しますので、財務としてもフルコミットで対応する必要があります。

その3. 内部統制

内部統制とは、会社の経営目標を達成するために、社員全員が守らなければならないルールや仕組みのことをいいます。とりわけ書類の承認や決裁に際して、不正の入り込む余地がないようなシステムを構築したりする業務です。

もう少し具体的に言うと、不正な外部取引が未然に防がれたり、虚偽の領収証が受理されない仕組みであったり、無茶な投資案が通らないようきちんと審議する仕組みを構築することなどが当てはまります。

「財務」と「経理」は役割が違う

混同されがちですが、「財務」と「経理」では役割が異なります。この章では財務と経理の違いについて説明します。

両部の違いを簡単に申し上げると、経理は「企業内ですでに動いたお金の管理(決算書の作成)」であることに対して、財務は「これから動かすお金を管理すること」にあるという点です。

つまり、経理は日々の取引を記帳して決算に向けて財務諸表等を作成する仕事のことを指し、財務は会社全体のお金の流れを管理して、資金不足にならないように銀行や投資家からお金を借りてきたり、どういう調達が企業価値最大化にとってベストなのかを分析する仕事を指します。

企業規模が大きかったり、子会社がたくさんある会社の場合などは財務部と経理部が分離している場合が多いですし、単一事業を展開していて比較的シンプルな資金の流れの会社の場合などは財務経理部として一体となっているケースもあります。

このように財務と経理の業務は区別して扱われるものの、企業の金流を扱うという点では切っても切れない蜜月の関係にあります。

財務部での仕事例

では実際に財務部に転職(異動)したあと、具体的に何をどのように習得していけば良いものでしょうか?

まず配属されたら事業部単位での資金繰りなどの資金管理からスタートします。どの事業でいつまでにどれだけ資金ニーズがあって、会社の投資余力はどれほどあって、不足分はいつまでにどこからどのように調達をして、というようなことを把握する業務です。

その後、金融機関からの借入や投資家への社債の発行といったデットファイナンスを経験し、機関投資家やベンチャーキャピタルから調達するエクイティファイナンスへと経験の幅を広げられるとなお良いでしょう。

付言すると、このファイナンスの際に金融機関や投資家と経済条件の交渉であったり、調達に付随する事業計画の作成まで経験できれば素敵です。

また、デットファイナンスとエクイティファイナンスのいずれに習熟する方が良いかという疑問に関しては、あなたのキャリア形成次第と言えます。つまり、スタートアップなどの成長性の高い企業であったり、積極投資に沸く企業への転職が念頭にあるならエクイティファイナンスの経験を積む方が転職しやすくなります。一方で、企業の多くの資金調達はデット性が中心ですので、デットファイナンスを経験しておくと広くツブシが効かせやすいとも言えます。

【番外】日本版SOX法への対応が急務

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※この章ではコーポレートで最近話題の内部統制について書いていますが、マニアックでしかも本論に影響ありませんので読み飛ばしていただいても大丈夫です。

上場企業において近年注目を浴びているテーマが「日本版SOX法」、通称J-SOXです。

J-SOX(ジェイソックスと読みます)とは内部統制報告制度と日本語では訳されており、上場企業に対して毎年「内部統制報告書」と呼ばれるレポートを有価証券報告書と一緒に内閣総理大臣に提出することを義務付けた制度のことです。この「内部統制報告書」は公認会計士または監査法人の監査を受けなければならないとされています。

内部統制報告書とは

では、内部統制報告書とは一体どんなものでしょうか?厳密な定義はさておき簡単に申し上げると、財務諸表を適正に作成するための体制がきちんとできていますよ、ということを自社で検証して報告する書面のことです。

なぜそのような制度ができたかというと、2002年に米国のエンロンという巨大企業が起こした会計上の巨額粉飾事件がきっかけで金融市場が大混乱したためです。粉飾しているかどうかなんて一般投資家には判断できないよ!監査法人すら信じられないようじゃ、安心して投資なんてできないね!というパニック状態に陥ったのです。

そうしたパニックを抑えて安定した金融市場を保つために、「財務諸表などの開示資料が適法な監査をきちんと受けていますよ」と、「粉飾決算がまかりとおる会社システムになってませんよ」ということを表明するために制度が作られたのです。アメリカでSOX法が制定されたことを受けて、日本でも2003年から日本版SOX法が作られました。今後、経営の透明性と積極的なディスクロージャーを維持することで、失われた信用を回復する必要があり、J-SOXには世界中から期待が集まっています。

財務部が所管するケースが多い内部統制

この日本版SOX法の適用によって、上場企業は会社の財務報告や法律に不正や誤りがないことを見極め、社内の内部統制(=不正の自浄作用)を整備し、「内部監査報告書」を作成しなければなりません。これを担当するのが財務部(あるいは経理部)であるケースが多いです。

内部統制がしっかりしていないと、昨今の東芝のようにグレーやブラックな会計処理が明るみになり、金融市場全体をパニックに陥れる可能性があります。したがって金融庁など国内外の当局からの内部統制厳格化の要請が強まっていることは、財務担当者として心に留めておかねばなりません。

最後に

財務部の仕事をわかりやすく丁寧に解説するというエントリーでしたが、いかがだったでしょうか?

財務部は社内エリートの部署ですので、決してレシートの金額を電卓で叩くようなレイヤーの仕事ではないことがご理解いただけたのではないかと思っています。

数字に強い、コツコツとエクセルを組んだりすることが得意、財務諸表を読むことが苦ではない、職人気質に憧れるという方などは特にフィットする職種かと思います。

当てはまる方は異動あるいは転職をご検討されてはいかがでしょうか?

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サラリーマンが株式投資で40代にして資産1億円を築く方法

この記事は2017年5月17日に公開されました。

世の高給なハイクラス職に就くエリートたちは、大きなフィールドで仕事をしたいという欲求がある一方で、めちゃくちゃ大金持ちになって早くリタイアしたい、という願望も持っています。

そういう人たちは長くキャリアを積んでいきたいというよりも、若いうちに猛烈に働いて大金を得る仕事を選びます。例えば外資系投資銀行のような。

めざすは40代で資産1億円!

「いやいや、普通のサラリーマンにそれは無理でしょ笑」そう思われた方も多いでしょう。

確かにサラリーマンの生涯年収は約3億円と言われており、生活費などを除けば資産はせいぜい数千万円といったところです。40代で1億円は、普通では実現できません。

しかし、なにもあくせく働くだけが資産家への道ではありません。

資産家になる王道、そして大原則は「お金に働いてもらう」です。

本稿では、本業で得た報酬の一部を出来るだけ投資に回して資産を築いていくこと、というテーマで話をしたいと思います。

複利の威力

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本題に入る前に、「お金に働いてもらう」とはどういうことかを説明します。

つまりは株式投資をしましょうということなのですが、その真意は複利で資産を築くということです。

例えばアメリカの株式市場の25年間の年間平均投資リターンは約10%です。どの25年間を選ぶかで当然リターンは前後するのですが、最もリターンの悪い25年間を選んだとしても7%を超えることが知られています。

ということで、仮にアメリカのインデックスを100万円分購入して放ったらかしたとしたら、25年後にはいくらになっていると思いますか?

年間10%だったとしたらなんと、1,083万円です!

年間7%だったとしても、542万円になります。

大切なことは、この間にあなたはあくせく働く必要はありませんし、家計を切り詰めて爪に火をともすような暮らしをする必要もないということです。ただ、株式を購入して放っておいただけ。

これが複利の威力、株式投資の醍醐味なのです。

1億円貯めるための具体的な方法

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複利の効果と株式投資の意義をご理解いただけたところで、具体的に資産1億円を築くためのプランを書いていきます。

先ほどは25年間でのシミュレーションでしたが、40歳で1億円を目指すのが本稿の目的なので、新卒3年目の25歳時点で投資を開始して、15年後に1億円に持って行くシミュレーションを考えていきます。

シミュレーションの前提

まず初年度(25歳)ですが、入社してからの3年間でどうにか200万円を貯めましょう。それを初期投資とします。

そして、次の年からは毎年100万円を追加で差し入れます。

「100万円も!?」と思われるかもしれませんが、1億円を貯めるにはどうしてもこの規模が必要です。

100万円といっても、投資せずにタンス預金のままなら20年貯めても2,000万円にしかなりません。1億円までは遠いです。毎月8万円を給料から捻出しましょう。

そして最後、年平均投資リターンは12%を目指します。日本あるいはアメリカの市場リターンの平均より高いのですが、銘柄選定を間違えずに割安な企業を選べば難しくはありません。

まとめましょう。

  • 初年度(25歳)の投資額:200万円
  • 26歳以降の毎年の追加投資額:100万円
  • 年平均リターン:12%

その結果をグラフにすると下図になります。

資産はこう伸びる

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縦軸が資産(百万円)で、横軸が年齢(歳)です。

投資額は毎年100万円追加投資するのでグラフ上は微増(青色)です。

しかし目を見張るのはオレンジと赤を足した投資リターンの部分が指数関数的に増えていることです。

これが本稿冒頭の複利の威力になってきます。

このシミュレーションですと資産は、

  • 5年後(30歳):1,106万円(投資額累計700万円)
  • 10年後(35歳):2,661万円(投資額累計1,200万円)
  • 15年後(40歳):5,401万円(投資額累計1,700万円)

そして1億円を超えるのは45歳で、資産額は1億231万円(投資額累計2,200万円)となります。

年間の利回り12%というと100万円投資しても最初のリターンは12万円に過ぎないちっぽけなものなのですが、15年20年と経つと、複利の効果によってその100万円がぐんぐん成長していくのです。

資産家になるには2種類しかない

世の富裕層は2種類しかいません。

  1. 代々多額の株式や不動産の資産を保有しており、働かざるとも資産が増える人
  2. 事業に成功し、一代で資産を築いた人

前者は優良な他者(や物)に投資した結果で、後者は自身に投資した結果と言えます。

誰にも何も投資をしないサラリーマンは富裕層になれることはありえません。

富めるものはますます富める

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資産家はその資産を利用してさらに資産を増やします。

資産が多いほどリターンも増えていくのですが、ある一定の資産を築くと、支出より収入の方が上回り、放っておくだけでどんどん資産が増えていくことになります。

仮に1億円の金融資産があって年率10%で運用している人なら、株式収入だけで毎年1,000万円が入ってくるのです。使い切れなかった分は再投資されるので、さらに資産は増えますよね。

最後に

サラリーマンが株式投資で40代にして資産1億円を築く方法をお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか?

資産を築くにも最初が最も大変ですが、日を追うにつれて雪だるま式に資産が増えていきます。

走り出しは微々たるものに見えても複利の効果でぐんぐん資産が成長し、株式収入が本業の収入を超えたあたりから一気にキャズムを超え、資産家と呼ばれ出します。

あなたも資産家に向けて投資を検討してはいかがでしょうか?

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